- 【No.940】 「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第四十四弾 長滝・白山神社の六日祭」|至学館大学・コミュニケーション研究所長 石田 芳弘氏|
【No.940】いつ来るか、わからない天災に備えてできることを考える
■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
構想日本メールマガジン【No.940】 2019.12.12 発行
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■
<目次>
【1】第254回J.I.フォーラム 12月24日(火)
「大災害時代、千葉に学び、全国に生かす」
【2】各地からの現場レポート
(1)岡山県 津山市「津山自分ごと化会議」第2回
(2)群馬県 富岡市「とみおか未来会議」(住民協議会)第3回
(3)北海道 清水町「清水ミライ自分ごと化会議」第2回
【3】今後の活動予定
(1)群馬県 太田市 「自分ごと化会議2019」第4回 12月14日(土)
(2)和歌山県 海南市 「住民協議会」第5回 12月15日(日)
(3)岡山県 津山市 「津山自分ごと化会議」第3回 12月21日(土)
【4】ご紹介
(1)アウトサイダーアートフェア ☆クラウドファンディング☆ のお願い
【5】巻末寄稿文
「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第四十四弾 長滝・白山神社の六日祭」
至学館大学・コミュニケーション研究所長 石田 芳弘
□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □
【1】第254回J.I.フォーラム
「大災害時代、千葉に学び、全国に生かす」
——————————————————————
千葉県は今年たて続けの台風で甚大な被害を受けました。
これまで災害が少なかった地域、逆に災害が多いから念入りに対策をしてきた地域、どちらも、これまでの常識で対応できなくなっています。
千葉県下で被災の時から現場で奮闘してきた4人の方から生々しいレポートを聞き、それを私たち全員の今後の備えに生かしたいと思います。
◯日 時:2019年 12月24日(火)18:30~20:30(開場18:00)
※開始時間にご留意ください。(入退室自由)
◯会 場:アルカディア市ヶ谷 4F 鳳凰(千代田区九段北4-2-25、TEL:03-3261-9921)
◯登壇者:(敬称略)
平 将明(内閣府 防災担当副大臣・衆議院議員)
石井 秀征(鴨川市 経営企画課 課長補佐 兼 総務課 台風被害復興室長)
熊井 成和(館山市 健康福祉部長)
鈴木 航太(富津市 総務部資産経営課資産経営係 係長)
鈴木 裕士(富洋観光開発株式会社 代表取締役)
佐木 学(三原市まちづくり戦略検討会議委員・小坂町 防災会会長)
◯参加費 : 一般 2,000円 / 学生 500円(構想日本会員は無料です)※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。
事前にお申し込みください ☆懇親会はございません。
◯フォーラムの申し込み方法
⇒HPから申し込み:http://kosonippon.org/wp-manager/forum/regist.php
⇒メールをする:info@kosonippon.org
⇒Facebookイベントページの「参加」をクリック
:https://www.facebook.com/events/3100479833315477/
⇒電話をする:03-5275-5607
⇒FAX.をする:03-5275-5617
いずれかの方法で、お申し込みください。
◯お問い合せは TEL 03-5275-5607
■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【2】各地からの現場レポート
——————————————————————————
(1)津山市「津山自分ごと化会議」第2回(11/2)
テーマは「市営プールと学校プールのあり方」
「市の人口推計、財政状況」「市営プールのランニングコスト等の運営状況」などの説明と映像を見てもらい、話し合いました。
市民からは次のような意見が活発に…
「グラスハウスの指定管理料が高すぎる」
「津山市には子どもの遊び場が少ない」
「他の用途に変えてもいいのではないか。例えば、サッカー場など」
詳細はこちら → http://kosonippon.org/wp-manager/blog/?p=2698
——————————————————————
(2)群馬県 富岡市 「とみおか未来会議」第3回(11/24)
テーマは「子育て支援の充実(子どもの遊び場整備)」
テーマが子育て支援だったので、若い参加者中心に次のような意見が…
「安全・安心のため、地域の見守りを義務化してしまうと継続できないのではないか。」
「大人自身が楽しく遊び場に参加すること、つまり“有志”が大切だと思う。」
「誰もが平等に安心して楽しめる遊び場であってほしい。障がいのある方も同様。バリアフリー化が大切なのではないか。」
詳細はこちら → http://kosonippon.org/wp-manager/blog/?p=2743
——————————————————————
(3)北海道 清水町「清水ミライ自分ごと化会議」第3回(12/1)
テーマは「立地・交通アクセス」
1,道東の玄関口としての活かし方 2,町内の交通(福祉系)3,町外への交通(観光・企業等)について、3班に分かれて話し合いました。
市民からは次のような意見が…
「札幌から2時間圏内だが、立ち寄って物を買える道の駅などが無いのは残念」
「町内のコミュニティバスなどは高齢者向けが多いが、小中学生も利用できる配慮を」
「車以外の移動手段をまとめたものがあれば町民も観光客も分かりやすいのではないか。」
詳細はこちら → http://kosonippon.org/wp-manager/blog/?p=2726
■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【3】今後の活動予定
——————————————————————————
(1)群馬県 太田市 「自分ごと化会議2019」第4回(最終回)
【テーマ】「行政情報のあり方」
市民に届く情報とは何か、地域の中でどのように情報が伝達されているのか、聴き手としての行政の役割など、市民目線、行政目線の両側面から探ります。
【日 時】12月14日(土)13:30~17:00(予定)
【会 場】太田市役所 本庁舎3階大会議室 他(太田市浜町2-35)
※会場に関する問い合わせ先:太田市企画政策課(電話:0276-47-1892)
【参加費】どなたでも傍聴できます(無料、事前登録不要、途中入退室可)
詳細は、太田市HPをご覧ください。
https://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0020-001kikaku-kikaku/2017-0710-jk.html
——————————————————————————
(2)和歌山県 海南市「住民協議会」第5回(最終回)
【テーマ】「コミュニティ施設のあり方」
将来を見据えた公共施設等の最適な配置を実現することを目的に、皆さんに身近なコミュニティ施設(集会所や児童館・児童会館、公民館)のあり方についての意見交換を行います。
【日 時】12月15日(日) 14:00~17:00(予定)
【会 場】海南市役所(和歌山県海南市南赤坂11番地)
※会場に関する問い合わせ先:海南市役所総務部企画財政課(電話:073-483-8405)
詳細は、海南市HPをご覧ください。
http://www.city.kainan.lg.jp/kakubusho/soumubu/kikakuzaiseika/kikakuzaiseikatorikumi/jyuuminkyougikai/1559805096309.html
——————————————————————————
(3)岡山県 津山市 「津山自分ごと化会議」第3回
【テーマ】「市営プールと学校プールのあり方について」
市が所有・管理しているプール施設について、人口減少や施設の老朽化に伴い、将来を見据えた運営方法の見直しが必要となっています。そこで、今後のプールのあり方について、市民の皆さんに話し合っていただきます。
【日 時】12月21日(土) 13:00~16:00(予定)
【会 場】津山市役所(岡山県津山市山北520番地)
※会場に関する問い合わせ先 津山市行財政改革推進室(電話:0868-32-2028)
詳細は、津山市HPをご覧ください。
https://www.city.tsuyama.lg.jp/life/index2.php?id=7317
———————————————————-
△上記3自治体【参加費】無料 どなたでも傍聴できます(事前登録不要、途中入退室可)
△上記3自治体のお問合せは、構想日本まで TEL:03-5275-5607 E-MAIL:shiwake@kosonippon.org
■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【4】ご紹介 構想日本が応援している活動に関するお知らせです。
——————————————————————————
(1)アウトサイダーアートフェア ☆クラウドファンディング☆ のお願い
障がいのあるアーティストに世界へ羽ばたくチャンスをください!
日本ではまだこの分野のアート市場は未成熟で、作家に十分な経済的還元はできません。そこで次のステップとして、来年1月ニューヨークのアウトサイダーアートフェア outsiderartfair.com に参加することにしました。作家とそのご家族、施設の人…みなさんの思いを載せてニューヨークへ飛びたいと思います。
そこでお願いです!
フェア出展に向けて、現在、READY FORにてクラウドファウンディングを実施しています。
12月12日現在、391万円(111%)集まり、目標金額 350万円 を達成しました! ありがとうございます。
しかし、作品の発掘のための出張や帰国してからの活動にかかる経費は、このクラウドファウンディングの予算には含まれておりません。より安定した活動継続のために、あと5日間ネクスト・ゴールに挑戦することになりました。
引き続き応援をいただけますようお願い申し上げます。
~いただいたご支援の使い道~
出展料 $20,000- 約220万円、渡航費(2名)NY往復航空券代金 約34万円、滞在費(2名)7泊 約14万円、作品輸送費・保険料 約40万円、クラウドファウンディング手数料 42万円 合計350万円
自力でチャンスを掴むことが困難な障がいのある作家たちのために、さらには本当の意味でのダイバーシティのために、どうぞお力をお貸しください。よろしくお願いいたします。
クラウドファンディング こちらから → https://readyfor.jp/projects/acmgallery2020ny 締切 12月17日(火)午後11:00まで
一般社団法人Arts and Creative Mind 代表理事 杉本志乃 www.aacm.tokyo
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。☆〃。■
【5】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第四十四弾 長滝・白山神社の六日祭」
至学館大学・コミュニケーション研究所長 石田 芳弘
——————————————————————————
正式には「長滝の延年」という。岐阜県郡上市白鳥町長滝の白山神社で一月六日に行われる祭である。
白山連峰大日ヶ岳に源流を発する清流長良川を、縫うように遡上しながら走るのどかなローカル線長良川鉄道の終点、北濃駅の一つ手前「白山長滝駅」を降りた眼前に白山神社はあった。そこは深い森に囲まれていた。その日の空は澄んで青く、残雪が森閑とした山間の冷気を漂わせていた。
白山は岐阜・石川・福井三県にまたがり、富士山・立山と並ぶ我が国山岳信仰の三霊山の一であり、長滝白山神社は岐阜県側からの登山口、美濃番場の登拝拠点である。神社のそばに白山文化博物館があり、白山信仰について多くを学ぶことができる。
犬山祭は尾張針綱(はりつな)神社の祭礼であるが、針綱神社は江戸時代、白山針綱大権現と呼ばれていた時代があり白山信仰の影響を受けた神社でもある。ゆえに、白山にはわが産土神のルーツみたいな親しさを抱き、日本中の白山信仰二七一六社の本家本元であるこの白山神社と祭をかねてから見学したかった。
日本人の信仰心には山岳信仰の遺伝子が存在する。縄文は森の文化であり、森や樹木は日本人の心のふるさとだ。日本人は山へ登ることを「槍ヶ岳開山」の如く、神仏の懐に抱かれる場と考えた。一方、欧米は「エベレスト征服」の如く登山を自然との闘いとみる。この違いは自然と人間の関係の在り方の根源的・哲学的差異であろう。だから、日本の祭の神髄を知ろうと思ったら、山村の祭を観察しなければならない。
越前出身の宗教者泰澄が白山を開山したのは奈良時代。養老元(七一七)年、泰澄が創建した長滝白山神社界隈は「上がり千人 下り千人」といわれるほどの殷賑(いんしん)※を極めた時代もあったようだ。また祭が行われる長滝白山神社は古刹長滝寺と併存、江戸時代まで当たり前であった神仏習合を今に語っている。歴史の重層を感じさせる伽藍が周りの山岳に溶け込み、自ずとスピリチュアルな佇まいを醸す霊気が漂っていた。
この祭は一般的には「花奪(はなば)い祭」として人口に膾炙(かいしゃ)されている。
神社の拝殿土間の天井からつるされた造花の花笠を奪い合うことからくるものだ。
花笠は桜・菊・牡丹・椿・芥子(けし)の五種類からなっており、天井までは高いのであの危険な運動会の組体操のように氏子の若い衆たちが三段の人垣を作り、その上まで一人がよじ登る。が、なかなか登れない。三度ほど崩れ、崩れるたびに周りから歓声が飛び交う。天井の花を奪うとその取った花に群衆が群がり花を奪い取り、その花は今年の幸を呼ぶという祭のパターン。
大勢の若者が人垣をよじ登り、見ていてはらはらするような危険に挑戦する。そしてとってきた花を群集が奪い合うというのは表面的な部分であり、この祭の本質は、花奪いの前にある「延年」という神事にある。
延年とは本来寿命を延ばすというめでたい言葉であるが、平安末期から鎌倉時代にかけて中央の大寺院で法会の後に、若い僧や稚児が僧侶などをねぎらうために催す遊宴歌舞の芸能をさすようになった。延年は中央の大寺院で絶えてしまったが地方に残り、現存は「長滝の延年」と「毛越寺(もうつうじ)の延年」(岩手県平泉)などの数か所だけとなってしまった。
この延年の中心的な催しは猿楽すなわち能を舞う。江戸時代までは能のことを猿(申)楽と呼んでいたし、世阿弥は「風姿花伝」で猿楽は神楽だと述べているが、本来我が国の芸能の起源は神事なのだ。そして、この祭のオンリーワンは猿楽に使う面が実に多様で文化価値が高いことである。かつて国重要文化財に指定された能面は三十八面であったが、平成十二年ここ長滝白山神社所蔵の能面が一気に二十一面加わった。そんなこともあり、延年という神事を有するゆえ、花奪い祭は国重要文化財の指定を受ける祭となった。
いわばここは日本の能楽の聖地なのだ。
郡上市は二〇〇四年、平成の合併で郡上郡七ヶ町村が合併し人口四万、面積一〇三〇平方キロ、岐阜県ほぼ中央の山間のまちである。市となった郡上市には旧八幡町に「民謡」と「民踊」両方で全国に名をはせる郡上おどりがある。そして旧白鳥町の花奪い祭と、日本の祭礼のモデルになるような伝統文化とローカリズムが依然しっかり残っているワクワクするようなまちだ。が、今日的には人口減少時代の消滅の危機が音もなく忍び寄る。
合併という財政上の数字が理由でコミュニティの伝統文化が細っていくことだけは抵抗して欲しいと願いつつ、また長良川鉄道のスローライフを楽しむ帰途についた。
編者注 ※1 活気があってにぎやかなこと。にぎやかで、繁盛していること(さま)。
—————————————————————-
石田 芳弘(いしだ よしひろ)
愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。
――――――――――――――――――――――――――
*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲載しています。メルマガにて抜粋掲載をさせていただくこともございます。
http://kosonippon.org/wp-manager/mail/index.php
*不掲載をご希望の場合は必ずその旨を明記してください。。氏名、肩書きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。匿名、ハンドルネームをご希望の場合は必ず明記してください。なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は禁止いたします。
☆これまでのメルマガはこちらからご覧いただけます。http://kosonippon.org/wp-manager/mail/index.php
――――――――――――――――――――――――――
(編集後記)
私達が当然のように享受していることが「あたりまえ」ではない国が数多くあります。
「三度の飯が食えて、家族が一緒に暮らすことができれば良い」「私たちはクワで平和を実現しよう」
「武力で平和は守れない」中村哲氏の言葉です。亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆J.I.メールニュースは、構想日本の活動情報などをお届けする無料のメールマガジンです。1.代表及びスタッフが名刺交換させていただいた方、2.ホームページで直接購読を申し込まれた方に配信しています。
◆登録・配信停止・アドレス変更は、 news@kosonippon.org へご連絡いただくか 以下のURLにて手続きしてください。http://kosonippon.org/wp-manager/mail/regist.php
◆みなさんの個人情報は構想日本が厳重に管理し、構想日本の活動に関わるご案内をお送りする以外、使用することはありません。
◆転載をご希望の場合は、info@kosonippon.org までご一報ください。
◆構想日本会員・寄付は、随時募集しております。詳細はこちら→http://kosonippon.org/wp-manager/info/index.php#member
□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
発行 : 構想日本、発行責任者 : 加藤秀樹
Copyright(C) 1999-2019 -構想日本- All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□