【No.866】「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第三十四弾 魚津のタテモン行事」 |至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘氏|
2018.07.05

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構想日本メールマガジン【No.866】 2018.07.05 発行

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第三十四弾 魚津のタテモン行事」

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【1】活動ニュース

(1)静岡県湖西市「市民会議」(住民協議会)

(2)群馬県太田市「住民協議会」

(3)Yahoo!ニュースオーサー 記事投稿

(4)J.I.フォーラム 7月は お休みします

【2】6月の主な活動報告 政策実現活動、新聞・テレビ等メディア掲載 その他

【3】お知らせ  構想日本が応援している活動に関するお知らせです

国家戦略研究所設立記念 第一回戦略セミナー

【4】巻末寄稿文

「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第三十四弾 魚津のタテモン行事」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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【1】(1)静岡県湖西市「市民会議」(住民協議会)を開催!!

テーマは「市民会館の建て替え」について

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湖西市は、老朽化で昨年度取り壊した市民会館を、複合施設として新しく建て替えることを検討していますが、その必要性や具体的な中身について、無作為に選ばれた市民が中心になって議論します。

自治体の職員の方をはじめ、皆様ぜひ傍聴にお越しください。

★湖西市「市民会議」の特徴★

1.無作為に選ばれた市民が、公共施設の必要性や具体的な中身を議論するのは全国でも珍しい試み。

2.幅広い世代の意見を取り入れるため、地元の高校生も参加。

3.検討結果は、市の次年度以降の事業の進め方や予算に反映する。

【開催日時】

第2回:7月15日(日)13:00 ~ 16:00(予定)
(市民会館の必要性や、機能、建設場所などについて議論)

第3回:8月18日(土)13:00 ~ 16:00(予定)

第4回:9月30日/第5回:11月4日

【会 場】

湖西市民活動センター2階大会議室(静岡県湖西市鷲津1293‐4)
※会場についてのお問い合わせは、湖西市資産経営課まで(053-576-4875)

【参加者】

湖西市「市民会議」委員24名(湖西市民、地元高校生)*1
湖西市職員
コーディネーター(構想日本 総括ディレクター 伊藤伸)
ナビゲーター(論点提示役)(構想日本より派遣)

*1無作為に選ばれた市民が1000名に案内を送付し、応募のあった20名と公募した高校生4名。

【参加費】無料(事前申し込み不要、途中の入退室可)※どなたでも傍聴できます。

【主 催】湖西市

【協 力】構想日本

※詳細は、湖西市ホームページでもご覧いただけます。
http://www.city.kosai.shizuoka.jp/12766.htm

お問い合せ:構想日本 伊藤/永由
TEL:03-5275-5607、email:shiwake@kosonippon.org

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(2)群馬県太田市 「住民協議会」

テーマは「ごみの減量化」について

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群馬県太田市は、無作為に選ばれた市民が議論する「住民協議会」を昨年度に引き続き実施します。今回のテーマは「ごみの減量化」について。太田市では平成33年度から新焼却施設が稼働します。新焼却施設の稼働に向けて、ゴミの更なる減量化や資源化を進めるために個人、地域、行政は何をすべきか市民視点で議論します。

自治体の職員の方をはじめ、皆様ぜひ傍聴にお越しください。

★太田市「住民協議会」の特徴★

1.清水聖義市長の強いリーダーシップにより2年連続の開催(連続開催は全国2例目)。

2.昨年は参加者全50名のうち、女性が過半数の26名。

3.さらに昨年は、住民協議会に参加したことがきっかけとなってNPOを作る人がでるなど行動の変化にもつながっている。

【開催日時】

第1回:7月14日(土)13:30~17:00(予定)
(開会式、住民協議会の趣旨及びテーマに関する説明、自己紹介など)

第2回:8月18日(土)13:30~16:30(予定)

第3回:9月29日/第4回:10月21日/第5回:11月17日

【会 場】

第1回、第4回、第5回:太田市役所本庁舎(太田市浜町2番35号)
第2回、第3回:宝泉行政センター(太田市西野谷町38-2)
※会場についてのお問い合わせは、太田市企画政策課まで(0276-47-1892)

【参加者】

太田市住民協議会委員(太田市民)*1
太田市職員
コーディネーター 田中 俊  (構想日本政策スタッフ)
コーディネーター 高澤 良英 (市原市総務部次長)

*1無作為に選ばれた市民1300名に案内を送付し、応募のあった人(現時点で40名)。

【参加費】無料(事前申し込み不要、途中の入退室可)※どなたでも傍聴できます。

【主 催】太田市

【協 力】構想日本

お問い合せ:構想日本 田中/徳永
TEL:03-5275-5607、email:shiwake@kosonippon.org

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(3) Yahoo!ニュースオーサー 新記事投稿

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Yahooニュースにオーサーとして記事を投稿しました。ぜひ御覧ください。

ディレクター 伊藤伸

◇2018年6月12日 ヤフーニュース 政府の事業チェック ~消費税増税に伴う「買いたたき」調査(公正取引委員会)~

https://news.yahoo.co.jp/byline/itoshin/20180612-00086400/

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(4)J.I.フォーラム 7月は お休みします

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6月のフォーラムの時に頂戴したアンケートを分析中です。

8月以降のフォーラムに反映したいと思っております。ともあれ、7月はお休みです。

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【2】6月の主な活動報告

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(1)政策実現活動

<自治体改革活動>

6月22日 和歌山県 海南市対象事業担当課研修

6月24日 静岡県 湖西市第1回市民会議(住民協議会)

6月28日 島根県 自分ごと化会議in松江 第2回実行委員会

※その他、首長や自治体との打ち合わせ等 12件

< 研修 >

6月2日-3日 自治体職員のための講座「市民自治」in仙台

(2)テレビ等メディア掲載

8月8日 丹波市「ふるさと住民票」 市外在住者に発行 (神戸新聞)

8月15日 【探る】廃校の有効活用策 「熊本・菊池」酒蔵転用で相互利益、「千葉・鴨川」住民の意見調整課題 (愛媛新聞)

8月22日 【対話×住民自治(上)】町の課題を自分ごとに 福岡・大刀洗町 (西日本新聞)

8月25日 湖西・新市民会館建設計画 市民会議で検討開始 (静岡新聞)

8月25日 新市民会館、住民主体で 湖西 「思いそれぞれ13人初会合」 (中日新聞)

(3)その他

< 講演 >

6月21日 自由民主党行政改革推進本部講演 (代表 加藤秀樹)

講演テーマ【「橋本行革の狙いと功罪」】

< 講義 >

2018年4月~隔週金曜日 京都大学経済学研究科・経済学部 特殊講義「公共経営論1」(前期)(代表 加藤秀樹)

公共政策の各論を毎回ゲストの講義で進めます。

これまでのゲストは、山口 周氏(著作家、コーン・フェリー・ヘイグループ株式会社 シニアクライアントパートナー)、越 直美氏(滋賀県大津市長)、辻田真佐憲氏(作家、近現代史研究者)、 奥田知志氏(NPO法人抱樸 代表理事) 、仲 信祐(財務省関税局総務課 政策推進室長)。

次回のゲストは、野田佳彦氏(衆議院議員、第95代内閣総理大臣)です。

2018年4月~毎週木曜日  法政大学 大学院「NPOとヒューマンリソース」(総括ディレクター 伊藤伸)

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【3】ご紹介  構想日本が応援している活動に関するお知らせです

国家戦略研究所設立記念 第一回戦略セミナー

「中国の台頭と日本の戦略」

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このたび元航空自衛隊空将の織田邦男氏を所長にお招きし、日本の安全保障をテーマとしたシンクタンク「国家戦略研究所」を設立する運びとなりました。

そこで発足に当たり、第一回戦略セミナーを開催します。
第一回目のテーマは、「中国の台頭と日本の戦略」です。

昨今は主に北朝鮮情勢がメディアを騒がせていますが、東、南シナ海、台湾海峡を巡る情勢も緊迫度を増しています。
「異形の大国、中国」に対し、今後日本はどう対峙していくべきか、

皆さんと一緒に考えたいと思います。

日程:2018年8月6日(月)14:00~17:00

費用:無料

場所:東京都千代田区神田駿河台2-5-1御茶ノ水ファーストビル8F

TEL 03-5577-4320
FAX 03-3291-0011
E-mail info@insj.jp

チラシhttp://insj.jp/wp/wp-content/uploads/2018/06/seminer_entry.pdf

詳細はhttp://insj.jp/wp/seminer/contents/01-2/ をご覧ください

みなさまのお越しをお待ちしております。

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【4】寄稿文 「今こそローカリズム・日本の祭シリーズ 第三十四弾 魚津のタテモン行事」

至学館大学・伊達コミュニケーション研究所長  石田 芳弘

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富山湾の漁港魚津の祭である。祭に関心を持ち始めた当初、固有名詞や祭に関する言葉で意味や読み方の分らないことが多かった。学習するうちのすべてに共通点のあることが多く、一度飲み込めば理解できることが多いが、時として思わぬ固有名詞に出会う。

「タテモン」など解説を聞かねばまず訳が分からない。何のことはない漁で取れた「大量の魚を神様にタテマツルモノ」を縮めただけのことであり、豊漁と航海安全を祈願する祭だ。

ユネスコの無形文化遺産に登録された祭の中にも、三浦市のチャッキラコ・甑島(こしきじま)のトシドン・奥能登のアエノコト等同様、名前からして標準化されない土着文化の個性が伝わって楽しい。

神社は諏訪神社。ご祭神は建御名方神(たけみなかたのかみ)、お諏訪さまであることから、この土地の歴史や風習が信州地方との関係の深さを物語る。

中央に高さ16メートルの心棒を立て、90個ほどの提灯や雪洞(ぼんぼり)で三角形になるように作った総重量5トンの巨大な山車7基を引き回す。普通山車は輪がついているがタテモンは車輪のない橇(そり)の台を大勢で引き回すのにビックリ。北海道に大きな橇を馬で引っ張る草競馬レースがあるが、あのイメージだ。

実は、ユネスコの無形文化遺産に登録された祭33のうち、半数が中部圏に集中している。ちなみに愛知県知多半島を龍の尾と見立て、16の山車・からくり祭がある個所を三重・岐阜・富山・石川と北上し、能登半島を龍の頭に見立てた観光コースを国土交通省が「昇竜道」と名付けインバウンド観光客に向けた猛烈なキャンペーンを展開している。祭を取り巻く環境もユネスコ登録を機に大きく動きつつあるが、その動きを地元はどう受け止めているか知るのも私の関心の一つであった。(このことはまた別項で述べる)

本来、祭は夜中にやるものだ。これは原則神社の氏子関係者だけで行い、明けて一般の観光客にも参加させる。観光客が参加するようになって祭祀が祭礼になったというのは柳田国男説である。

また、たいていの祭礼は試楽と本楽とか本祭と後祭とかいう呼び方をするが2日あるいは2回行うところが多い。魚津タテモンは毎年8月第1金・土曜日の2日間だが、土曜の夜数年前から花火大会と同時開催になった。富山湾に、月は東に陽は西に沈むころ壮大なスケールでズドーンと打ち上げる花火がまず祭心を盛り上げる。そしてこの花火が終了後、諏訪神社に群衆が移動しタテモンの本番が始まる。音はいかにも漁師町の祭にふさわしい、激しく速いテンポの大太鼓と笛だ。夜の富山湾に響く花火の大音響と火の粉から、タテモンを曳き回す群衆のかけ声と蝋燭の揺らめきへの変化は、歌舞伎どんでん返しのような劇的な変化であった。

日本の伝統的祭は民俗風習の分野であるが、信仰の対象でもある。祭を知るには日本人の宗教心をよく見極めなければならない。最近読んで参考になったのが宗教学者島薗進氏の著作であった。中でも、「宗教を物語でほどく」には祭に関する新たなる発想がわいた。一言でいうと近代以降の科学思想は宗教を否定し直接宗教が見えにくくなったが、文学などの優れた物語の中に宗教がファンタジーの様に隠れているというものである。このイメージを敷衍すると祭は物語そのものであり、祭をほどいていくとそこにはその土地に生きた多くの人たちの信仰心が息づいていることが読める。

魚津タテモン祭も古代人が抱いた、海という大自然への畏敬の信仰心がありありと読み取れた。
一泊して明朝、花火が上がった場所にある埋没林博物館を見学。太古の森が海中に沈んだそのものが展示され、森と海の因果関係が地球規模のスケールでイメージされた。見ているうちに昨夜のタテモン行事の熱気が深いところで宗教的ファンタジーとして蘇った。

魚津のタテモン行事 今年は 8月3日、4日
https://www.city.uozu.toyama.jp/guide/svGuideDtl.aspx?servno=1750

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石田 芳弘(いしだ よしひろ)

愛知県議会議員、犬山市長、衆議院議員など、地方、中央の政治と行政を経験。特に教育、文化行政に力を入れた。「まちは生涯学習の最良の教室である」というのが持論であり、学校教育も生涯学習の一環であると考え、市民が教師の総合学習や全市博物館構想を推進。また、シンクタンクの研究員として先進国の地方議会を視察、研究。我が国地方議会も議院内閣制を導入すべしという、地方議会改革論議のオピニオンリーダーである。

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(編集後記)

早いものでもう文月ですね。今週末は七夕です。
こうした節句や季節の年中行事、風流はのんびり愛でたいですね。
今夏の夜の夢、個人的にはサッカーワールドカップも愛でています。

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