- 【No.1134】代表コラム「政治とカネ ―何が他人ごと?自分ごと?―」
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構想日本メールマガジン【No.1134】 2024.1.11発行
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<目次>
【1】代表コラム「政治とカネ ―何が他人ごと?自分ごと?―」
【2】セミナー開催のご案内「自治体×スタートアップ協業の本質」
【3】Yahoo!ニュースに記事を投稿しました!代表加藤
【4】12月の活動報告
【5】1月の活動予定
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【1】代表コラム「政治とカネ ―何が他人ごと?自分ごと?―」
構想日本 代表 加藤秀樹
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新年おめでとうございます。
昨年の年初のメルマガを見ると、私はこんなことを書いていました。「お正月にはお賽銭、お年玉などお金がつきものです。だからというわけでもないのですが、少しお金の話を。」昨年はこの後に金融政策の話が続くのですが、今年は政治とお金の話を。
何年か前、初めて大臣になった国会議員数人と食事をする機会があり、そのうち経費の使い方の話題になりました。一人は元々弁護士で、「弁護士事務所、国会議員、大臣、どの財布からお金を出すか結構悩むんですよね」と言う。ひとしきりそんな話をして、私はある種の初々しさを感じたものです。
これまで(弁護士事務所や議員など)自分あるいは自分に近い財布から出していたお金を、政府の機関という自分からより“遠く”にある財布から出すことにためらいが見られたからです。これが閣僚経験を重ねたり、長年政府の要職を務めていると、大臣などの財布をためらわず真っ先に使うようになるのでしょう。慣れていくほどに全部自分の財布だと思うようになる。あるいは他人の財布から先に使うようになるのではないかと思うのです。“構想日本用語”を使うと、より近くの財布=自分ごとだから無駄に使いたくない、減らしたくない。遠くの財布=他人ごとだからどんどん使っても気にならない、ということでしょう。
鈴木真砂女という俳人がいました。波瀾万丈の人生を送り、丹羽文雄などの小説に描かれた人ですが、彼女についてこんな話を聞いたことがあります。「私は仕事で行くときは普通車、遊びの時にはグリーン車に乗るの」と。少し前の世代の筋の通し方だなと思います。しがないサラリーマンは恥ずかしながら逆のことを考えますが、本来は他人の金ほど厳密に扱い、節約しないといけない。だから会社の経理には面倒くさいほどの手続きやルールがあるわけです。
翻って政治の世界を見ると全く反対です。個人や企業からの寄付金は非課税、政党助成金は税金です。他人の金というより「天下の金」です。それを、厳密どころか収支報告書に具体的な使途は書かず、大したチェックも行われない。さらにはウラ金に回して収支記録から外すことまでして「自分のもの」にしているわけです。あまりケチなことは言いたくないですが、ついでに言うと国会議員はほとんどが出張や選挙区と東京との行き帰りにはグリーン車を使っていると思います。これももちろん「特殊乗車券」(JRに乗車できる無料パス)として支給されている税金です。真砂女の爪の垢でも煎じて飲めと言いたくなります。
こういったことは政治資金にとどまりません。国の予算まで自分のカネ扱いして、政権維持、議席維持のためにバラまいているわけです。しかし「天下の金」は決して天からは降ってきません。国民が納めた税金か、税金に回るはずだったお金を使っているのです。しかも、長年使いに使ったお金は、今や1,000兆円を超える国の借金として残っています。そして、このツケはいずれ国民全員すなわち天下に降ってくるのです。
構想日本が実現したいのは天下のこと、みんなのことを他人ごとにせず、自分ごとにする世の中です。ところが日本の多くの政治家は国民のこと、みんなのことを二の次にして、政権や議席の維持など自分のことのために他人のカネをさんざん使っているのです。これを変えるには、やはり私たちみんなが政治のことを自分ごとにして、彼らを常に監視するしかありません。
2024年がみなさまにとって良い年になりますように、そして構想日本がささやかでもそのお役に立てるよう、スタッフ一同今年も一生懸命働きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
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【2】セミナー開催のご案内「自治体×スタートアップ協業の本質」
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自治体とスタートアップ企業の連携により、地域の社会課題を解決し、スタートアップの成長にも繋げている事例が増えています。他方でその連携には、お互いの常識の違いなどによる協業の難しさも多くあります。本セミナーでは、自治体×スタートアップ協業の先端を行く、自治体・スタートアップ双方の担当者を多数お招きし、協業のベストプラクティスや、困難を乗り越えるためのコツについて話していただきます。構想日本の田中俊がモデレーターを務めます。ぜひご参加ください。
日時:2月19日(月) 18:00-20:00
形式:リアル対面&オンラインのハイブリッド
場所:Tokyo Innovation Base 2F ROOM(有楽町駅徒歩1分)
参加費:無料
申込方法:下記サイトからお申込みください
詳細はこちらをご覧ください
お問い合わせは構想日本(info@kosonippon.org)まで
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【3】Yahoo!ニュースに記事を投稿しました!代表 加藤
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代表の加藤がYahoo!ニュースに記事を投稿しました。
今回は、連日報道されている「政治とカネ」の問題について。ぜひご覧ください。
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【4】12月の活動報告
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●群馬県太田市 太田市自分ごと化会議(全4回の第2回目)
【日時】12月16日(土)13:00-16:00
【テーマ】公共交通
【参加者の声】
・利用者目線、納税者目線など様々な角度から見ることも大事であると分かり勉強になった
・公共交通への関心を持てるようになって良かった
・色々と考えるきっかけになった。面白いので、引き続き参加したいと思う
・小グループ制だったので、意見も出しやすかったし全体でも発言しやすかった
●福岡県三井郡大刀洗町 大刀洗町自分ごと化会議(全4回の第2回目)
【日時】12月16日(土)13:00-16:00
【テーマ】私たちが考える治水デザイン
【参加者の声】
・前回に比べて活発な意見が出ていたので良かった。次回はどういう会議になるのか期待しています
・自分の町をより詳しく知る機会を得ることができた。特に他の地区の話が興味深かった
・町の具体的な対策を知ることができて良かった
・資料を細かく作成してもらい分かりやすかった。町に対して無知な自分に不安があったが少し軽減した
●茨城県東海村 「公共施設の在り方」に係る自分ごと化会議(全3回の最終回)
【日時】12月17日(日)14:00-17:00
【テーマ】公共施設の在り方
【参加者の声】
・自分の意見を出す力が向上したと思う
・大人の意見を聞ける機会は中々ないのでとても良い経験になった
・自分ごとに考えることを実践することで、以前は関心の少なかった行政について、考えるようになった
・なかなかこのような環境はないので、すごく経験になった
●群馬県前橋市 市民がつくる、未来のまえばし会議~自分ごと化会議in前橋~(全4回の第2回目)
【日時】12月17日(日)9:00-12:00
【テーマ】家庭ごみの減量
【参加者の声】
・異なる年代や世帯の方々が集まった中で、多様な意見があり視野が広がる実感があった
・とても意味のある会議内容だと思うので、実用化など、最終的に実りあるものになると嬉しい
・多くのポジティブ発想が出たことは非常に良かったが、参加していない全く興味のない人に周知することが課題
●大阪府東大阪市 ひがしおおさか地方創生ラウンドテーブル(全4回の最終回)
【日時】12月23日(土)9:00-12:00
【テーマ】「子どもファースト」なまちづくり
【参加者の声】
・今回の会議を通してまちづくりに関心が湧き、外部の研修に参加した。今まで関心がなかったまちづくりや子育てのアンテナが敏感になった
・自分の住むまちについて考えたことがなかったが、今回初めて参加し、大変有意義で新しい気づき・発見があった
・東大阪市が誕生して以来初めての貴重な会議に参加することができ、貴重な経験ができた
・自分ごと化して今後もアクションを起こし続けたいと思う
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【5】1月の活動予定
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●群馬県太田市 太田市自分ごと化会議(全4回の第3回目)
【日時】1月20日(土)13:00-16:00
【場所】太田市役所本庁舎3階 大会議室
【テーマ】公共交通
【傍聴】誰でも自由に参加(申込不要)
【自治体HP】リンク
●群馬県前橋市 市民がつくる、未来のまえばし会議~自分ごと化会議in前橋~(全4回の第3回目)
【日時】1月21日(日)9:00-12:00
【場所】前橋市中央公民館5F 501・502学習室
【テーマ】家庭ごみの減量
【傍聴】誰でも自由に参加(申込不要)
●福岡県三井郡大刀洗町 大刀洗町自分ごと化会議(全4回の第3回目)
【日時】1月27日(土)13:00-16:00
【場所】大刀洗町役場 3階大会議室
【テーマ】私たちが考える治水デザイン
【傍聴】誰でも自由に参加(申込不要)
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<編集後記>
元日から能登半島地震があり、今なお被害状況の把握が続いています。被災地の方々に思いを寄せると同時に、一刻も早い復旧をお祈り申し上げます。災害に直面すると、普段の生活でいかに無意識に多くのものに依存しているか実感します。被災時は足や手を使い情報や物資を求め、周りの人間と協力せざるを得ません。被災地の外からできる支援として過去の経験から、「物資支援やボランティア活動よりも、まずは募金・経済を回すこと」が叫ばれている印象です。実際それは正解なのでしょうが、同時に果たしてそれだけでよいのだろうか、という気もします。災害大国に生きる以上、いつ自らも被災するか分かりません。その意味でできることとして、今の便利な生活の成り立ちを自覚し、周りの人間との繋がりや助け合いを大切にし、今をより大事に生きることも含まれるのではないでしょうか。また改めて災害の備えを万全にしたいと思いました。
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