【No.53】「エネルギー戦略」の確立を! ~読者からの便り~
2002.06.28

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「エネルギー戦略」の確立を! ~読者からの便り~
JIニュースNo.53  2002.6.28
窓口はこちら! news@kosonippon.org
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■■ 目次 ■■
1.《読者からの便り》「エネルギー戦略」の確立を! に寄せて
2.《6月26日第60回「JIフォーラム」の報告》
3.《お知らせ》
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1.《読者からの便り》「エネルギー戦略」の確立を! に寄せて
JIニュースNo.51「エネルギー戦略」の確立を!(2002.6.14発行)
に対し、次のようなご意見を頂きました。
◆Sさんからのご意見
国の生命線とも言えるエネルギー戦略を大局的に議論する基本的な
考え方には賛成です。しかし、以下については、見解が異なります。
(1)そもそもこの法案が提案された背景には、国内の原子力政策が、
知事判断に左右されてしまうといういびつな構造があります。その
典型が、福島県知事によるMOX燃料の装荷反対や原発の増設反対
です。国、地元市町村が賛成しているにもかかわらず、知事の私見
によって原子力政策がストップしてしまっている、この事実になぜ
目を向けて議論しないのでしょうか。その意味では、第六条(地方
自治体の責務)は画期的な内容で、有事法の自治体の協力に近い性
質があります。
(2)使用済み核燃料の再処理を含めた原子力発電はコストが割高だ
から一旦見直ししたらどうかという議論は、ナンセンスです。再処
理によって生まれるプルトニウム発電や、次世代の高速増殖炉は、
一旦凍結した場合、必要な時にさぁ始めましょうと行って始められ
るものではありません。核燃料サイクルに必要なプルトニウムを準
備するには、再処理を含めた20年のタームが必要です。
韓国では、六ヶ所村でやろうとしている使用済燃料の再処理は認め
られていません。米国、カナダが猛反発しているからです。北朝鮮
の核開発を阻止する説得材料として、わが国の再処理を快く思って
いない意見も、米国には根強くあります。現在のマスコミに、構想
日本「エネルギー戦略会議」の提言する「再処理中止」の真意を受
け止められる度量があるのでしょうか?
(3)「政府の責務」と「公聴会を通じた幅広い国民の意見」には、
無理があります。古来戦争の原因が、食糧とエネルギーの確保とい
う事実にかんがみれば、まず政府が責任を持って安定供給を確保す
ることが必要であり、そのうえで必要な方策を推し進めるべきです。
(4)国内のエネルギー需給が安定しているというのは、幻想です。
国内に輸入されている原油が一昨年、1バレルあたり60ドルに跳
ね上がりました。この状況が1年続けば、日本の貿易黒字はいっぺ
んに吹き飛び、原油の輸入もままならなくなります。原子力に後ろ
向きの姿勢を見せるや、欧米はわが国に牙をむいてくるでしょう。
このような国家間の心理も踏まえて、エネルギー政策基本法を実り
あるものにしていただきたいと思います。
◆構想日本エネルギー戦略会議は、Sさんのご意見には次のような問
題提起が含まれていると考えます。
(1)原子力政策を含むエネルギー政策の意思決定における地域の役
割はどうあるべきか? 総合的なエネルギー政策の意思決定過程を
改善する上で、原子力施設をもつ地方自治体の長である知事は、当
事者としてどのような法的な役割を担うと考えるべきか?
(2)エネルギー政策における「国」の役割と責任は、これまで議論
されてきたのか? エネルギーの需給・発送電施設への投資などに
つき、国はどのような法的責任と費用負担の義務を負っているのか
について、議論はなされてきたのか?
(3)使用済み核燃料を再処理し再び利用する「プルサーマル計画」
の検証は必要か? プルサーマル計画の実施にかかわる費用とその
経済性、プルサーマル計画を一旦凍結した後に起こりうる技術開発
および核拡散問題について、どのような検証が必要なのか?
私たちの生活に欠かせない「エネルギー」についての政策の在り方
は、賛否それぞれ、多様なご意見があると思います。皆様のご意見を
御聞かせください。次号以降、さらに戴いたご意見をご紹介のうえ、
エネルギー政策の在り方についての議論を引き続き行っていきたいと
思います。
(文責:「エネルギー戦略会議」プロジェクト担当  長尾 亜紀)
* エネルギー戦略会議プロジェクトの詳細は、
http://kosonippon.org/wp-manager/prj/c/?no=12 にて、公表していま
す。
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2.《6月26日第60回「JIフォーラム」報告》
政治に“カネ”はつきもの!? 政治活動に関するお金の流れを明
らかにすることは、政治家が国民に対して果たすべき第一の責任です。
日本では1948年、政治資金規正法が制定されて以来、政治スキャン
ダルが発覚するたびごとに、幾度となく制度の手直しが行われてきま
した。しかし、依然としてスキャンダルは絶えず、政治家と“カネ”
を巡るうさん臭さは、ますます強まっています。
今回は、政治資金問題についての議論を一貫してリードしてこられ
た、政策研究大学院大学の飯尾潤教授(政治学)と、問題意識の高い
現役政治家をお迎えし、政治資金の「入り」と「出」の問題について、
私たちが普段、知ることができない政治家の苦労話も含めて、意義深
い議論が交わされました。
日々の新聞報道でも、「政治家=悪者」といった記事が目に付きま
すが、果たして悪いのは政治家だけでしょうか?
「政治家は、地元での様々な会合や行事 ― 冠婚葬祭から盆踊り
まで ― に参加しなければ、地元の人々の反感を買うかもしれない。」
また、「対抗馬がでるなら、こちらはやめられない。」そして、「い
くつもの会合・行事に参加するためには、たくさんの秘書=人件費が
必要になってくる。」
政治家は、選挙区の“有権者の求め”に応じるために、多くの政治
資金を必要としているのが実情なのです。政治と“カネ”の問題は、
つきつめると有権者の問題でもあるのです。
ですから、私たち有権者自身もこの問題を自分たちの問題として考
えていくことが必要です。
<討論者>
飯尾 潤(政策研究大学院大学教授)
石破 茂(衆議院議員・自由民主党)
岡田 克也(衆議院議員・民主党)
小林 興起(衆議院議員・自由民主党)
佐藤謙一郎(衆議院議員・民主党)
原田 義昭(衆議院議員・自由民主党)
増原 義剛(衆議院議員・自由民主党)
※当日の議事録は、後日ホームページにて公開致します。当日の模様
を収録したビデオは1本3000円にて販売いたしております(お問い合
わせは info@kosonippon.org までお願いします)。
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3.《お知らせ》
◇ソーシャルアントレプレナー・ワークショップのご案内(再)◇

既に、JIニュースNo.51(6月14日発行)でご案内の通り、構想日本
が(社)日本青年会議所と共同で、社会変革の担い手として期待される
ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)の活動をテーマに、ワー
クショップを開催いたします。
まだ、お席に余裕がありますので、奮ってご参加ください。
日時:2002年6月30日(日) 13:00-16:00(懇親会16:00-17:00)
場所:(社)日本青年会議所会館1F(東京都千代田区平河町2-14-3
電話 03-3234-5601)
* お問い合わせ及びご参加申し込み先
構想日本 西田陽光  Fax:03-5275-5617

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◆メールをお待ちしています!
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