【No.378】地方自治体職員からみた定額給付金の問題
2008.12.05

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JIメールニュースNo.378  2008.12.5発行
地方自治体職員からみた定額給付金の問題
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◆◇ 目 次 ◇◆
1.【地方自治体職員からみた定額給付金の問題】
2.【第137回「J.I. フォーラム」のご案内】
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≪TOPICS≫
12月1日(月)、外務省・ODAの事業仕分けの結果をご報告いたします。
約250名の傍聴者が見守る中、白熱した議論が展開されました。
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http://kosonippon.org/wp-manager/project/detail.php?m_project_cd=721&m_category_cd=16
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1.【地方自治体職員からみた定額給付金の問題】
厚木市 市民協働部 相川地区市民センター所長
小瀬村 寿美子
定額給付金については、景気浮揚にはならないとか、バラマキ批判など議論が
噴出している。迷走の果てに、どのように対応するかは地方自治体に丸投げに
なった。一地方自治体職員としては、批判してすむものではない。さっそく対応
しなければならない事務が山積している。
なによりも大切なことは、住民にきちんと伝えることである。(1)給付金は税金の
払戻金であること。(2)処理には多額のコストが発生すること。(3)だからこそ一人
ひとりが使い道を真剣に考えるべきだということ。など、十分に情報を提供しない
といけない。具体的には、周知チラシなどにより、住民一人当たりにかかる経費
や自治体の受け取り総額、日本全体のコスト、財源などをわかりやすく書き、通
知文書を発送する際に同封する、相談窓口などで配布するなどの工夫が必要だ。
定額給付金は、地方自治体がどのように対応するのか、その姿勢が問われるこ
とにもなるのだ。
そもそも、定額給付金2兆円の財源は、財政投融資特別会計の金利変動準備
金から捻出したものであるが、これは先般実施した財務省事業仕分け(政策棚
卸し)で不要と判断されたものである。自民党「無駄遣い撲滅PT」亀井善太郎
衆議院議員のブログにもあるとおり、行財政改革をきちんとやって国民にお金が
返ってくる、いわば「改革の配当金」だということを伝えたい。
次に、事務処理に要するコストは一人当たり約千円、日本全体では1,276億円に
も達する計算になる。景気浮揚策だとすれば、景気が回復して国民の所得が増
えなければ、1,276億円の経費が無駄になり、結局損をするのは国民である。こ
のこともきちんと伝える必要がある。
事務処理に要する経費については、厚木市の平成10年度の地域振興券、平成
16年度の国勢調査経費を例に試算したところ、膨大な金額になった。厚木市の
給付金対象は約94,600世帯、22万7,000人、対象者全員が給付金を受け取った
場合の総額は33億3,300万円。それに対し、必要となる経費の試算は、職員人
件費7,650万円、臨時職員賃金600万円、協力員(地域で活躍される民生委員、
自治会長のみなさんなど)への報酬5,000万円、郵便料金1,600万円、印刷代な
ど1,000万円、その他にも広告料金、事務室の借り上げ料など合計2億400万円
にもなってしまう。これらも税金なのだから、無駄な支出を徹底的に省かないと
いけない。
一方、地域住民の協力も不可欠である。振り込め詐欺、一人暮らし高齢者、外
国人等への説明は、市町村職員だけでは限界があり、地域で活躍される民生
委員、自治会長のみなさんの協力なしには確認不能だろうから、大変な負担を
強いることになるかもしれない。
このように定額給付金には、多額の経費と大変な労力が伴う。だからこそ、一
人ひとりが、その使い道を真剣に考えるべきだと思う。私個人としては、住民の
みなさんには“受け取りを拒否しないで”と訴えたい。拒否しても国が使うだけで
ある。国に返すくらいなら、地域活性化のために地域内商店で使う、あるいは民
間団体に寄附する、身近な市町村へ寄附する等、より有意義な提案もできると
思う。
補正予算が出てないため、まだ実行されるかわからない定額給付金だが、地方
自治体は姿勢を明確にし、住民のみなさんには、税のあり方について成熟した
視点で考える機会と捉えていただきたいと考えている。
*小瀬村 寿美子(こせむら すみこ)氏のプロフィール
厚木市 市民協働部 相川地区市民センター 所長
大学卒業後、厚木市役所入庁、学校教育課、都市政策課、会計課、事務管理
課財務会計システム構築担当、財政課、職員課を経て、2005年4月青少年課長、
2007年7月から現職。
「明日の地方財政を考える会」の代表幹事の1人として、創設期から事業仕分け
に参加。構想日本事業仕分けプロジェクトメンバー。
行政経営フォーラム会員。
「行政の事業仕分け」ぎょうせい、「事業仕分けによる公共サービス改革への
展望」(財)地方自治研究機構等に寄稿。
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2.【第137回「J.I. フォーラム」のご案内】
国民あげて国の無駄撲滅を!
~熱い政治家たちの闘い~
景気悪化を理由に、道路特定財源の一般化、公共事業の抑制などの政府決定
が次々にひっくり返されています。しかし、こんな時だからこそ、税金を有効に使
わないといけないし、カンフル注射的な公共事業よりも本当の地域振興をしない
といけない。こんな思いをもっている政治家は実は大勢います。その一部の人た
ちが構想日本と協力して「国の事業仕分け」を行いました(文部科学、環境、財
務、外務の4省)。対象91事業(2.7兆円)のうち、約3500億円が、無駄な事業に
仕分けられました。このお金を景気対策含め、もっと国民が求めていることに使
おうというわけです。これこそ本当の『埋蔵金』です。官僚や現場の人たちからの
詳細なヒアリングから見えてきた行政の実態は、必見です。
日 時  : 平成20年12月17日(水)
会 場  : 日本財団ビル2階 大会議室
港区赤坂1-2-2 TEL 03-6229-5111(代)
(http://www.nippon-foundation.or.jp/org/profile/address.html)
開 演  : 午後6時30分(開場:午後6時)
ゲスト   : 河野太郎衆議院議員無駄撲滅プロジェクトチーム(文教・科学技術等分野)主査
亀井善太郎衆議院議員無駄撲滅プロジェクトチーム
木原誠二衆議院議員無駄撲滅プロジェクトチーム
福田峰之衆議院議員無駄撲滅プロジェクトチーム
山内康一衆議院議員無駄撲滅プロジェクトチーム 他
主 催  : 構想日本
定 員  : 160名
フォーラム参加費 :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
懇親会参加費   :4,000円
(ご希望の方は下記懇親会参加に○印をつけてください)
※ゲストを囲んで、下記の会場で懇親会を開催いたします。
「トラットリア・イ・プリミ 虎ノ門店」
港区虎ノ門2-2-1 JTビル1F TEL 03-3589-5812
(http://www.ep-tokyo.com/iprimi/toranomon/)
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参加ご希望の方は、12月16日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
お名前
所属
ご連絡先
懇親会に     参加する      参加しない
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*参加申し込みに関するお問い合せは、
事務局 木下まで。TEL 03-5275-5665
*内容に関するお問い合せは、
フォーラム担当 西田まで。TEL 03-5275-5607
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