【No.1086】松江市で市民主催の自分ごと化会議3期目のキックオフイベントを開催しました!
2022.11.17

【現場レポート】松江市で市民主催の自分ごと化会議3期目のキックオフイベントを開催しました! #1086

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構想日本メールマガジン【No.1086】 2022.11.17 発行
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<目次>
【1】各地からの現場レポート
【2】この先1か月の活動予定
8つの自治体で自分ごと化会議を開催予定
【3】ザラ撮り!
【4】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談 全29話を公開中
【5】巻末寄稿文
ユネスコ無形文化遺産と祭保存会の改革  至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘

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【1】各地からの現場レポート
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島根県松江市 自分ごと化会議in松江
松江市では、全国唯一の住民主催の自分ごと化会議を開催しています。3期目のキックオフイベント「Next自分ごと化プロジェクト〜わたしも松江の未来を話したい〜」を開催しました。
【日時・場所】11月6日(日)13時30分〜16時30分 島根県民会館2F 第1・2多目的ホール

★イベントに参加した総括ディレクター伊藤のレポートをお届けします
この日は、第3期のキックオフイベントと位置づけ、約50人が参加。
総括ディレクターの伊藤が昨年12月に出版した「くじ引き民主主義」の時代へ〜自分ごと化会議のススメ〜」の出版記念講演のほか、松江で活動するアーティストで自分ごと化会議の賛同人でもある「マイトリー」によるライブや、実行委員会の共同代表の福嶋浩彦さん(元消費者庁長官、構想日本理事)や行政主催の自分ごと化会議を主導してきた山口秀樹さん(前琴浦町副町長)などのパネルディスカッションを行いました。
終了後、参加者の中から第3期の実行委員に手を挙げる人が出るなど反響の大きい会となりました。
また、この講演会の運営は島根大学の学生や高校生が中心。第3期の実行委員の中心になる予定です。全国的にも大きな特徴です。
これから第3期実施に向け準備が本格化していきます。是非ご注目ください。

☆「自分ごと化会議in松江」実行委員会のFacebookページもご覧ください。

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【2】この先1か月の活動予定
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(1)京都府長岡京市(仮称)自治振興条例第10回条例検討委員会
令和3年度に開催した「自分ごと化会議in長岡京」の提言書を受け、外部の専門家と公募市民等で条例文案を考えてきました。委員会の開催回数は10回を数え、今回で最終回を迎えます。長岡京市では、条例に加え解説書も作成しますが、解説書の作成まで行うのは全国初の試みです。

【日時】 11月17日(木)18時30分~20時30分(予定)
【場所】 長岡京市産業文化会館1階大会議室
【傍聴】どなたでも傍聴できます。

☆詳細は長岡京市HPよりご覧いただけます。

(2)群馬県富岡市 一ノ宮地区・富岡地区円卓会議(自分ごと化会議)
11地区の公民館で無作為で抽出された市民が地域の課題について議論する円卓会議(自分ごと化会議)を開催。11地区のうち2つの地区(一ノ宮地区・富岡地区)で構想日本が会議をサポート。5回シリーズの会議の2回目が開催されます。
≪一ノ宮地区≫
【日時】11月19日(土)9時30分~12時 (予定)
【場所】富岡市社会教育館
【テーマ】地域運営や地域活動等における役員のなり手不足
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】713人・12人(応募率1.7%)
≪富岡地区≫
【日時】11月19日(土)13時30分~16時30分(予定)
【場所】富岡公民館 大会議室
【テーマ】災害への備え(当日は地区内の危険個所の視察を行います。)
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】282人・7人(応募率2.5%)

(3)群馬県太田市 自分ごと化会議
今回で6回目となる太田市の自分ごと化会議。4回シリーズの会議の1回目が開催されます。外国人居住者が多い太田市でその声を市政運営に反映するため、初の試みとして、無作為で抽出した市民に加え国外出身の市民2名が参加します。
【日時】 11月19日(土)13時~16時(予定)
【場所】 太田市役所本庁舎3階大会議室
【テーマ】防災
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】600人・11人(応募率1.8%)

☆詳細は太田市HPよりご覧いただけます。

構想日本HPでも紹介しています

(4)鳥取県琴浦町 ことうら環境アクションンチーム第4回会議(自分ごと化会議)
昨年度行われた「みんなで考える家庭ごみ減量会議」で作成した「提言書」の内容を実行に移すためにチームを発足。そのチームによる4回目の会議が開催されます。
【日時】11月20日(日)9時30分~12時00分(予定)
【場所】琴浦町役場 本庁舎2階 防災会議室
【テーマ】家庭ごみの減量

(5)奈良県奈良市 月ケ瀬地区第4回自分ごと化会議
無作為で抽出された市民がテーマごとに2班に分かれて議論。5回シリーズの会議の4回目が開催されます。
【日時】 11月21日(月)19時~21時30分(予定)
【場所】 月ヶ瀬ワーケーションルームONOONO(A班)、月ヶ瀬行政センター(B班)
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】1,021人・56人(応募率5.5%)
<A班>
【テーマ】共助・地域コミュニティの力を活用したヒト・モノの移動に関する地域課題解決。
<B班>
【テーマ】共助・地域コミュニティを強化する手法。

(6)福岡県大刀洗町 大刀洗町住民協議会
2014年に全国で初めての住民協議会を実施し今年で9年連続の開催。無作為で抽出された町民で議論する4回シリーズの会議の1回目が開催されます。今回の特色は、台湾のJoinを参考にデジタル民主主義を進めている一般社団法人国民会議との連携。新たな試みが加わります。
【日時】11月27日(日)13時~16時(予定)
【場所】大刀洗町役場3階大会議室
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】488人・26人(応募率5.3%)

(7)岡山県新庄村 村づくり自分ごと化会議
今回で3回目となる新庄村の自分ごと化会議。特色の1つは議会主催であること。さらに今年は「株式会社子ども会議(仮)」との連携という新たな試みが加わりました。今回のテーマである「子どもの教育環境づくり」を考えるにあたり、子供の視点を取り入れるため、村の小・中学生(7歳~15歳)が5人以上集まって議論を行い、その結果を自分ごと化会議に反映します。

☆「株式会社子ども会議(仮)」の詳細はこちらからご覧いただけます。

【日時】11月27日(日)10時~12時(予定)
【場所】新庄村公民館 大会議室
【テーマ】子どもたちの未来につなぐ新庄村ならではの教育環境づくりとは
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】108人・10人(応募率9.3%)

(8)和歌山県かつらぎ町 自分ごと化会議会
かつらぎ町で初の事業仕分けを実施します。無作為で抽出された町民が、6事業について評価を行います。
【日時】12月3日(土) 9時 ~17時(予定)
【場所】かつらぎ総合文化会館 大ホール
【対象事業】コミュニティバス運行事業、図書館業務、起業支援事業、ほか全6事業
【無作為抽出した人数・応募のあった人数】1,000人・31人(応募率3.1%)

☆詳細はかつらぎ町HPよりご覧いただけます。

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【3】ザラ撮り!
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日常にある身近なザラザラを、自由な視点で写真で切り取り紹介します!

熊本市中央区にある長崎次郎書店

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【4】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談 全29話を公開中
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大人のどちて坊や・谷野栄治(クリエイティブディレクター)の疑問に、加藤秀樹(構想日本代表)が答えてすすむ雑談ラジオ。
アニメ番組『一休さん』に登場する、“どちて(どうして)ですか?”が口癖のキャラクター「どちて坊や」。その「どちて坊や」の問いかけように、よのなかの出来事に対する”素朴な疑問”から話がはずむ、ゆかいな雑談です。脱線こそ雑談の醍醐味。脱線からうまれる初耳の話を、お楽しみください。

☆先週の第17話に続き、第18、19、20話はこちら!

第18話 無駄をなくすことから始まる「法隆寺で考える効率とは何か」
第19話 お得や割安が溢れる世の中”から始まる「コスパ優先が将来の社会問題にも」
第20話 歩き方教室から始まる「不要不急なことしかしない人間」

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「脱線!どちて雑談」をより深く楽しんでいただくために!以下をぜひお読みください。

~参考書籍~
「ツルツル世界とザラザラ世界 世界二制度のすすめ 」 加藤 秀樹(著)
Amazon書籍販売ページ

「ツルツル、ザラザラって?」
☆詳細はこちら 構想日本HP

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【5】巻末寄稿文「ユネスコ無形文化遺産と祭保存会の改革」
至学館大学 コミュニケーション研究所長 石田 芳弘
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ユネスコとは、国連の教育・科学・文化機関である。
このユネスコに世界遺産と対になる、無形文化遺産がある。

世界遺産は有形のモノ。一方、無形文化遺産は維持されてきた伝統技術や人間集団が演出するコト。世界遺産はヨーロッパ先進国を対象にした20世紀型の価値観であるのに対し、無形文化遺産はアジア・アフリカ・南米などの地域コミュニティに残る民族固有の文化に光を当てた21世紀型ともいわれる。

わが国でこの制度に登録されている伝承文化は、2022年時点で雅楽・歌舞伎・能楽・文楽など20余が対象である。

2016(平成28)年、「山・鉾・屋台行事」がこの遺産登録になった。京都祇園祭をルーツとする、高い構築物を造りお囃子とともに大勢で曳き回す形態の祭りのうち、33の国重要無形文化財指定の祭りが、グループで登録。

私が保存会長を務める「犬山祭の車山行事(やまぎょうじ)」もその中に入った。

犬山祭は産土・針綱神社(うぶすな・はりつなじんじゃ)の祭礼である。江戸時代に現在の形を整えたというもののこの神社の祭神は、本殿から500メートルの位置にある3世紀造営の東ノ宮古墳に埋葬された部族国家・邇波国(にわこく)の大王であるという説がある。今から1800年前この地に生活していた人々が営んだ祭祀・儀礼の習俗が時空を超えてつながり、いま世界の文化の一角を担うということに歴史の持つ普遍性を感じた。

故郷のローカリズムがユネスコというグローバリズムに包摂されたといっていいのだろうか。

ところが、わが国の伝統的な祭りは今、実は危機的状態を迎えつつある。国全体の流れが未曽有の少子高齢社会を迎え、特に地方はその波をもろにかぶり、年々人口は減り、空き家が増え、町内会・自治会はかっての力を失い、若い世代は地域コミュニティよりデジタルなSNS中心となりつつある。「無縁社会」という言葉が人口に膾炙され、犬山も例外ではない。

ユネスコ無形文化遺産登録を受け、犬山祭保存会の組織運営を見直さなければならないと気づいた。犬山祭は産土・針綱神社と城下町がトポス(磁場)となり育まれた地域コミュニティの伝承文化だ。車山行事を行う各町内は現在も江戸時代と同じ言葉を使い、町内運営を行っている。

「日一文(ひいちもん)」-町内各戸から集金する町内会費の呼称。
「出不足(でぶそく)」-祭りに参加できない家に課される義務的出費。

祭りに参加する若者の7割が関係町内以外からにもかかわらず、内と外と区別がある。
祭人達は、郷土愛の噴火のような激しさで祭礼を実行するが、ナショナリズムに近い唯我独尊の排他的・視野狭窄に陥る可能性無きにしも非ず。

この際、祭祀を伴う日本の祭りの持つ伝承文化は、ローカリズムの風土性・慣習と同時にグローバリズムの持つ多様性・包摂性を共棲させなければならないと考えるようになった。

伝承のリメークだ。「新たな故郷の物語」を作り出すことが必要ではないか。
そこで、犬山祭保存会を一般社団法人化した。会費を徴収し会員制とし、どこに居住しているかは関係なく、登録された会員によって祭りを運営するという規約にした。

私が所属するコミュニティ政策学会では、全国の町内会・自治会の地縁コミュニティが弱体化していく反面、都会ではNPOなど地縁ではない、テーマごとに人がつながるアソシエーション型コミュニティが社会を構成する政策として影響を持つようになっている。また神事を抜きにしたイベントのような「都市祝祭」が、公共政策の研究対象になりかかっている。

コロナ禍で2年祭礼を中止したので、この際、会員制導入を皆で大いに議論をした。果たせるかな、激しい反対にもあったが、今年の祭礼から踏み切った。大きな意識改革であるから、そう簡単に軌道に乗るとは考えていないが、方向は決まった。

兎おいしかの山 小鮒つりしかの川
ゆめは今もめぐりて 忘れがたきふるさと

文部省唱歌「ふるさと」は郷愁をさそって好きだ。
しかし、故郷の祭りがユネスコの無形文化遺産に登録された今、「文部省唱歌」は考え物だ。この歌詞を韓流ポップ・BTSでカバーする。そんな発想も必要ではないか。
現代における伝承の再生が、創り出されたものであったとしても、その再生を託した「故郷の物語」が語り掛けるのは、グローバリゼーションのもとで故郷の遠い過去から響く声に導かれて、人々が新しいトポス(場)へよせる愛のかたち。-その表象が世界からどのように包摂されるかという、もうひとつの問いかけに他ならない。
ユネスコ無形文化遺産登録はそのことを示唆する。

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)
愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。
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(編集後記)どちて雑談18話でツルツル化とは時間を短くすることとワンセットというお話がありました。「時間=いのち」だとすると、ツルツル化とは「いのちを込める」ことを減らすこと。それは、手抜きや力の出し惜しみにつながり、そのような態度で行った行為は自分の血肉となるはずもなく、自分の成長を長い目で見たとき、とても効率が悪いということに気が付きました。
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