【No.536】事業仕分けは世界の注目を集めている
2012.01.12

■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

J.I.メールニュースNo.536 2012.01.12発行

事業仕分けは世界の注目を集めている

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■

【1】 事業仕分けは世界の注目を集めている
政策研究大学院大学客員教授 田中 秀明

【2】 第173回J.I.フォーラム 1月31日(火)開催

【3】 仕分け始め 1月14日(土)日田市、21日(土)北杜市

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

【1】 事業仕分けは世界の注目を集めている
政策研究大学院大学客員教授 田中 秀明

去る10月半ば、経済協力開発機構(OECD)の公共ガバナンス局が
毎年開催している「政府上級中枢ネットワーク」という会議に出席する
ため、カナダの首都オタワに行ってきました。今回のテーマは「現代の
問題への効果的対応」でした。背景には、どこの国も世界経済危機の影
響から財政赤字が拡大し、その削減が大きな課題になっていることがあ
ります。

会議は2日間行われ、私からは日本の中央政府で行われた事業仕分けの
経緯や仕組み、結果などについて紹介しました。特に、事業仕分けは
(1)国民が納税者の立場で予算や事務事業の問題を議論する「参加型予
算編成」の試みであること、(2)これまでの行政の問題を洗い出し、公
務員カルチャーの変革を目指すものであること、(3)単なる歳出削減の
道具ではなく、中央政府と地方政府、政府と個人、公と民の関係やそれ
ぞれの役割を問い直すものであることを強調しました。

これに対し、カナダ政府の内閣府次官であるウーターズ議長より、「日
本の事業仕分けでは国民が直接議論を傍聴できるようだが、国民の関心
はどうだったか」との質問があり、私からは、「事業仕分けは国民に予
算の内容や財政赤字の問題を考える機会を提供し、流行語にもなった。
こうした問題意識が財政再建に向けたステップになると考えている」と
答えました。この他にも多くのコメントや質問が寄せられ、各国の関心
の高さがわかりました。

カナダは1990年代にプログラム・レビュー(カナダ版事業仕分け)
によって財政再建に成功した国として有名です。カナダは財政収支を黒
字に転換させ、現在でもG7(日米英仏独伊加)の中では最もよい財政
状況を維持しています。ウーターズ次官はまさにこの財政再建を実務レ
ベルで担当した幹部公務員の一人です。

カナダが財政再建に成功した1つの理由は、当時のクレティエン首相の
強いリーダーシップがあったからです。しかし、日本では大臣任せ、役
人任せの改革は期待できません。そこで、日本の事業仕分けでは、プロ
セスに「外部の目」を取り入れ、しかも市民が直接傍聴できる公開の場
で行うという手法がとられています。

「国民の目の前で議論する」ということは、まさに民主主義の基本です。
その基本に立ち返るところに日本の事業仕分けの最大の意義があります。
昨年11月には憲政史上初めて国会の決算行政監視委員会で事業仕分け
が行われ、国会改革や行政評価のあり方に大きな影響を与えました。国
でも地方でも今後ますます議会主導の事業仕分けが増えていけば、財政
再建だけでなく、日本の民主主義そのものの再建へとつながっていくは
ずです。

ぐずぐずしていては日本もギリシャの二の舞になります。私たちは世界
から注目されている事業仕分けの意義を正しく理解して、日本もカナダ
のように自力で財政再建ができることを世界に示さなければなりません。

【2】 第173回J.I.フォーラム 1月31日(火)開催
――――――――――――――――――――――――――――――――――
持続可能な金融について考えよう(仮)

○日時: 平成24年1月31日(火)

○会場: 日本財団ビル2階・大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※会場のセキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提出してください。

○開演: 午後6時30分(開場:午後6時00分)

○ゲスト: 神津 多可思(リコー経済社会研究所主席研究員、元日本銀行)
高田 創  (みずほ総合研究所チーフエコノミスト)
増田 寿幸 (京都信用金庫理事長)、他調整中

コーディネーター: 加藤 秀樹 (構想日本 代表)

○主催: 構想日本

○定員: 160名

○フォーラム参加費: 2000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)

○懇親会参加費: 4000円(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
※懇親会をキャンセルされる場合は必ずご連絡くださいますようお願いいたします。
懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。
「頤和園(いわえん)溜池山王店」 港区赤坂1-1-12 TEL 03-3584-4531
http://www.iwaen.co.jp/tameike

——————————————————————–
参加ご希望の方は、【1月30日(月)まで】に出欠の是非を、下記の
メールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org

お名前

所属

ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
※懇親会直前キャンセルの場合は、キャンセル料を申し受けます。

——————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
*今後の開催予定日:1/31(火)、 2/28(火)、 3/28(水)、4/25(水)、
5/29(火)、 6/27(水)、 7/31(火)、8/29(水)、
9/25(火)、10/31(水)、11/27(火)、12/19(水)
——————————————————————–

【3】 仕分け始め 1月14日(土)日田市、21日(土)北杜市
――――――――――――――――――――――――――――――――――

・日田市
日 時: 2012年1月14日(土)10:00~17:30
会 場: 日田市役所 7階大会議室
連絡先: 企画課 0299-59-2111

・北杜市(公開研修)
日 時: 2012年1月21日(土)13:30~17:00(予定)
会 場: 須玉ふれあい館
連絡先: 企画課 0551-42-1321

*今後のスケジュールなど、詳しくは構想日本HPをご覧ください。
http://kosonippon.org/wp-manager/shiwake/index.php

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●JIメールニュースは、政策シンクタンク「構想日本」の活動情報などを
お届けする無料のメールマガジンです。1.代表及びスタッフが名刺交
換させていただいた方、2.ホームページで直接購読を申し込まれた方
にお送りしています。配信停止をご希望の方は、「配信停止希望」と明
記の上、このメールマガジンにご返信ください。

●登録・配信停止・アドレス変更は、news@kosonippon.org へご連絡いた
だくか、http://kosonippon.org/wp-manager/mail/regist.php で手続きしてく
ださい。

●みなさんの個人情報は、構想日本が厳重に管理し、構想日本の活動に関
わるご案内をお送りする以外、使用することはありません。

●転載は大歓迎ですが、「構想日本 JIメールニュースno.xxxより引用」
のように、一言添えていただければ幸いです。また、
info@kosonippon.org 宛てに転載の旨、ご一報いただければ幸いです。

●みなさんのご意見をお待ちしています(800字以内でお願いします)。
info@kosonippon.org
いただいたご意見などは、バックナンバーと共に「読者の声」として以
下に掲載しています。
http://kosonippon.org/wp-manager/mail/index.php
不掲載をご希望の場合は、必ずその旨を明記して下さい。また、氏名、
肩書きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。イニシャル、匿
名、ハンドルネーム使用の場合は必ず明記して下さい。なお、盗作、名
誉毀損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は禁止いたします。

●書籍『入門 行政の「事業仕分け」』、『構想日本』(第1~4巻)など、
好評発売中です。
http://kosonippon.org/wp-manager/books/index.php

●構想日本提供の「政治家・政策データベース」もご覧下さい。
http://db.kosonippon.org/

□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
発行 : 構想日本、発行責任者 : 加藤秀樹
info@kosonippon.org
http://kosonippon.org/wp-manager/
Copyright(C) 1999-2011 -構想日本- All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□