- 【No.48】医療サービスを考える ~知りたい情報は何ですか?~
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
医療サービスを考える ~知りたい情報は何ですか?~
JIニュースNo.48 2002.5.24
窓口はこちら! news@kosonippon.org
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
■■ 目次 ■■
【コラム蒼天日本】医療サービスを考える
~知りたい情報は何ですか?~
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
【コラム蒼天日本】医療サービスを考える
~知りたい情報は何ですか?~
厚生労働省が昨年9月に公表した「医療制度改革試案」では、医療サ
ービスに関する情報開示を進め、患者の「選択の自由」の拡大を図るこ
とが重要な柱として位置付けられています。
こうした観点から、同省の社会保障審議会医療部会で議論された「医
療提供体制に関する意見」を踏まえ、医療サービスに関する広告規制の
大幅な追加的緩和が行われました(本年3月29日付厚生労働省告示、4
月1日より適用)。
具体的には、
1.治療方法や手術件数、平均在院日数などの治療に関わる情報。
2.専門医の認定を受けた医師・歯科医師の存在や医療スタッフの患
者数に対する配置割合、売店・食堂・一時保育サービスといった
周辺サービスを含む医療機関体制に関する情報。
3.セカンドオピニオンの実施や電子カルテの導入、医療機関のホー
ムページアドレスなど新しいサービスの情報。
などが、「広告規制を緩和することとした事項」として追加されていま
す。
構想日本は以前より、医療サービスに関する情報開示は、患者に対す
るサービス向上、そして、医療サービスの効率化の観点から必要不可欠
であり、従って、医療機関の広告規制は撤廃すべきであると提言してき
ました。
その理由は、患者の選択に役立つ医療情報の提供が進めば、患者自身
の選択権の行使によって医療機関同士の競争が進展し、その結果、医療
サービス全体の質的改善が期待できるからです。
これまで、医療機関の広告は厳しく規制されていたため、病院や医師
を選ぶために必要な情報がほとんど得られないという問題が、指摘され
てきました。今回の緩和措置によって、患者がより多くの医療情報を得
ることができるようになった点については、評価できますが、規制が完
全に撤廃されたわけではありません。
厚生労働省は、広告規制を撤廃できない理由について、
1.医療サービスは人の生命・身体に関わるサービスであり、虚偽広
告・誇大広告など不当な広告によって患者が判断を誤り、その結
果、不適当なサービスを受けた場合の被害が大きい。
2.医療サービスは極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け
手はその文言から提供される実際のサービスの質について、事前
に判断することが非常に困難である。
と説明しています。
医療機関の広告は、医療機関を選択する上で大きな手がかりとなりま
す。最近では、医療サービスに関する情報不足を補完するようなサービ
スが登場してきました。たとえば、個々の患者から寄せられる情報や通
院した患者しかもち得ない情報を元に、医師個人の治療方法など、各医
療機関のサービス評価をオープンにして、患者間で相互利用するなど、
患者が自分のニーズにあった最適の医療機関を選ぶための情報サービス
が、インターネット上で提供されています。
医療機関の広告規制については、専門的知識をもち合わせない患者を
不当に惑わす誇大広告などの規制を除き、原則として撤廃することが望
まれます。そして、患者が知りたい情報を簡便な手段で得られるよう、
医療機関側の積極的な情報提供を促すべきです。
医療機関の連携のための電子カルテの導入など、より一層の情報技術
の活用によって医療サービスの効率化を進めることが求められますが、
こうした問題について具体的に議論していきたいと考えています。
大胆な医療制度改革を着実に実施することが、より良質かつ効率的な
医療サービス体制を構築し、その結果、膨張の一途を辿る医療費の抑制
につながるのではないでしょうか。
どのような医療体制が一番望ましいのかについての議論を活発に交わ
し、多くの国民の意見を反映させていくそのことが重要だと思います。
(文責:「医療」プロジェクト担当 金野 桂子)
◇今週のホット・トピック◇
(1)加藤秀樹、国会の参考人陳述に3度目の招致
構想日本の加藤秀樹が5月21日、衆議院経済産業委員会において、
「エネルギー政策基本法案」審議の参考人として意見陳述しました。
加藤が参考人として国会に招致されたのは、今回で3度目になりま
すが、このことは、構想日本の活動の意義が漸く、社会的に認知され、
多くの方から評価されるようになったことの表われと言えるのではな
いでしょうか。
法案審議の経過とあわせて「エネルギー戦略会議プロジェクト」の
キャンペーン報告を後日、政策ラウンジにて致します。
(2)「一票の格差是正」についてアンケート実施
加藤秀樹がメンバーを務める「一票の格差是正を推進する有識者会
議」が5月23日、「一票の格差是正」についてのアンケート実施の記
者発表を行いました。
このアンケートは、構想日本『政治家政策データベース』のホーム
ページ( http://db.kosonippon.org )に、掲載しております。
(編集担当:志田 玲子)
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆メールをお待ちしています!
1)お名前:(掲載する場合はイニシャル表記にします)
※匿名、ハンドルネーム使用、不掲載をご希望の場合は明記下さい。
2)肩書き:(掲載可能なもの)
3)メールアドレス:(非公開)
4)メッセージ:(適度に改行を入れて下さい)
◆構想日本メールニュースのご購読は下記のアドレスから。
http://kosonippon.org/wp-manager/mailnews/
◆配信の停止やアドレス変更は下記のアドレスから。
http://kosonippon.org/wp-manager/mailnews/
◆構想日本メールニュースは、政策シンクタンク「構想日本」の最新
情報をお届けする無料のメール配信サービスです。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
週刊JIメールニュース 編集:JI志田 発行:構想日本
news@kosonippon.org
http://kosonippon.org/wp-manager/
Copyright(C) 1999-2002 -構想日本- All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛