- 【No.697】「これからの時代に求められる能力」|studio-L 代表 山崎 亮氏|
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J.I.メールニュース No.697 2015.03.19発行
「これからの時代に求められる能力」
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【1】<巻頭寄稿文>
「これからの時代に求められる能力」
studio-L 代表 山崎 亮
【2】<お知らせ>
(1) 第210回J.I.フォーラム 3月25日(水)開催
「統一地方選を『自分事』に ~投票はまちづくりの第一歩~」
(2) 「現場みらい塾」第2期、第3期募集開始
(3) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!
【3】<ご紹介>
(1) 署名運動 国立競技場の壁画を新競技場に保存し再展示することを求める署名運動
(2) プレイベント 社会を変える第一歩を学ぼう!
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【1】「これからの時代に求められる能力」
studio-L 代表 山崎 亮
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そのときの私はとても焦っていた。場所は北海道の旭川空港。午前中の会議が長引き、空港に到着したのが飛行機の離陸15分前だったのである。
この便に乗り遅れたら、羽田空港で乗り換えるはずの長崎便にも乗れなくなる。夕方から長崎にて市民が参加するワークショップの進行役を担当する予定なのだ。なんとしてもこの飛行機に乗らねばならない。アシスタント役の女性スタッフを急かしながら空港内を走った。
手荷物検査場を通過したのは離陸8分前。指定された搭乗ゲートが遠くに見える。最後の乗客が飛行機に乗り込もうとしているところだ。「間に合った」と思った瞬間、後ろからうちのスタッフの声がした。「ちょっと待ってください!」。
振り向くと、あろうことか彼女はおみやげを買いに行っているではないか。唖然とした。腹が立った。嬉しそうに北海道スイーツを持って機内へと乗り込む彼女に、もし飛行機に乗れなかったらどんなことになるのかをこんこんと諭した。
長崎に着くとすぐに会場へ向かった。ワークショップは何度も経験しているが、参加者と初めて会う時はいつも緊張する。どんな人たちが集まっているのだろうか。話し合いはうまく進むだろうか。
会場に着くとすでに参加者は揃っていて、静かにワークショップの開始を待っていた。緊張感が高まる。そのとき、アシスタント役のスタッフが会場に飛び込み、「今日は北海道から来ました!みなさんにおみやげがあります!」と切り出した。
その瞬間に会場の雰囲気が明らかに柔らかくなった。以後のワークショップが格段に進めやすくなったのはいうまでもない。
市民参加型のまちづくりや政策立案が増えている。専門家同士が協働する機会も増えている。「参加」も「協働」も、突き詰めて考えれば「その人と一緒に何かしたいと思えるか」が重要になる。
正しいことをぶつけ合って議論しても先に進まないことが多い。「じっくり話し合ってみて、あんたが完全に正しいことは分かった。しかしあんたのことが嫌いになったから一緒にやりたくない」ということが多いのである。
偏差値では測れない能力だが、「この人と何かやってみたい」と思わせる力を持つ人は確かに存在する。それは、離陸寸前の飛行機を目前にして北海道のおみやげを買おうと判断する人が持つ能力である。九州の人にとって北海道のおみやげがどういう力を持つのかを知っている人が持つ能力なのである。
参加と協働が重要になる時代、博学や勇敢や饒舌よりも「この人と何かやってみたい」と思わせる力が求められるはずだ。これからの時代に活躍する人を育てようとすれば、義務教育の力点を思い切ってずらさなければならないだろう。
そんなことを考えていたら、件のスタッフが近づいてきておみやげの領収書を手渡された。彼女、なかなかしっかりしておる。
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山崎 亮 (やまざき りょう)
studio-L代表。東北芸術工科大学教授(コミュニティデザイン学科長)。慶応義塾大学特別招聘教授。1973年愛知県生まれ。大阪府立大学大学院および東京大学大学院修了。博士(工学)。建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年にstudio-Lを設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザインに携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトが多い。
「海士町総合振興計画」「マルヤガーデンズ」「studio-L伊賀事務所」でグッドデザイン賞、「親子健康手帳」でキッズデザイン賞などを受賞。著書に『コミュニティデザイン(学芸出版社:不動産協会賞受賞)』『コミュニティデザインの時代(中公新書)』『ソーシャルデザイン・アトラス(鹿島出版会)』『まちの幸福論(NHK出版)』などがある。
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【書籍のご案内】
★「コミュニティデザイン 人がつながるしくみをつくる」学芸出版社 山崎 亮 著
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【2】(1) 第210回J.I.フォーラム 3月25日(水)開催
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「統一地方選を『自分事』に ~投票はまちづくりの第一歩~」
4月には統一地方選挙があります。日本中で首長や議員が選ばれるのです。
しかし投票率は昭和26年の約9割から前回の約5割まで低下し続けています。
つまり、私たちは地方自治を60年間にわたって「他人事」にし続けてきたのです。
実は市長や町長、地方議員などの権限は大きく、国会議員よりも私たちの生活に大きい影響を持っています。「他人事」の結果は地方政治・行政の劣化。ツケは自分たちに回ってきます。
これをどうやって「自分事」にしていくか、それぞれ異なる立場でユニークな地域活動をしている方々に議論していただきます。
◯日 時:平成27年3月25日(水)18:45~20:45(開場18:15)
(※日時変更あり)
◯会 場:日本財団ビル2階 大会議室 港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
◯ゲスト:江藤 俊昭 山梨学院大学 教授
増沢 諒 「食べる政治」代表
安丸 国勝 福岡県大刀洗 町長
コーディネーター : 加藤 秀樹 構想日本 代表
◯主 催:構想日本
◯定 員:160名
◯参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です)
※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。
◯懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」
港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
※フォーラムへのご参加は3月24日(火)18:00まで info@kosonippon.org
にお願いします。
なお、お申し込みの際の必要事項等詳細につきましては、HPを御覧ください。
( http://kosonippon.org/wp-manager/forum/index.php )
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。 TEL 03-5275-5607
*内容に関するお問い合せは、
伊藤/田中まで。 TEL 03-5275-5607
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(2)「現場みらい塾」第2期、第3期募集開始
政策シンクタンクPHP総研と共同で本年度スタートした「現場みらい塾」。受講生の満足度が高かったこともあり、来年度は第2期、第3期を開講することとしました。
自治体職員を主な対象としていますが、それ以外の方も参加可能です。是非お申込みください。
テーマ
「”自分事”からはじめる地方自治 ~現場目線で人口減少時代を突破する ~」。
人口減少時代に突入した今日。地域にとって最も必要なのは、直面するさまざまな課題を自分事として捉え、考え、行動できる人材です。前例踏襲を振り払い、マニュアル依存から抜け出して、課題解決と未来創造に挑戦する。そんな強い志をもち、現場で活躍できる地域リーダー人材を輩出することをめざします。
特 徴
1.地域経営の第一線で活躍している講師陣
2.最先端の政策や手法のトレンドを学びとる講義プログラム
3.自ら考え、取り組むことで体得する実践プログラム
『第2期』スケジュール
第1回:2015年5月16日(土)13時~18時半、17日(日)9時半~16時
第2回:6月20日(土)10時~18時
第3回:7月11日(土)10時~18時
第4回:8月8日(土)13時~18時半、9日(日)9時半~16時
その他詳細はこちら
http://research.php.co.jp/event/2015/05/16.php
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(3) Yahoo!ニュースオーサー記事更新!
Yahooニュースにオーサーとして投稿している記事が更新されました。
ぜひ御覧ください。
ディレクター 伊藤伸
◇3月11日 「情報共有と冷静な目で原発問題を乗り越える
~福島第一原発の中から見た現実~」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itoshin/20150311-00043751/
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【3】<ご紹介>
構想日本が応援している活動に関するお知らせです。
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(1) 署名運動 国立競技場の壁画を新競技場に保存し再展示することを求める署名運動
国立競技場の壁画、11作品はいまだに行き先が未定です。既に分割し切り出され、一時仮置き場に移されています。
1964年の東京五輪にむけて国立競技場につくられた戦後日本を代表する画家、宮本三郎、脇田和、寺田竹雄、大沢昌助の壁画計13点。
新国立競技場の敷地内に一括で保存し、再展示することを求めます。 国立競技場の壁画を守る会(代表:大沢昌史)
賛同署名される方はこちらから→https://www.change.org/ 「 壁画 」で検索 『国立競技場の壁画、保存・再展示』へ
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(2) Changemakers Academyプレイベント 社会を変える第一歩を学ぼう!
「『変えたい』気持ちを形に」をコンセプトに、一人一人の気持ちを具体的なアクションに高め、私たちの手で社会を変えるための、具体的な方法を学び、実際にキャンペーンを実行するプログラムを企画しました。
プログラムの概要をご紹介すると同時に、改めて女性に関する問題の整理をしながら、私たちが今、できることを考えるイベントを開催いたします。
日本の女性や男性を取り巻く問題に関心のある方、男女やジェンダーを問わず大歓迎です。
世の中を変えるための実践を学びたい方や、プログラムの中身を知りたい方は、ぜひご参加ください!
◇日 時: 2015年3月22日(日)
◇受 付:12時30分~
◇講 演:13時~(16時30分頃終了予定)
◇場 所: 六本木ヒルズ近辺(参加お申し込み後に詳しいアクセスをご連絡します)
◇定 員: 80名、先着順
◇費 用: 1000円
イベントの詳細、お申し込みはこちらのページから
http://peatix.com/event/76108
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