【No.19】JI Policy Report 「サラリーマン+専業主婦」から個人単位の社会制度へ
2001.11.08

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JI Policy Report 「サラリーマン+専業主婦」から個人単位の社会制度へ
JIニュースNo.19  2001.11.08
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■ 構想日本では、政策プロジェクトの概要を報告するニューズレター
『Policy Report』を定期発行しています。今回は、最新刊7号に掲載の社会
政策提言「『サラリーマン+専業主婦』から個人単位の社会制度へ」の一部を
紹介します。
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◆◆もうひとつの構造改革
「サラリーマン+専業主婦」単位から個人単位の社会制度へ◆◆
1 はじめに
日本では、高度成長期に「サラリーマン+専業主婦」という家族が一般化
した。男性が長時間労働をし、女性が子ども、老人を含めて面倒をみるという
体制が、経済発展には効率がよく、うまく機能していた。日本の女子労働力率
が最低を記録するのは、1975年である。
しかし、妻だけが育児、介護を担い、夫だけが税金や保険料を納めるシステム
ではこれからの少子高齢化社会を乗り切ることができない。個人や家庭の幸せの
ためにも、社会経済全体の活力を損なわないためにも、税制度、社会保障制度、
家族関連法、賃金・労働制度などの改革が必要である。
2「第三号被保険者制度」の問題点
問題の一つに「第三号被保険者制度」がある。専業主婦の無年金状態を解消
することを目的に1985年に導入されたもので、サラリーマンの配偶者のうち
収入が130万円未満の者は、保険料を払わなくても基礎年金が給付される制度
である。
女性の年金権確立自体は必要なことであるが、新たな負担なしに導入した
ことにこの制度の大きな問題がある。収入が130万円未満であると保険料を
支払う必要がないため、女性が就業を差し控える要因にもなっている。
「130万円」の壁が女性の就業を妨げている。
3 厚生労働省の改革案では不足
厚生労働省の「女性と年金検討会」では、8種類の専業主婦の保険料負担
を巡る改革案が出されたが、現実的な案として、厚生労働省は、「パートで
働く主婦に厚生年金の適用を広げ、保険料負担をしていない専業主婦の数を
減らす」という案を推している。「第3号被保険者の認定要件の130万円を
65万円に引き下げる」という案だが、これでは、女性の就業を妨げていると
いう現在の問題を解決できない。
4 「第三号被保険者制度」の廃止を
まず「国民皆年金か、否か」を議論する必要があるが、現在の社会保険
方式を前提とすれば、第3号被保険者制度を廃止すべきである。
方法としては、夫が、妻の保険料も保険料率に上乗せして負担すること
が考えられる。
一方、子どもを育てている世帯に対しては、児童手当の増額など補助
政策を行うべきである。児童手当増額の財源としては、配偶者控除、
配偶者特別控除の廃止も一案である。
「サラリーマン+専業主婦」世帯にとっては税負担が増す政策にも
みえるが、趣旨はまったく異なる。労働における性別や年齢による差別を
撤廃するとともに、育児期にいる労働者への補助政策などを行い、個々人
が就業しやすくまた労働意欲の増す環境を整えていくための、必要な方策
の一つである。「サラリーマン+専業主婦」単位の家族を前提としない
包括的な政策転換が今必要とされている。 (JI政策スタッフ山谷発)
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◆◆とある日のJI◆◆   【不定期連載のJIスタッフ後記です。】
・くさなぎ丸(JI政策スタッフ)「西田さん 、国会議員アンケートとかけて、
古女房の落胆と解く。そのココロって分かります?」
・マダム西田(JI運営委員/広報担当ディレクター)「わかんないわ。アタシ
新妻だもん♪」
・くさなぎ丸「家庭を大事にするっていうから結婚したのに、いざ結婚したら
仕事に忙しくって家庭サービスしてくんないダンナってこと。家庭ってのは
国民です」
・マダム西田「座布団マイナス30枚。ところで、安全保障論のアンケートの集ま
り具合はどう?」
・くさなぎ丸「秘書さん相手に口述で答えてくれる議員さんもいる一方、副大臣
なのに『アンケートの類は役所から控えるように言われてますので』なんて
断る議員もいます」
・マダム西田「役人みたいな副大臣ねえ。そうそう、下関の江島市長から
『関露水』の差し入れよ。給水開始95周年記念のボトルウォーターですって」
・くさなぎ丸「ああ、今年最初のJIフォーラムに来てくれた、あの売り込み
上手な市長さんですね。ぐびぐび。おいしい!気分はクリスタル!!」
・マダム西田「田中知事に媚びうってどうすんの。アンケート報告はいつ頃?」
・くさなぎ丸「勤労感謝の日前にはなんとか。日米安全保障体制は今後どうある
べきか?とか、集団的自衛権の定義について国会が決議や立法をなすべきか、
といったかなり突っ込んだ質問です。というわけで皆さん、集計結果をお待ち
下さい!」
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