【No.175】地方の工夫が国の財政を救う! Part2
2004.11.26

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地方の工夫が国の財政を救う! Part2
JIメールニュースNo.175  2004.11.26
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■■ 目次 ■■
1.《地方の工夫が国の財政を救う! Part2》
2.《第88回 「J.I.フォーラム」の報告》
3.《第89回「J.I.フォーラム」のご案内》

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1.《地方の工夫が国の財政を救う! Part2》
~長野県下條村現場レポート~
構想日本政策スタッフ 伊藤 伸
先週、栄村の「道直し」の事例を紹介し、国の指示に従って事業を行っ
た場合とコストの比較を示しました。今回は同様の切り口で、長野県の下
條村を紹介します。
●「建設資材支給事業」
栄村の道直しと同様、国の補助を受けない村道や農道の改良事業のこと
を言います。村は整備に必要な材料を支給するだけで、実際の施工は集落
の住民が行います。
この事業は国庫補助を受けず、国からの関与は一切受けていません。国
の関与を受けて行った場合とは、事業規模や周辺整備の違いがあり一概に
比較はできないものの、結果として原材料費は栄村の道直しと同規模の1/8
に抑えられ、集落の住民がすべての施工を行うため、人件費や舗装代は無
料。総事業費では1/32になります。
●下條村の創意工夫による主な事業
栄村と同じく合併をしないことを決めた下條村では、道路の建設資材支
給事業だけでなく、様々な行政のスリム化政策を行い、実績をあげていま
す。
○職員改革
役場の業務が忙しい12月に、職員全員を交代でホームセンターでの研修
を実施。民間企業の方が更に忙しいことを実感させる。また、職員の嘱託
化、新規雇用カット、係長制廃止、3保育所の統合など行政のスリム化を進
め、人口当たりの職員割合が全国平均に比べて4割も少ない。
○若年対策
若者向けの安い村営住宅の建設、中学生までの医療費無料化を実施。こ
のことが一因となって、村の人口が平成2年に比べて300人以上増加、生涯
出生率は1.97で県内第1位(全国の出生率は1.36)、若年人口率が17.3%で
県内第3位。
○合併処理浄化槽
汚水処理において、大部分の自治体が公共下水か農業集落排水を選んで
いた時代に、下條村はコストの面を考えて合併処理浄化槽を選択。結果、
公共下水・農業集落排水で想定した事業費の約1/6に削減。汚水処理の人口
普及率は全国で76%のところ、下條村は96%まで整備。合併処理浄化槽の
問題点とされていた水質についても、これまで苦情は1度も上がっていない。
なお、全国的な汚水処理の種類別人口普及率は、公共下水が66%、合併処
理浄化槽が8%、農業集落排水が2%。
○財政の健全化
最も厳しい前提条件に基づいて財政見通しを平成34年度まで試算。その
状況下で行政運営できるよう徹底した財政の緊縮を行い、財政構造の長期
安定性を示す「起債制限比率」が1.7%で県内1位(全国平均は8.7%)。ま
た平成15年度の基金残高が22.9億円。当初予定より3.7億円多く、1人当り
の基金残高は約55万円(全国平均は30万円)。
※起債制限比率:財政の中に占める、地方交付税措置されていない公債
(純粋な借金)の割合。15%以上で警告、20%以上で一般単独事業債と厚
生福祉施設事業債の発行停止、30%以上で一般事業債の発行が停止
●伊藤喜平 下條村長
「これまで行政にはコスト意識があまりにもなさ過ぎた。今回の合併論議
は行政が自分の市町村の状況を真剣に考えるようになったという意味で非
常にプラスになった。国の借金を返すのに地方の財政が減るのは仕方ない。
その代わり、国は地方の細かいことを決めるよりも、どのくらい減るのか
など大枠だけを決めていれば良い」
●最後に
「平成の大合併」により、市町村の数はこの11月1日で3000を下回った。
ともに人口が5000人未満の栄村、下條村は国の方針に従わなかった「造反
組」と言えるが、両村のヒアリングを通じて、小さな村でも生き残ってい
く術は十分にあり、地方の財政危機の観点だけでの合併論は誤っているこ
とを実感した。
今後は、国の方針に従わないから「切る」のではなく、両村で行われて
いる創意工夫を更に生かすことのできる環境整備が必要である。
<下條村基礎情報>
【人口】4218人
【世帯数】1264世帯
【面積】37.66平方キロメートル(内、山林原野が79%)
【H16年度当初予算】20億6700万円
【特徴】長野県南部に位置し岐阜、愛知、静岡の3県が通勤圏内にある。特
産品に蕎麦、辛味大根がある。
【URL】 http://www.vill-shimojo.jp/
☆詳細は構想日本ホームページ
http://kosonippon.org/wp-manager/prj/c/?no=05 に掲載しています。
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2.《第88回 「J.I.フォーラム」の報告》
「語り」が歴史をつくる
-オーラル・ヒストリーでブラックボックスを開く-
討論者: 御厨 貴 (東京大学教授)
永江 朗 (ジャーナリスト)
※詳しくは、 http://kosonippon.org/wp-manager/forum/log.html?no=1104
をご覧ください。
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3.《第89回「JIフォーラム」のご案内》
構想日本でこんな本を企画しました(11月24日発売!)
『浮き足立ち症候群-危機の正体21-』
-21名の専門家に様々な「危機」とそれを生み出す
世の中について語って頂きました -
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もう10年以上も家庭、学校、会社、様々なところで「危機」とか「破
綻」といったことが叫ばれています。私たちは、そんな言葉に浮き足立っ
てしまってはいないでしょうか。 そこで、ちょっと腰をおちつけて、ど
こに本当の問題があるのか考えてみませんか、という趣旨の本を構想日本
の企画でつくりました。
構想日本の政策づくりと共通の問題意識を持つ21名の著者の中から、医
療の問題を鋭く提起した「ブラックジャックによろしく!」のモデル南淵明
宏氏、禅僧から医師(僧医)をめざす対本宗訓氏、食の安全について適確な
指摘をしている小若順一氏に、本当の問題はどこにあるのか議論して頂き
ます。
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日 時 : 平成16年11月30日(火)
会 場 : 銀座ソニービル8階 ソミドホール
開 演 : 午後6時30分(開場:午後6時00分)
討論者 : 南淵 明宏(大和成和病院心臓病センター長心臓外科部長)
小若 順一(食品と暮らしの安全基金事務局長)
対本 宗訓(禅僧・医学生)
コーディネーター: 加藤 秀樹(構想日本代表)
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参加ご希望の方は、11月29日までに出欠の是非を、下記のメールアドレス
にお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
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所属
ご連絡先

懇親会に     参加する      参加しない
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お問合せ:構想日本・西田(電話03-5275-5607)
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