【No.47】「公会計」って何だろう?
2002.05.17

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「公会計」って何だろう?
JIニュースNo.47  2002.5.17
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《政策ラウンジ》「公会計」って何だろう?
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《政策ラウンジ》「公会計」って何だろう?

はじめまして。桜内文城と申します。本業は新潟大学助教授ですが、
先月よりJIの活動にも参画しています。
皆さん、「公会計」ってご存知ですか?文字どおり、政府をはじめと
する公共部門の財政運営や意思決定について、会計的なツールを使って
適正化していこう、という領域です。まだまだ未発達なところもありま
すが、企業のマネジメントにとって財務分析が不可欠であるのと同様に、
国家経営の重要なツールとなり得るものだと思います。
マネジメントとは、組織がその目的を果たし、成果を上げるために不
可欠の知識を意味します。もちろん、企業の経営と公共部門の経営とは
異なる点も多くありますが、現代では、いかなる組織であろうともマネ
ジメントは必要です。国際会計基準に代表される企業会計が、企業の経
営者にとって不可欠であるのと同様に、「公会計なくして国家の経営が
できるだろうか」と考えます。
今、私たちの置かれた立場をみると、税金を使う側の人たちだけが国
会や政府の意思決定を左右する「タックスイーター・デモクラシー」と
もいうべき状況にあると思います。しかし、本来、国民が税金を支払っ
たならば、政府はその税金をいかに有効に使うべきか、という「受託者」
としての責任を負うはずです。言い換えれば、国民を委託者、政府を受
託者として位置付けた上で、政府の意思決定が国民の利益に反すること
がないよう、財務面から政府を規律付ける「タックスペイヤー・デモク
ラシー」を実現するための有効かつ重要なツールが、「公会計」なので
す。
このような「公会計」という切り口にとどまらず、今後は、より幅広
い政策提言とその実践を心掛けたいと思います。主に週の前半はJIをベ
ースとして活動していくこととなろうかと思いますので、どうかよろし
くお願い申し上げます。

(文責:JI政策アナリスト 桜内 文城)
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国・地方を合わせた政府債務が700兆円に迫ろうとする現在、政府の
マネジメント能力を格段に高めることが求められます。
その第一歩が、企業会計と同様、財務諸表(バランスシートや行政コ
スト計算書)の導入によって、政府の資産と負債、行政サービスの成果
とそのために投入した費用を明らかにすることです。
同時に、政府・自治体共に、行政サービスの最終的な費用負担者であ
るタックス・ペイヤーに対し、その“台所事情”を正確に説明するアカ
ウンタビリティがあります。
国民の側からみると、「公会計」は、政府が果たすべきアカウンタビ
リティのための有効な道具立てです。国も、「国の貸借対照表」(試案)
を作成し、特殊法人等の連結計上などの改善措置を検討しています。
また、多くの自治体でバランスシートや損益計算書(行政コスト計算
書)を導入する動きが拡がっています。

読者のみなさんにとっては、あまり聞きなれない言葉かもしれません
が、「公会計」は行財政改革の推進において、重要なキーワードになり
つつあります。
4月から新しく、JIのメンバーに加わった桜内さんの活躍と同様、そ
の将来性が大いに期待されます。
(メルマガ編集担当 志田 玲子)
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