- 【No.1087】◆寄稿文を公開◆今こそローカリズム-わたしのマツリゴト論 至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘
◆寄稿文を公開◆今こそローカリズム-わたしのマツリゴト論 至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘 #1087
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構想日本メールマガジン【No.1087】 2022.11.24 発行
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<目次>
【1】この先1か月の活動予定
5つの自治体で自分ごと化会議を開催予定
【2】ザラ撮り!
【3】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談 全29話を公開中
【4】巻末寄稿文
今こそローカリズム-わたしのマツリゴト論 至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘
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【1】この先1か月の活動予定
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(1)福岡県大刀洗町 大刀洗町住民協議会
2014年に全国で初めての住民協議会を実施し今年で9年連続の開催。無作為で抽出された町民で議論する4回シリーズの会議の1回目が開催されます。今回の特色は、台湾のJoinを参考にデジタル民主主義を進めている一般社団法人国民会議との連携。新たな試みが加わります。
【日時】11月27日(日)13時~16時(予定)
【場所】大刀洗町役場3階大会議室
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】488人・26人(応募率5.3%)
(2)岡山県新庄村 村づくり自分ごと化会議
今回で3回目となる新庄村の自分ごと化会議。特色の1つは議会主催であること。さらに今年は「株式会社子ども会議(仮)」との連携という新たな試みが加わりました。今回のテーマである「子どもの教育環境づくり」を考えるにあたり、子供の視点を取り入れるため、村の小・中学生(7歳~15歳)が5人以上集まって議論を行い、その結果を自分ごと化会議に反映します。
☆「株式会社子ども会議(仮)」の詳細はこちらからご覧いただけます。
【日時】11月27日(日)10時~12時(予定)
【場所】新庄村公民館 大会議室
【テーマ】子どもたちの未来につなぐ新庄村ならではの教育環境づくりとは
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】108人・10人(応募率9.3%)
(3)和歌山県かつらぎ町 自分ごと化会議
かつらぎ町で初の事業仕分けを実施します。無作為で抽出された町民が、6事業について評価を行います。
【日時】12月3日(土) 9時 ~17時(予定)
【場所】かつらぎ総合文化会館 大ホール
【対象事業】コミュニティバス運行事業、図書館業務、起業支援事業、ほか全6事業
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】1,000人・31人(応募率3.1%)
☆詳細はかつらぎ町HPよりご覧いただけます。
☆構想日本HPでも紹介しています
(4)群馬県太田市 自分ごと化会議
今回で6回目となる太田市の自分ごと化会議。4回シリーズの会議の2回目が開催されます。外国人居住者が多い太田市でその声を市政運営に反映するため、国外出身の市民も2名参加します。
【日時】 12月11日(日)13時~16時(予定)
【場所】 太田市役所本庁舎3階大会議室
【テーマ】防災
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】600人・11人(応募率1.8%)
☆詳細は太田市HPよりご覧いただけます。
☆構想日本HPでも紹介しています
(5)北海道芽室町 新嵐山活用計画検討会議(仮称)
芽室町で初の住民協議会を実施。4回シリーズの会議の1回目が開催されます。芽室町の重要な観光拠点である新嵐山スカイパークについて、無作為で抽出された町民の声を反映し、活用計画の見直しを目指します。
【日時】12月18日(日) 13時30分~16時30分(予定)
【場所】めむろ新嵐山スカイパーク 国民宿舎 新嵐山荘
【テーマ】未定
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【2】ザラ撮り!
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日常にある身近なザラザラを、自由な視点で写真で切り取り紹介します!
熊本城周遊バス車内で見つけたザラザラ写真
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【3】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談 全29話を公開中
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大人のどちて坊や・谷野栄治(クリエイティブディレクター)の疑問に、加藤秀樹(構想日本代表)が答えてすすむ雑談ラジオ。
アニメ番組『一休さん』に登場する、“どちて(どうして)ですか?”が口癖のキャラクター「どちて坊や」。その「どちて坊や」の問いかけように、よのなかの出来事に対する”素朴な疑問”から話がはずむ、ゆかいな雑談です。脱線こそ雑談の醍醐味。脱線からうまれる初耳の話を、お楽しみください。
☆先週の第20話に続き、第21、22、23話はこちら!
第21話 学校歴より学習歴から始まる「受験勉強の世界とは違うもう一つの世界」
第22話 ケーススタディの普及から始まる「優位性がなくなりツルツル化する」
第23話 お祭り抜きの「お祭り騒ぎ」は 祭りのツルツル化
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「脱線!どちて雑談」をより深く楽しんでいただくために!以下をぜひお読みください。
~参考書籍~
「ツルツル世界とザラザラ世界 世界二制度のすすめ 」 加藤 秀樹(著)
☆Amazon書籍販売ページ
「ツルツル、ザラザラって?」
☆詳細はこちら 構想日本HP
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【4】巻末寄稿文「今こそローカリズム-わたしのマツリゴト論」
至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘
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高校生の時、社会科教師の何気ない一言に、無意識のうちに影響をうけた。
-人生は、人・書物・場所との出会いで切り開かれる、と。
わたしの生まれ育った犬山市には京都大学霊長類研究所がある。霊長類の研究は、結局人間とは何かという研究であるという。ここの研究者たちからは独創的で刺激的な話をいろいろ聞いた。京大の学長になられた山極壽一さんはゴリラ専門の研究者だったが、人間は社交する動物であるという話をされ、劇作家・山崎正和著「社交する人間」を推薦された。
社交とは人間が感情を共有することであり、人間は社会的動物であるという。劇作家の視点から、政治とは社交の別名という。政治を職業としてきた私にとって、この指摘にはガツンと一撃を受けた。政治と社交の共通項の中に儀礼や祝祭が登場する。たしかに、政治は社会の営みの節々に式典や儀礼、祝祭や饗宴の社交の場を演出することによって社会を統一していく。社会というカオス(混沌)世界を一定の方向に制御していく。「社交する人間」との出会いによってわたしは祭りを再発見した。
視点を変えよう。政治家になろうとし、最初の選挙の時先達に勧められ、ふるさとの神社・寺院を回り、祈った。そこはコミュニティの記憶が圧縮された場であった。深い精神世界に引き込まれるような時間帯。ふるさとにわたしの心をいざなっていく郷愁の磁場であった。-祭りは故郷の歴史への回帰であり、政治空間と知った。
この、人と書物と場の出会いが政治という生涯の仕事と、故郷の祭りというコミュニティ(人間社会)への愛を結びつける導線となった。
私は1945(昭和20)年10月生まれの代表的な団塊の世代である。焼け野原の中から戦後日本の復興期に成長し、東名・名神高速道路、東海道新幹線、東京オリンピック、大阪万博と高度成長期に大学を卒業。GDP世界2位になるころ県議会議員になり、20世紀末1995年阪神大震災の年に念願の市長になった。バブル崩壊、少子高齢化、介護保険制度、地方分権がキーワードとなり、私を取り巻く時代背景は激変した。あらゆる面でグローバル化の怒涛が押し寄せ、ライフスタイルや価値観が“日本”を変えていった。
私が各地の祭りに格別の関心を持ち始めたのはちょうどこの頃である。“今こそローカリズム”という時代への反旗を掲げ、各地の祭りの中に失われゆく日本の物語を訪ね歩いた。各地の祭りを通して地域コミュニティの歴史と対話した。
祭りは私に人間とは何か、社会とは何かを語ってくれた。
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石田 芳弘(いしだ よしひろ)
愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。
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(編集後記)どちて雑談21話で、勉強しなさいと言いながら、子供の隣でテレビやネットに興じている親の子はたいてい勉強をしない、との話がありました。自分自身が楽しんだり打ち込んだりしていることしか、その意義や楽しさを伝えるのは難しい。背中をみせる!…大した見本になれなくても、親である以上、ずっとその姿勢が大切なのだろうと、親としてのあり方を再認識しました。
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