- 【No.713】「他人事を自分事にするには」 |特定非営利活動法人しあわせなみだ 理事長 中野 宏美氏|
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J.I.メールニュース No.713 2015.07.09 発行
「他人事を自分事にするには」
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【1】<巻頭寄稿文>
「他人事を自分事にするには」
特定非営利活動法人しあわせなみだ 理事長 中野宏美
【2】<お知らせ>
(1) 第214回J.I.フォーラム 7月24日(金)開催
「戦後70年 戦前の昭和期に学ぼう」
(2) 市民が進める「地方創生」2
香川県三木町(7月12日第4回百眼百考会議)
(3) 淡路島のアンテナショップ 7月1日オープン
(4)「現場みらい塾」第2期 開催中、第3期 募集中
【特集】<国立競技場の建て替え>
今、指摘されている問題点を、あらためて見なおしてください。
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【1】「他人事を自分事にするには」
特定非営利活動法人しあわせなみだ 理事長 中野宏美
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JIフォーラムに通い始めて、早15年になります。構想日本の「正しいことをいつまでも真面目に一生懸命やっている」ところが好きで、今に至ります。
そんな中、4月23日に開催された 第211回J.I.フォーラム「『暴力・虐待』とどう向き合うか ~少年の殺人や子どもの虐待を繰り返さないために~」の参加者数は、残念ながら定員を下回りました。
私はレイプやわいせつ等の性暴力をゼロにするために、活動しています。ですから、「暴力に関するイベントに人が集まらない」というのは、他人事ではありません。
そこで、どうすれば次回、暴力・虐待をテーマにしたJIフォーラムで、会場が満席になるかを考えてみました。
(1)議員の政策論争の1テーマとして、暴力・虐待を取り上げる
暴力・虐待は、「個人的な問題」ではなく「社会問題」であり、政策課題として取り組んでいくことが、求められます。構想日本の会員の方は、政治・政策・行政への関心が高そうなので、議員の話を聞くために、お越しいただけるのではないでしょうか。
(2)「幸福権」「生存権」といった「人権」の観点から、暴力・虐待を取り上げる
暴力・虐待は、人権を侵害する行為です。構想日本の会員の方は、法や制度に対する見識の高い方が多いように思うので、法制度が理想とする人権の尊重と、暴力・虐待が起こっている現状との乖離を踏まえた議論は、盛り上がるのではないでしょうか。
(3)フォーラム告知文で、暴力・虐待が自分のすぐ身近にあることを伝える
「毎日202人の子どもが、虐待で児童相談所に通報されている(※1)」「3.5日に1人、配偶者間殺人が起こっている(※2)」「女性の15人に1人は、異性から無理矢理性交された経験がある(※3)」等、暴力・虐待を数字で示すと、構想日本の会員の方は、論理的に物事を捉える方が多いように思うので、関心を持っていただけるのではないでしょうか。
また「参加費を無料にする」(一般の参加費2,000円は、すべての人にとって気軽に払える価格というわけではない)、「開始時間を遅らせる」(18:30までに会場に来られるビジネスパーソンは限定的)というのも、有効かもしれません。
「なんでこんなくだらないことを一生懸命考えているのか」と思われたかもしれません。
しかし、それほどまでに私たちは「暴力・虐待」に関心を持っていただくこと、そして自分たちの活動を応援していただくことに、日々試行錯誤しています。とりわけ私が取り組んでいる性暴力は、「性」が絡むので、言葉だけでシャットアウトされてしまうことも、少なくありません。
「暴力・虐待は興味がない」という方。それはなぜですか。
「こういうアイディアはどうかなぁ」という方。それはどのようなものですか。
暴力・虐待に向き合う人を増やすためには、どうすればよいでしょうか。ぜひ「読者の声」をお寄せください。そして、この社会から暴力・虐待をなくす仲間になってください。よろしくお願いいたします。
※1 厚生労働省「平成25年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数等」:全国207か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は73,765件
※2 警察庁「平成 26 年中のストーカー事案及び配偶者からの暴力事案等の対応状況について」:「配偶者の殺人」で検挙されたのは102人
※3 内閣府「男女間における暴力に関する調査(平成26年度調査)」:「異性から無理矢理性交された経験がある」と回答した女性は6.5%
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中野宏美(なかの・ひろみ)
1977年生まれ。社会福祉士。精神保健福祉士。普段は公的機関で、低所得者向けの資金貸付等を担当。一方で「2047年までに性暴力をゼロにする」ことを目指して、2009年「しあわせなみだ」を立ち上げる。2011年にNPO法人化。
しあわせなみだウェブサイト→http://shiawasenamida.org/
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代表 加藤の一言
中野さん。構想日本で工夫しないといけないことについて、いろいろご提案を頂き、感謝しています。
(1)の、本来「社会問題」であるのに「個人的問題」として扱われているという指摘は、とても重要だと思います。
暴力や虐待そのものを私たちみんなが自分事として考えないといけないですし、さらに、その原因をたどっていくと現代の経済、社会のあり方に行きつきます。
「暴力・虐待は社会問題」というテーマで一度フォーラムを考えたいと思います。まずは、一人でも多くの方からご意見を頂けますようお願いします。
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*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下に掲載しています。
http://kosonippon.org/wp-manager/mail/index.php
*不掲載をご希望の場合は必ずその旨を明記して下さい。氏名、肩書きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。匿名、ハンドルネームをご希望の場合は必ず明記して下さい。なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は禁止いたします。
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【2】(1)第214回J.I.フォーラム 7月24日(金)開催
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「戦後70年 戦前の昭和期に学ぼう」
戦前の昭和期は激動の時代でした。大正末以来、円本の普及、ラジオ放送開始など、庶民生活は比較的安定し、情報普及も進みました。しかし、金融恐慌以後、経済、政治の機能不全が一気に表面化し、テロそして戦争へと進んでいきます。
その時に、政党、財界、言論界、そして国民はどのように動いたのでしょうか。
あらゆる要素がつまっているからこそ、私たちがこの時代に学ぶことは多いと思います。戦後70年の機会に、日本近現代史の第一人者、筒井清忠さん、細谷雄一さんと、昭和初期をよくみつめ、多くを学びたいと思います。
◯日 時:平成27年7月24日(金)18:30~20:30(開場18:00)
◯会 場:日本財団ビル2階 大会議室 港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
◯ゲスト:筒井 清忠 (帝京大学 文学部長兼大学院文学研究科長)
細谷 雄一 (慶應義塾大学 法学部 教授) 他
◯コーディネーター:加藤 秀樹 (構想日本 代表)
◯主 催:構想日本
◯定 員:160名
◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。
◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」
港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
※フォーラムへのご参加は7月23日(木)18:00まで info@kosonippon.org にお願いします。
なお、お申し込みの際の必要事項等詳細につきましては、HPを御覧ください。
( http://kosonippon.org/wp-manager/forum/index.php )
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(2) 市民が進める「地方創生」2
香川県三木町(7月12日第4回百眼百考会議)
「地方創生」は安倍政権の国内政策の目玉です。それを進めるための設計図が自治体ごとに作っている「総合戦略」です。
多くの自治体がコンサルタントに丸投げしている中で、構想日本は茨城県行方(なめがた)市、千葉県富津(ふっつ)市、香川県三木町の3市町でこの「総合戦略」作成の協力をしています。それは、この中に住民参加の仕組みを入れることで、住民が地方創生の主役になれるからです。
その一つ、三木町は、以前から無作為抽出による住民の会議(百眼百考会議)を実施している住民参加の最先端自治体です。三木町では、この住民と県外の有識者を中心として総合戦略の作成を進めています。会議は全て公開、どなたでもご参加いただけます。是非お越しください。
http://kosonippon.org/wp-manager/project/detail.php?id=675&city=124
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(3) 淡路島のアンテナショップ 7月1日オープン
<お知らせ> ~淡路市長 門 康彦 からのメッセージ~
7月1日に御食国(みけつくに)・淡路島のアンテナショップが東京の丸の内国際ビルにオープンしました。
淡路島と言えば「たまねぎ」が有名ですが、それ以外にも 世界一美味しい淡路牛・野菜・魚(しらす、他)などとても豊富な食べ物(淡路島の食べ物は単なる「食材」ではありません。私たちはたまねぎも肉もしらすも、それ自体立派な食べ物だという誇りを持っています)があります。
島から直送された「とれたての食物」を、旬な時期に味わってほしいという思いから、東京丸の内にアンテナショップをオープンしました。
まだささやかですが、淡路が誇るすばらしい食べ物を大勢の方に味わって頂けるよう、まずは一人でも多くの方のご来店をお待ちしています。
なお、淡路の伝統産業である瓦も置いています。瓦を手でさわれる場所はなかなかありません。併せて御覧ください。
淡路島アンテナショップ in丸の内国際ビル(丸の内佐渡特選館)
千代田区丸の内3-1-1 国際ビル1F (東京メトロ有楽町線「有楽町駅」B3出口直結)
11:00~18:30(平日)11:00~17:00(土日祝)
詳細はこちらから http://www.city.awaji.lg.jp/uploaded/attachment/13107.pdf
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(4)「現場みらい塾」第2期 開催中、第3期 募集中
政策シンクタンクPHP総研と共同で昨年度スタートした「現場みらい塾」。
受講生の満足度が高かったこともあり、今年度は第2期、第3期を開講することとしました。
自治体職員を主な対象としていますが、それ以外の方も参加可能です。是非お申込みください。
テーマ
「”自分事”からはじめる地方自治 ~現場目線で人口減少時代を突破する ~」。
人口減少時代に突入した今日。地域にとって最も必要なのは、直面するさまざまな課題を自分事として捉え、考え、行動できる人材です。前例踏襲を振り払い、マニュアル依存から抜け出して、課題解決と未来創造に挑戦する。そんな強い志をもち、現場で活躍できる地域リーダー人材を輩出することをめざします。
特 徴
1.地域経営の第一線で活躍している講師陣
2.最先端の政策や手法のトレンドを学びとる講義プログラム
3.自ら考え、取り組むことで体得する実践プログラム
『第2期』スケジュール 1回のみのご参加も承ります。
第3回:7月11日(土)10時~18時
第4回:8月8日(土)13時~18時半、9日(日)9時半~16時
『第三期』スケジュール
第1回:9月26日(土)13時~18時半、27日(日)9時半~16時
第2回:10月24日(土)10時~18時
第3回:12月5日(土)10時~18時
第4回:2016年1月16日(土)13時~18時半、17日(日)9時半~16時
その他詳細はこちら
http://research.php.co.jp/event/2015/05/16.php
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【特集】<国立競技場の建て替え問題>
今、指摘されている問題点を、あらためて見なおしてください。
JSCが新国立競技場を2520億円で建設着工することにしたと報道されています。
しかし、これまで指摘された問題は基本的に未解決のままです。完成しても本当に機能するのか、費用もさらに1000億円規模でふくらむのではないかなど、専門家の指摘は続きます。
構想日本も1年以上前から設計、費用、手続きなど様々な問題点を整理し、指摘してきました。
この問題には日本の行政、政治そして関係業界、団体が持つすべての課題が象徴的に集約されています。是非一人でも多くの人に「自分事」として考えてほしいと思います。
「新国立競技場の建て替えは将来世代に誇れることなのか」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20140502-00035003/
「国立競技場解体予算を徹底解体しよう。」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/katohideki/20141003-00039651/
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《参考》
2015年6月16日に「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」が開いた記者会見。
「新国立競技場現行案に対する緊急市民提言」
動画 https://www.youtube.com/watch?v=jjZCso0JjV8
記者会見の後 森山高至氏の勉強会。
「緊急開催!まだまだ終わらない公開勉強会2 真国立競技場へ」
動画 https://www.youtube.com/watch?v=iWafqvDamEo
ブログ http://ameblo.jp/mori-arch-econo/page-2.html
7月6日 鈴木知幸氏(元2016年東京五輪招致推進担当課長)の勉強会。
「まだまだ終わらない公開勉強会3 新国立競技場は、ほんとうに使えるものになるのか?」
HP http://2020-tokyo.sakura.ne.jp/
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