- 【No.123】「思考は環境で規定される?」に寄せて
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「思考は環境で規定される?」に寄せて
JIメールニュースNo.123 2003.11.21
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■■ 目次 ■■
1.《読者の声》「思考は環境で規定される?」に寄せて
2.《第77回「J.I. フォーラム」のご案内》
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1.《読者の声》「思考は環境で規定される?」に寄せて
アーバン・インスティテュート研究員
上野 真城子
JIメールニュースNo.109「思考は環境で規定される?」についてのご意
見(同No.113)はとても面白く,個人としても、最も関心のあることです。
(No.109 http://kosonippon.org/wp-manager/mailnews/log.html?no=117
No.113 http://kosonippon.org/wp-manager/mailnews/log.html?no=121 )
私は政策研究者としての前身を、住宅を主とした建築家として、また建築
計画を専門の基礎としております。心からの関心は、家族、住まい、町、
コミュニティー、そして都市の設計と計画、すなわち人間にとっての生き
る、人生を包む、器と空間をどう作っていくか、又はどう作っていくのが
いいか、そして楽しいか、ということにあります。
政策を考えるにしても、民主主義を考えるにしても、NPOを考えるにし
ても、私の心にあるのは、よい空間が人々にとって、どれほど大切な事か
ということです。良い住宅、美しい都市は、それを作ること自体が究極の
目的ではないけれど、その事によって育まれる豊かな創造的人間、思考す
る人間を生み出す事ができるという点において、とても大切な事であると
思うのです。そうした人間の創出こそが人間の誇る歴史を作れるからです。
これは言ってみれば「静かな時間、よき空間、そして緑」が、人間、最も
大切な家族と次代をつくる子どもにとってとても大切なことだということ
です。その価値を測る事は、今の経済分析、経済効果や経済成長に関わる
政策指標の中で見落とされてきた、ないしは無視されてきました。
アメリカ社会の強さを見るとき、この国土の大きさと空間の豊かさという
ことが密着していることをつくづくと思い知らされます。それは良き暮ら
しかた、良き住まい、良き町をつくることを、働く場の環境も含めて、そ
れは当然のこととして、そのコストも払おうとし、それが払えるのがこの
国の豊かさ、強さです。勿論個々の環境政策など、アメリカの問題は限り
なくあり、その豊かさ故の問題も膨大に指摘できます。ああ、この空間か
らこういう思考が出てくるのだな、と思います。そうした点から、様々な
アメリカの思考をそのまま日本に持ってくるのは当然のことから無理があ
ります。しかし、視点を変えれば、日本はもっとこまやかで密度の高い、
美しい、よき暮らしの空間を作って来ました。日本の中世の歴史都市と建
造物に明らかです。そこに限られた階層のものではありましたが、豊かな
思考が生まれたといえます。
もちろん、貧しい環境の中からも、偉大な思想を生み出す偉人は出ます。
しかし一般の人々にとっては、貧しい空間から豊かな人間性と思考は育ち
難いものです。これは実は住まいのこと(再生産の場のこと)だけではな
く、生産の場においてもそうです。こちらの研究者を何人か、日本の省庁
に連れて行った事がありますが、彼らが一様に驚いたのは、その仕事場の
狭さ、空間的な貧しさでした。役所がぜいたくな空間を持つ事は納税者と
しては抵抗がありますが、その働き方、時間の使われ方と合わせて、少な
くとも人間性を確保した、静かな思考の時間が持てる、空間的な整備は必
要です。これは多分政治家、国会議員の仕事場にもあてはまるでしょう。
住まい、町からはじめて、狭い国土とはいえ、よりよい空間作りをする
ことはいくらでも出来る事です。このことを日本の新たな国造りの課題に
据えて行く事が出来れば、と願います。
◆代表の一言
大分間があきましたが、No.109「思考は環境で規定される?」に対する反
響は大きく、No.113に続く《読者の声》です。日本人は「衣替え」「模様
替え」など気分を変えるためのちょっとした雰囲気づくりが大変上手だと
思います。これは、能や歌舞伎の舞台を見てもそうです。変化の知恵を外
国ばかりに求めなくても身近にあるような気もします。
(構想日本代表 加藤秀樹)
*JIメールニュースNo.122(2003.11.14発行)「誰も言わない政治改
革」についても、読者のみなさんからご意見を頂きました。ありがとうご
ざいました。
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2.《第77回「J.I. フォーラム」のご案内》
年金制度は不安でいっぱい?!
– どのような制度を目指すのか?-
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老後の安心を支えるはずの年金制度が不安でいっぱい?。先の選挙戦で
も最大の争点だったこの制度は、5年に一度見直されます。そして次の制
度改正まであと半年。
破綻寸前といわれるのは本当なのか。未加入者や保険金未払いが多くな
るのはなぜなのか。これらの問題は多くの日本人の関心事ですが、年金制
度は複雑で、そのどこに問題があるからなのかが分かりません。
だから、厚生労働省や政治家から制度の改革案が出されても、私たちに
とって好ましい選択肢はどれなのか分かりません。
そこで、年金制度と私たちが受ける影響、問題点の関係をまず整理し、
その上で研究者、提言者、政治家など様々な立場から議論して頂くことに
しました。
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日 時 :平成15年11月25日(火)
会 場 :銀座ソニービル8階 ソミドホール
開 演 :午後6時30分(開場:午後6時00分)
講 師 :駒村 康平(東洋大学助教授)
討論者 :神代 和俊(放送大学教授)
渡辺 正太郎(経済同友会 副代表幹事・専務理事)
根本 匠(衆議院議員)
古川 元久(衆議院議員)
コーディネーター :高橋 万見子(朝日新聞社経済部)
主 催 :構想日本
定 員 :160名
参加費 :2,000円(シンクネット・構想日本会員は無料です)
参加希望の方は、下記のメールアドレスにお申し込み下さい。
forum@kosonippon.org
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参加ご希望の方は、誠に恐縮ですが11月24日までに出欠の是非を
お知らせ願います。
お問合せ:構想日本・西田(電話03-5275-5607)
*シンクネット・構想日本の会員は8月からフォーラム参加費が無料
になっています。申込が必要ですのでご注意ください。また、申込
の際は会員番号をお知らせ下さい。
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