【No.624】農業の再生なくして日本の再生なし(後編) |株式会社 登喜和食品 代表取締役 遊作 誠氏|
2013.10.10

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J.I.メールニュース No.624 2013.10.10発行

「農業の再生なくして日本の再生なし(後編)」

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【1】<巻頭寄稿文> 「農業の再生なくして日本の再生なし(後編)」
株式会社 登喜和食品 代表取締役 遊作 誠

【2】<お知らせ>

(1) 第194回J.I.フォーラム  10月28日(月)開催
「『熱い市町村長たち』第一弾 ―『若者』『バカ者』
『よそ者』市長大いに語る―」

(2) 新ウェブサービス「JUDGIT!」 10月上旬より本格稼働!
http://judgit.net/

(3) 10月の事業仕分けは、北杜市、三島市。

(4) 「煎茶を楽しむ会」【主催:小川流煎茶 東京支部】

(5) 「布 -ラオスと東北- 」展 <開催中>

【3】<お願い>棚に眠っている本やDVDを構想日本に寄付して下さい

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【1】 「農業の再生なくして日本の再生なし(後編)」
株式会社 登喜和食品 代表取締役 遊作 誠
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自分の子どもや孫に、農薬などの化学物質や放射能で汚染された環境を
残したい人がいるとは思えません。目に見えない微生物から私たち人間ま
で、すべての命がつながっていく、自然の摂理に逆らわない持続可能な生
き方を選ぶことが、私たち大人の責任ではないでしょうか。

微生物のお陰で、「農業」も「食」も成り立っています。ご存知のとお
り、納豆は納豆菌、テンペはテンペ菌という微生物による発酵の働きでで
きています。醤油、味噌、酢、味醂、漬物、鰹節……日本の食文化は、「
発酵食」の文化と言っても過言ではありません。日本人の長寿も発酵食に
支えられてきました。

農業の命である「土」も発酵によってできています。枯葉や枯れ枝など
の有機物を細菌やカビなどの微生物が分解し、ミミズなどの土壌生物がそ
の分解物を食べるという命の循環の中で、土はできています。自然の森や
林や、道端の草や花が、肥料をやらなくても青々と繁り、四季折々の花を
咲かせ、実をつけるのは、生きた土の力のお陰なのです。

また、日本の農業は北海道から沖縄まで、それぞれの地域の独特の気候
風土に育まれてきました。在来種といって、その地域にしか育たない作物
や、それに適した独特の伝統的農法による多品種・少量生産が、日本の農
業の特徴であり、魅力でした。

しかし戦後、日本は農薬や化学肥料を多投し、限られた品種を大量に生
産する近代農業によって食糧増産をめざしてきました。そのことにより、
日本の伝統的農法は失われ、同時に農薬や化学肥料は、土壌、河川、海な
どの環境を汚染する一因となり、生産者は農作業によって、消費者は残留
農薬によって深刻な健康被害を受け、微生物、虫、鳥、魚などの生きもの
の命も脅かしていることは、今や周知の事実です。

加工食品に使われている食品添加物の健康への影響も無視できません。
食品添加物一つひとつの安全な使用基準は定められていても、何種類もの
加工食品を同時に食べた場合の安全を保障するものではありません。

命を育むはずの食べものが、農薬、食品添加物、放射性物質などによっ
て命を脅かすものになっていても、それらが原因で病気になったとして
も、その因果関係を証明するのは、かなり難しいことです。

3・11以降、日本はどのような再生の道を選び、どのような未来を子ど
もたちに残すのかは、私たち一人ひとりの選択にかかっています。

人口3万人の埼玉県比企郡小川町は、40年前に1軒の農家が始めた有機
農業が、今では町全体に広がって、「有機農業の里」として国内外の注目
を集めています。食べものだけでなく、バイオマスや太陽光などの自然エ
ネルギーの普及にも力を入れています。小川町のような選択が全国に広が
っていけば、国の姿は確実に変わると思うのですが。

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遊作 誠(ゆうさく まこと)

大学卒業後、設計会社に入社。
土木技術者を経て、昭和55年登喜和食品社長に就任。
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*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします)
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いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として以下
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※不掲載をご希望の場合は必ずその旨を明記して下さい。氏名、肩書きは、
特にご指示がなければそのまま掲載します。匿名、ハンドルネームをご
希望の場合は必ず明記して下さい。なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、
差別的な記述などの投稿は禁止いたします。
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【2】 (1) 第194回J.I.フォーラム  10月28日(月)開催
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「熱い市町村長たち」第一弾
―「若者」「バカ者」「よそ者」市長 大いに語る―

4年間で2度の政権交替。この間、経済は少し動き始めましたが、財政、
超高齢社会、地域の空洞化など日本が直面する大問題は未解決のままです。

しかし日本中をよく見ると、そこかしこでユニークな、あるいは地道な
動きが出ています。国は大きいから、誰にとっても「他人事」。その間に、
地域のことを「自分事」と思う行政、住民、企業が動いているのです。特
に、首長がイニシアチブをとると町の力が結集されます。地域を、そして
日本をどうするか。大いに語って頂きます。

○日時:10月28日(月)18時30分~20時30分(開場18時00分)

○会場:日本財団ビル2階 大会議室
(懇親会)「頤和園(いわえん)溜池山王店」(懇親会費4000円)

○ゲスト:山中光茂氏(松阪市長、37歳)
井原健太郎氏(柳井市長、39歳)他
コーディネーター:加藤 秀樹(構想日本 代表)

○フォーラム参加費:一般 2,000円 / 学生 500円(学生証提示)
(シンクネット・構想日本会員は無料です)

※ フォーラムへの参加はHPのフォームから、もしくはこのメール
にご返信をお願いします。
(J.I.フォーラムへのお申込み:
http://kosonippon.org/wp-manager/forum/regist.php?m_forum_cd=294)

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【2】 (2) 新ウェブサービス「JUDGIT!」10月上旬より本格稼働!
http://judgit.net/
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JUDGIT!(ジャジット)は、家にいて行政参加、政治参加ができる
ウェブサービスです。政府が作っている「行政事業レビューシート」
に対して、イエス、ノーを言ったり、自由に意見を投稿することが
できます。

現在は政府が7月に中間公表として出していた行政事業レビューシー
トの一部を試行的に表示していますが、約5500あるレビューシートの
最終公表が出揃いましたので、現在流し込みの作業を行っています。
また機能面も、さらに使いやすくなるよう改良を加えているところです。
10月上旬にも本格稼働しますので、まずは試してみてください。
トップページに登録画面があります(もちろん無料)。
http://judgit.net/

主な特徴は以下の通りです。

1.「イケテル!」「イマイチ…」ボタンで簡単意思表示

政府が公開している「行政事業レビューシート」の好きな項目をクリック
して、「イケテル!」「イマイチ…」のスタンプを押すことができます。
また、シート全体の印象についても同じく評価ができます。

2.「わからない」「おかしい」と思えば、すぐにどこでもコメント記入

読んでいて「よくわからない」「何かおかしい」と感じたらすぐにその場
でコメントを書くことができます。また、他のユーザーのコメントに対し
ても「イケテル!」「イマイチ…」ボタンを押すことができます。

3. みんなの意見で政治が動きます

質問やコメントの多かった事業は、構想日本がユーザーの意見をまとめて、
政府の政策に反映するよう様々な手段に訴えかけていきます。

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【2】 (3) 10月の事業仕分けは北杜市、三島市。
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○北杜市「事業仕分け」

【日程】 10月19日(土)、20日(日)

【参加者】コーディネーター 1名
仕分け人     5名(構想日本仕分け人 4名、市民仕分け人 1名)
市民判定人    市民約1500名から無作為抽出

【構想日本選定参加者】
コーディネーター:伊藤 伸 (構想日本 総括ディレクター)

仕分け人:石井 聡(逗子市秘書広報課 広報係長)

<19日> 川嶋 幸夫(構想日本 政策アナリスト)
河野 巧 (元内閣官房行政改革推進本部 事務局主査)
白石 久也(ヤフー株式会社 プロデューサー)
<20日> 河野 麻衣子(株式会社 日立コンサルティング
シニア・コンサルタント)
永久 寿夫(政策シンクタンクPHP総研 研究主幹)
新田 順子(多可町 経営企画課 主査)

【連絡先】北杜市 企画課
電話:0551-42-1321

○三島市「事業仕分け」

【日程】10月26日(土)、27日(日)

【参加者】コーディネーター 1名
仕分け人     5名(構想日本仕分け人 2名、学識経験者 3名)
市民判定人    市民約400名から無作為抽出

【構想日本選定参加者】

コーディネーター:伊藤 伸 (構想日本 総括ディレクター)

仕分け人:熊谷 哲(政策シンクタンクPHP総研 主席研究員)
<26日> 石井 正彦(厚木市 財政課 課長)
<27日> 川嶋 幸夫(構想日本 政策アナリスト)

【連絡先】三島市 企画部行政課
電話:055-983-2615

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【2】 (4) 「煎茶を楽しむ会」【主催:小川流煎茶 東京支部】
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今では、お茶会というとお抹茶のイメージを持つ人が多いのですが、
本来、私たちに身近で、長い歴史を持つ煎茶の茶会をご存知ですか。
爽やかな秋のひととき、武蔵野の面影を今にとどめる明治神宮・御
苑の、広々とした豊かな自然と由緒ある茶室のなかで、煎茶の味を
楽しんでみてはいかがでしょうか。

日時 平成25年10月13日(日) 午前10時30分~午後3時
場所 明治神宮・御苑 隔雲亭 東京都渋谷区代々木神園町1-1

煎茶は、江戸後期の文人たち、上田秋成、頼山陽、田能村竹田らに
よって熱狂的に愛好され、広められてきました。夏目漱石も【草枕』
のなかで、煎茶の「濃く甘く、湯加減に出た、重い露を、舌の先へ一
しずくずつ落として味わって見る」と「馥郁たる匂いが食道から胃の
なかへ沁み渡る」と、その素晴らしさを讃えています。その煎茶を、
江戸後期から受け継いできたのが、京都の小川流煎茶です。

お問合せ先 小川流煎茶 東京支部 上田明楽
TEL/FAX 03-5707-9600 meiraku@blue.ocn.ne.jp

※ 小川流煎茶 小川後楽六世家元様には、先週「煎茶を楽しむ」と
いうタイトルで記事をご執筆頂きました。

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【2】 (5) 「布 -ラオスと東北- 」 展  <開催中>
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ラオスの絹織物には京都の職人も驚嘆します。日本ではもう見られ
ないような綿密な手仕事がそこにあるからです。
一方、ラオスの綿織物は、肌を、生活を、やさしく包みこみます。
「ラオス」と、日本の手仕事の宝庫、「東北」が青山で出会います。
織物の他、籠、木工、など、他所ではなかなか見られない、二つの
地の手仕事の選りすぐりが揃います。
その肌ざわり、色あい、質感を是非、直に感じて下さい。

「布 - ラオスと東北 -」展

会期 2013年10月2日(水) – 20日(日)  10:00-18:00

【会場】 蔦サロン   TEL: 03-3409-8645(会場)

〒107-0062 東京都港区南青山 5-11-20
地下鉄 表参道駅B3出口 徒歩5分
http://www.ne.jp/asahi/net/kawauso-an/kokuji/koten/kotenn1.htm

【ラオスの布】ラオスの絹、綿の布作品(帯、ストール、洋服、タオル、
ブランケット、クッション、インテリア小物 ほか)

【東北の布】 裂織 刺し子 ホームスパン 染織物(絹・綿) ほか

蚕を育て、糸を紡ぎ染めまで行い、綿密な模様を、丁寧に手織し、
すべての工程を手作りしています。解け合う「ラオス」と「東北」の
布仕事をお楽しみください。

<綿> 100% 天然素材
ラオス北部で育つ小ぶりな綿花は昼夜の寒暖の差が影響して繊維が短
く、太いのが特長です。だからこそ吸水性と保温性に富んだ木綿にな
るといいます。日本の気候に合う製品を数多く提案しました。肌にや
さしく寄り添う木綿の心地よさをぜひお試しください。

<絹> 100% 天然素材
ラオスの人々は、養蚕してとれた絹の糸を紡ぎ、染め、織りまで綿花
同様、全て自分たちの手で行います。すべての工程を手作りしている
これらの布仕事は日本ではもう見られなくなった大変珍しい丁寧な技
の作品です。願いや祈りが込められたラオスの文様をモチーフに、日
本人に合うようにストールやモダンな縞などのすばらしい帯に仕立て
上がりました。

主催 暮らしのクラフトゆずりは
【住所】〒018-5501青森県十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486番地
【TEL】0176-75-2290 【FAX】0176-75-2295

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【3】 棚に眠っている本やDVDを構想日本に寄付して下さい
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構想日本は非営利のシンクタンクですが、経済基盤は会員からの
会費収入です。収入が少ないから、スタッフも少なく、その結果常
にフットワーク良く活動ができる反面、経済基盤は脆弱です。

今後さらに、政策提言・実現力を高めるため、構想日本は寄附の
お願いをすることにしました。

そこで、信頼資本財団「共感助成」というプログラムに参加しま
した。「共感助成」はクレジットカードやコンビニ払いなど、様々
な方法で寄付をすることができますが、その中に「ありがと本」
という寄付プログラムがあります。

「ありがと本」はみなさんのお手元にある読まなくなった本、聴か
なくなったCDや遊ばなくなったゲーム、観なくなったDVDなど身の
回りのもので気軽に寄付をするプログラムです。みなさんから寄付
していただいた本・CD・DVD・ゲームなどの売却金額が、構想日本
に助成金として送られる仕組みです。

皆さんの家の棚に眠っている本・CD・DVDゲームなどが、構想日本
の活動の原動力になり、世の中を動かす大きな力となります。
是非とも、皆さんのお力をお貸しください。

構想日本代表 加藤秀樹

※「ありがと本」の詳細および寄付はこちらから
http://www.shinrai.or.jp/arigatobon/outline/index.html

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