【No.407】フリーター全般労組:「自由と生存の家」プロジェクト
2009.07.02

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JIメールニュースNo.407  2009.07.02発行
『フリーター全般労組:「自由と生存の家」プロジェクト』
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◆◇ 目 次 ◇◆
【1】 『フリーター全般労組:「自由と生存の家」プロジェクト』
フリーター全般労働組合執行委員長 清水 直子
【2】 甲府市、2回目の事業仕分け 7月11日(土)、12日(日)開催!
【3】 今年度の自治体の事業仕分け 日程のご案内
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【1】 フリーター全般労組:「自由と生存の家」プロジェクト
フリーター全般労働組合執行委員長 清水 直子
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「フリーター全般労組」は、アルバイト、派遣、失業中など雇用形態や、
現在働いているかどうかに関わらず、誰でも1人でも入れる、「プレカリ
アート」が中心の労働組合だ。「プレカリアート」とは、「不安定な」という
意味のイタリア語の「プレカリティ」と、「労働者階級」を意味するドイツ語の
「プロレタリアート」を合わせた造語で、新自由主義下で不安定な労働や
生を強いられる存在のこと。だから、中小企業の社員も、零細自営業者も
仲間だ。組合員数は約150人。そのうち20代が4割、30代が4割と、
比較的若い世代が多い。組合員の多くは年収180万円未満、
月収15万円未満だ。
私たちは、労働・生活の不安定とそれに伴う精神的な不安定という
二種類の不安定に直面している。非正規雇用で年収180万円の収入が、
年齢を重ねても増える見込みがない、ということに不安感や行き詰まり感を
覚える仲間も多い。かつてのように、職場で、ある程度ていねいに仕事を
教わって、次第に仕事を覚え、自信をもち、意欲を持つという機会も少ない。
だから、労組が、人のつながりをつくったり、仲間と力を合わせて問題を
解決したり、メーデーなどのイベントをつくったりすることで、自分を尊重する
気持ちを取り戻す場になればいいとも思っている。
茨城で派遣切りに遭い、相談を寄せた仲間がいる。彼は、寮を出る際、
ハローワークで紹介された雇用促進住宅には家賃が高くて入居できな
かった。家賃の安い市営住宅に入居できたものの、交通が不便で、
所持金がわずかななかで、就職活動をすることもままならなかった。
それどころか、その部屋には、照明器具も、風呂も、真冬なのに暖房器具
もない。離職票の発行まで数週間待たされ、手持ちの現金も底を尽きそう
だった。そんなときに、労組にたどりついた。
その後、自分と同じく派遣切りに遭った元同僚を訪ねたが、応答がない。
ベランダ側へまわると、元同僚は首をつって亡くなっていた。すでに
1週間が経っていたという。彼は、「相談できるところがあると伝えたかった」
と悔やんだ。
フリーター全般労組は、必然的に、労働と生存の問題に不可分に取り
組んでいる。生存の問題でいえば、収入の低い組合員が安心して、安く、
助け合いながら住む場所を確保しようという「自由と生存の家」プロジェクトも
そのひとつ。労組の住宅部会を母体とする自由と生存の家実行委員会が、
東京・四ッ谷の古いアパートを借り上げ、組合員のほか、派遣切りにあった
人を受け入れ、一角をインディーユニオンという自営業者の個人加盟組合の
事務所にも使ってもらいながら、助け合い・支え合いに加えて、人が出会って
交流し、新しいものを生み出す場を作ろうというものだ。家賃をできるだけ
安くするため、改装を組合員やボランティアが自らの手で行ってきた。
私たちのような小さな労組でもできる、ということを多くの方に知って
いただき、助け合って住まう支え合いの取り組みが各地に広がることを
願っている。
<清水 直子 氏 プロフィール>

1973年東京都生まれ、群馬県育ち。フリーライター。フリーター全般労働
組合で2008年度の執行委員長を務める。著書に『おしえて、ぼくらが持ってる
働く権利―ちゃんと働きたい若者たちのツヨーイ味方』(合同出版)、『自分
らしく働きたい―だれもが自信と誇りをもって』(大日本図書)など。
フリーター全般労組
http://d.hatena.ne.jp/spiders_nest/20090309/1236681582
http://jyutaku.yunegoro.lovepop.jp/?cid=46710
ブログ
http://shimizunaoko.cocolog-nifty.com/blog/

【2】 甲府市、2回目の事業仕分け 7月11日(土)、12日(日)開催!
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甲府市は昨年度、事業仕分けを試行的に実施しました。その効果が
認められ、今年度も実施することになりました。昨年度の30事業から
今年度は100事業まで対象を増やし、さらに市民の仕分け人をより多くする
など独自の創意工夫を行っています。
構想日本は2002年から行政の事業仕分けを行っていますが、歳出削減の
効果や、職員、住民の意識改革などの実績が浸透し、これまで国の6省を含め
45回実施し、今や国会の党首討論でも取り上げられるほど、行財政改革の
「切り札」として注目の的です。
その本当の意義は実際に見てこそ納得できます。是非傍聴にお越しください。
<開催概要>
【日時】 2009年7月11日(土)、12日(日) 8:30~17:00
※入退室自由、ご都合の良い時間帯にお越しください。
【会場】 甲府市役所 本庁舎1号館2階 委員会室
(甲府市丸の内1-18-1)
※会場に関するお問い合わせは、
甲府市企画財政室行政改革推進課
(電話)055-237-1161、内線3032まで
【主催】 甲府市
【協力】 構想日本
【対象事業】 甲府市の一般会計事業(約100事業)
【参加者】   事業説明者:
甲府市職員
仕分け人(評価者)、コーディネーター:
甲府市民、構想日本事業仕分けチーム
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参観ご希望の方は、7月10日(金)までに下記のメールアドレスに
お申込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
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*お問い合わせ:構想日本 西田/伊藤/塩野 03-5275-5607
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【3】 今年度の自治体の事業仕分け 日程のご案内
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今年度実施が決まっている自治体の事業仕分けを下記の通りご案内
します(7月1日現在)。
それぞれの詳細につきましては、都度改めてご案内します。
また対象事業数など詳細は、こちらをご覧ください:
http://kosonippon.org/wp-manager/shiwake/info/detail.php?m_project_cd=749
○7月11(土)、12(日) 甲府市
○7月18(土)、19(日) 富士見市
○7月26日(土) 藤沢市
○8月 8日(土) 加西市
○8月22日(土) 大津市
○8月26日(水) 釧路青年会議所主催「公開事業仕分け研修」
○8月29日(土) 大阪市
○10月3(土)、4(日) 小田原市

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