- 【No.429】事業仕分けを終え科学技術予算について思うこと
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J.I.メールニュースNo.429 2009.12.04発行
「事業仕分けを終え科学技術予算について思うこと」
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◆◇ 目 次 ◇◆
【1】 「事業仕分けを終え科学技術予算について思うこと」
JT生命誌研究館 館長 中村 桂子
【2】 ワンクリックアンケート
「行政刷新会議の事業仕分け、どこで見ましたか?」
【3】 第149回J.I.フォーラムのご案内 12月15日
【4】 草津市の事業仕分け、12月20日開催
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【1】 「事業仕分けを終え科学技術予算について思うこと」
JT生命誌研究館 館長 中村 桂子
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行政刷新会議の「事業仕分け」に、仕分け人として参加しました。今回の
事業仕分けは「個別事業について無駄を見出す」という試みとしては、一定の
成果をあげたと思います。また、研究者と官庁の間の話し合いで組み立てて
きた中での常識が、必ずしも社会の常識と合致するものではないという例にも
出会い、開かれた議論の重要性を実感しました。
科学技術予算については、総合科学技術会議、旧七帝大+慶応・早稲田の
学長、ノーベル賞受賞者、自然科学研究機構などの独立法人、学会などから
批判の声が相継ぎました。教育、学術を含めて科学技術の重要性は認めます
が、これらの反応が、今回の事業仕分け全体を見て、その中での科学技術
予算のあり方を考えたうえでの判断ではなく、とにかく科学技術予算を削った
のはけしからんというものであったのには、大きな問題を感じました。科学
技術(私自身は科学ですが今は予算は科学技術しかありません)の重要性が
わかっていないときめつけていたこと、実態を分析して解決策を提案するもの
ではなかったことも問題です。
この10年ほど、「集中と選択」というかけ声のもとバランスを欠いた予算の
組み方がなされてきたことは、研究者の誰もが感じていることです。誤解を
恐れずその実感を表現するなら「予算を削られるより、バランスを欠いた
予算配分の方が学問を壊す力は大きい」と言ってよいと思っています。
たとえば、麻生内閣の補正予算でつけられた2,700億円の先端研究助成
基金は、1,000億円に削減されたという話を聞きましたが、それにしても
乱暴な話です。これほど大きな額のお金を学問としての必然性なしに出す
こと自体おかしいと思います。この提案があった時に「研究の本質が
わからずに勝手なことをされては研究者コミュニティが壊れる」と抗議をし、
「本当に必要な研究を必要な額支援すること」を求めるという行動を今回
抗議なさった方達にとっていただきたかったと思います。そのうえで、今回の
削減にも「本当に必要な研究に必要な額出すこと」を求められたのなら、
筋が通って納得できます。しかし、ただお金の要求では説得力に欠けます。
お金が多ければ多いほど研究成果があがるということではありません。
くどいようですが、「大事な研究に本当に必要な額をつける(それは削ら
ない)」ことが必要なのであり、今回の仕分けの結果を専門家が検討し、
もしそのようなところがあったら「必要な額」に戻さないと角をためて牛を
殺すことになります。この作業はどうしても必要です。是非専門家にそれを
やらせて下さい(スーパーコンピューターも含めて)。皆でていねいに考える
こと。学問の世界にはこれが不可欠です。本日の新聞でその方向が
出されたことを知り、これからに期待しています。
昨日(11月30日)、COEという文科省のプロジェクトに関する会合が
ありました。そこで「継続性」について活発な議論がありました(これは
仕分け作業の時に私が指摘したことと重なります)。これまでこのような
議論はなかったので、驚くと共にすばらしいと思いました。考えることが
始まったように思います。仕分けの効果と私は受け止めましたが、
そうだとよいのですが。
JT生命誌研究館 http://www.brh.co.jp/
【2】 ワンクリックアンケート実施中
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『行政刷新会議の事業仕分け、どこで見ましたか?』
http://kosonippon.org/wp-manager/enquete/index.php?m_enquete_cd=67
1)現場に行って傍聴した
2)インターネット中継を見た
3)テレビの報道で見た
4)その他
●●感想も合わせてお寄せください!●●
http://kosonippon.org/wp-manager/enquete/index.php?m_enquete_cd=67
【3】 第149回J.I.フォーラムのご案内
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次回のJ.I.フォーラムは、12月16日(水)です。詳細は随時以下のページで
お知らせいたします。
http://kosonippon.org/wp-manager/forum/index.php
≪開催概要≫
○日 時:平成21年12月16日(水)18:30~20:30
○会 場:日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111(代)
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html
※会場のセキュリティの都合上、本案内状を会場1階で提示してください。
○開 演:18時30分(開場:18時00分)
○フォーラム参加費:2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
○懇親会参加費:4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/
————————————————————–
参加ご希望の方は、12月15日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に 参加する 参加しない
————————————————————–
*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下明美まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田陽光まで。TEL 03-5275-5607
————————————————————–
【4】 草津市の事業仕分け、12月20日(日)開催!
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構想日本が2002年より行い、政府の行政刷新会議でも実施された行政の
「事業仕分け」。歳出削減の効果や、職員、住民の意識改革などの実績が
浸透し、今までに全国の自治体や国の6省を含めて合計61回実施して
きました。
草津市では、18歳以上の市民2,000人を無作為抽出して参加を募った
約60人の市民が、「市民判定人」として事業仕分けに参加します。
仕分け人の議論を聞き、それぞれの事業の必要性や担い手について市民
判定人が判断するという方式で、全国で2回目の試みです。
まさに市民直接参加型の事業仕分け。特に関西方面の方、是非傍聴に
越しいただき、その威力を体感するとともに、日々の改革に活かして
ください。
≪開催概要≫
【日時】 2009年12月20日(日) 9:30~17:00
※入退室自由、ご都合の良い時間帯にお越しください。
【会場】 草津市役所2階特大会議室(草津市草津3-13-30 )
※会場に関するお問い合わせは、
草津市役所 企画調整課 経営改革担当
(電話)077-561-6028
【主催】 草津市
【協力】 構想日本
【対象事業】 草津市の一般会計事業(20事業)
【参加者】 事業説明者:草津市職員
仕分け人、コーディネーター:構想日本事業仕分けチーム
市民判定人:草津市民
●詳しくは構想日本ホームページでもご覧いただけます:
http://kosonippon.org/wp-manager/shiwake/municipality_sort/detail.php?m_project_cd=811
————————————————————–
参観ご希望の方は、12月18日(金)までに下記のメールアドレスに
お申込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
————————————————————–
*お問い合わせ:構想日本 西田/塩野 03-5275-5607
————————————————————–
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