第191回
ワカモノ・イニシアティブ
―若者よ、ここから政治に入ってみよう―
2013.07.31
  • 鈴木 邦和 (日本政治報道㈱ 代表取締役)
  • 原田 謙介 (NPO法人Youth Create 代表)
  • 山田 進太郎 (㈱コウゾウ 代表取締役社長)
  • 吉田 拓巳 (㈱セブンセンス 代表取締役)
  • コーディネーター:伊藤 伸 (構想日本 ディレクター)

オープンガバメントの実現や、若者の政治参加のための方策について、構想日本がはじめた行政事業の検索サイト「JUDGIT!」の活用方法も交えながら議論が行われた。

吉田氏は、「『JUDGIT!』は若い世代の目も引くようなインターフェイスにデザインした。環境さえ整えれば真剣に政治についてディスカッションする10代は少なくない。誰でも入りやすいウェブサービスにすることが重要」と指摘した。JUDGIT!の発案者でもある山田氏は、「ゲームではない物をいかにゲーム的な要素を使って楽しく効率化できるかを政治にあてはめた時、イギリスの取組み(新聞社のガーディアン紙が17万枚に及ぶ政治家の経費資料を公開し、有権者であるユーザーが怪しいものをリストアップしていくウェブサービス)を知り、『そのような仕組みを日本でもできるかもしれない』と加藤に話したことがJUDGIT!開発のきっかけだった」と話す。また、「難しいと言われる政治を単純化し、自分達が参加することで本当に変わっていく感覚が得られれば、大きく変わるのでは。国民みんなが国をより良くするゲームに参加するという意味で、政治にゲーム的要素を導入することが重要」と指摘した。

ネット選挙解禁の活動をする原田氏は、「JUDGIT!のターゲットは、政治に関心はあるけれど、行動に移していない層ではないか」と推測し、「この層へのアプローチは、難しいことを噛み砕いて情報提供することによって可能になる」と指摘。また地方自治体でのこのようなサービス展開の可能性があり、ネットとリアルな関係の組み合わせによる相乗効果を指摘した。

鈴木氏は、若い世代へのアプローチとして分かりやすく単純化する必要性と同時に、「『これを活用すればこれができるよ』というところまで設計してユーザーに伝えることで初めて、実際にサービスが使われる」と自身の経験から述べた。また「議論する際には、しっかりと意見は戦わせるが相手の存在を否定せず、世代や考えの違いを乗り越えて、将来の世代に良いものを残せる社会にしたい」と話した。