【No.973】「災害発生後の避難生活における車中泊支援の必要性」第2部 |高知防災プロジェクト代表、さんすい防災研究所代表 山崎水紀夫氏|
2020.08.20

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構想日本メールマガジン【No.973】 2020.08.20 発行

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<目次>

【1】 ネット対談 宇都宮崇人氏×伊藤伸 「ポケモンと考える『現実世界と仮想世界をより豊かにする方法』 9月1日(月)20時~

【2】各地からの現場レポート

 オンライン開催「ふるさと住民票ワーキンググループ」に参加 鳥取県琴浦町 7月30日

【3】今後の活動予定

 「かもがわ市民会議」第2回 8月22日(土)13:00~ 千葉県鴨川市

【4】巻末寄稿文

「災害発生後の避難生活における車中泊支援の必要性」第2部

高知防災プロジェクト代表、さんすい防災研究所代表 山崎 水紀夫

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【1】宇都宮崇人氏×伊藤伸 インターネット対談
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インターネット対談 「ポケモンと考える『現実世界と仮想世界をより豊かにする方法』

様々な方面で、志を持ち活動をされている方々をお招きし、お話をうかがっています。

今回のゲストは、世界で累計10億ダウンロードを突破した「ポケモンGO」の仕掛け人であり、事業責任者でもあった、株式会社ポケモンの宇都宮崇人氏。

「ポケモンGO」は幅広い層から人気を博し、世界中で様々な社会現象を巻き起こしました。

また株式会社ポケモンは、全国に「ポケふた」(ポケモンを描いたマンホールの蓋)を設置し、地域活性化の起爆剤として、自治体からも注目を集めています。このような活動を担う宇都宮さんに、これからの日本をより豊かにするまちおこしのススメや課題などについて伺います。

日時:9月1日(月)20時~21時(予定)

対談ゲスト:株式会社ポケモン 代表取締役、最高執行責任者(COO) 宇都宮  崇人氏

ゲストプロフィール:ポケモンセンタートウキョーのビジネスユニット長などを経て現職。ゲームソフト「ポケットモンスター」シリーズを始めとして、ビデオゲーム、アプリゲームのプロデュースを担当。

YouTubeライブにて 生配信します。URLなど、詳細は改めてご案内します。

FBはこちら→  https://www.facebook.com/events/1009695652821363/?acontext=%7B%22source%22%3A%225%22%2C%22event_action_history%22%3A[%7B%22mechanism%22%3A%22surface%22%2C%22surface%22%3A%22create_dialog%22%7D]%7D

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【2】各地からの現場レポート
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鳥取県琴浦町「ふるさと住民票ワーキンググループ(WG)」に参

鳥取県琴浦町は、2018年度から「事業レビュー」で構想日本協力している自治体で、今年度「ふるさと住民票(R)」の導入を検討しています。
『ふるさと住民票は、“役場全体で考えていく取り組み” にしたい。』山口副町長の熱い思いで、各課から1~2人ずつ参加するWGを立ち上げました。

まず、構想日本から「ふるさと住民票の趣旨・目的」や「各地の具体的な取り組み」などをお話しました。
その後、琴浦町としてふるさと住民とどのようなまちづくりをしていきたいか、またどのような関係を作っていきたいか、について意見交換を行いました。

山口副町長のコメント(抜粋)

●サービス提供合戦ではない琴浦ならではの取り組みを考えていきたい。
●若い人を巻き込めるようなことをしていきたい。
●(志布志市のような)地元の人たちとふるさと住民の意見交換をぜひやりたい。

山口副町長は、日野町が全国で初めてふるさと住民票を始めた時に副町長をされていたこともあり、この取り組みにかける思いも大きく、琴浦町でも熱心に取り組まれています。

今後の琴浦町の取り組みに、ぜひご注目ください。
詳細はこちら→  http://relevantly.work/cp-bin/wordpress/2020/08/06/kotourawg20200730/

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【3】今後の活動予定
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総合計画の策定を目的に鴨川市で【かもがわ市民会議(住民協議会)】第2回 開催

無作為に選ばれた市民3,000人にアンケートを送付。その回答結果から下記の4つ議論のテーマを設定。

【テーマ】「働きがいのある仕事づくり」「生活を支える交通」「子育て子育ち環境づくり」「みんなで考える防災対策」

総合計画を、上記3,000人の中から応募のあった多様な市民が中心になって作る。
鴨川市史上初めての試みです。

【日 時】8月22日(土) 13:00~16:00(予定)

【会 場】鴨川市役所(千葉県鴨川市横渚1450)

※新型コロナウイルス感染症対策のため、見学者が多数の場合、モニター中継のある別室へご案内することがあります。
☆会場に関する問い合わせ先 経営企画部経営企画課(電話:04-7093-7827)

詳細は下記をご覧ください。

構想日本HP  http://kosonippon.org/wp-manager/kamogawa_2020/
鴨川市HP  http://www.city.kamogawa.lg.jp/i/soshiki_ichiran/hisyokouhouka/info/shinokeikaku_sesaku/sougou_keikaku/5kei/1597641236851.html

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【4】「災害発生後の避難生活における車中泊支援の必要性」第2

高知防災プロジェクト代表、さんすい防災研究所代表 山崎 水紀夫

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コロナ禍での災害発生時の避難所の課題が連日報道されている。私の提言は、災害発生後の避難所生活においては選択肢の1つとして、車中泊支援を検討すべきということだ。※

車中泊者の位置づけについては、熊本地震後の平成28年5月の国会で質問が出された。政府答弁は「災害対策基本法において車中泊者は明確に規定していないが、やむを得ない理由により避難所に滞在することができない被災者に対しても、必要な措置を講ずるよう努めるべきものであると考えている。」と曖昧ながらも支援の方向性が示されている。

車中泊でのエコノミークラス症候群のリスクを低減できれば、災害発生後の避難生活において車中泊は有効な選択肢であると考え、4月のステイホーム期間中に提言書をまとめた。それを基に、2020年6月に2回に渡り車中泊受入訓練を行い、多くのメディアに取り上げていただいた(車中泊避難訓練で検索すると複数の記事がヒットします)。
提言書は内閣府防災担当、高知県危機管理担当課に提出している。

(提言書と訓練資料は https://sansuibousai.com/syachuhaku_training/

訓練内容は1駐車場のゾーニング、2受付、3巡回支援の確認。

1ゾーニング:車中泊専用駐車場は避難所やトイレに近い場所を選定。
車のソーシャル(フィジカルディス)ディスタンスとして、1台ずつ空けてコーンを置くなどの受け入れ準備。

2受付:車中泊を無条件に認めるのではなく、最初にエコノミークラス症候群のリスクを説明し、推奨できない旨を伝達。車中で水平な状態を保てること、着圧ストッキング着用などリスク対策ができているか確認。
4人家族で水平な状態が保てるのが2人の場合、あとの2人は一般の避難所を勧めるといった具合に、6パターンの避難者を想定して行った。車中泊の注意点を記載したチラシも作成して配布した。

3巡回支援:朝の点呼と安全確認、体操の実践。数日後に仮設トイレが到着した場合の設置場所の検討などを行った。

訓練を通じて分かったことは、準備をせずに車中泊支援を行うと大混乱をきたすため、住民への事前広報の重要性だ。

ポイントは

1車中泊はリスクがあるが、そのリスクを知った上でリスク回避の対策をすれば、避難生活の有効な選択肢となること。

2災害や避難所の状況によって車中泊用スペースを設ける場合があること。

3車中泊を認めるのは水平な状態の保持、着圧ストッキングの着用など、対策ができている人に限定すること。

以上の3つを事前に告知しておくだけで随分と違うだろう。そして自治体も安価で保管・運搬も容易な着圧ストッキングの備蓄をしておくことが重要だ。

今後は、訓練結果をリーフレットにまとめ、自治体に配布。車中泊に支援に特化したフォーラムを開催したいと考えている。(このご時世なのでWEB開催も検討)

「この日(避難生活としての車中泊を認めざるを得ないとき)が来るのは、分かっていたのだから、検討はしておくべきだった」とならないために、自分にできることを少しずつでも積み上げていきたいと思う。

※車中泊支援の提言は災害発生後の避難生活であり、緊急避難は含んでいません。

<参考>

山崎水紀夫氏監修

災害ボランティア活動におけるコロナ対策動画 こちらから→  https://www.facebook.com/mikio.yamasaki.16/posts/1671504396339417

山崎水紀夫氏のFB→  https://www.facebook.com/mikio.yamasaki.16/posts/1683330151823508

車中泊避難支援提言 →  https://sansuibousai.com/syachuhaku_training/ の「車中泊訓練用資料(PDF)」P.16.17 をまずはご覧ください。

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山崎 水紀夫 (やまさき みきお)

高知防災プロジェクト代表、さんすい防災研究所代表。1964年高知県生まれ。高知県庁で35年間勤務し2020年3月末で早期退職。公務外で22の災害で災害ボランティアセンター(以下VCに略)運営支援者として被災地支援を行う。
通称:水危男。高校時代に2度の水難(一度は人命救助表彰)を経験。日本初の水害VC(福島・栃木・高知)のVC代表を務め、水危男の異名を持つ。祖父は村長として激甚災害指定を受ける水害の激務で現職死亡(昭和40年)。

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(編集後記)

「#先生死ぬかも」 教員の長時間労働や過労死が、コロナ対策で加速しています。
部活動などのこれまでの仕事に加えて、給食の盛り付け、トイレ掃除、消毒作業等々。
みんなやってる。先生だけじゃない。ではなく「根本的に考える時期」だと思いませんか。

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