- 【No.1080】◆寄稿文を公開◆第3回「アベノミクスが格差社会をもたらした原因」 構想日本理事 宇野 輝
◆寄稿文を公開◆第3回「アベノミクスが格差社会をもたらした原因」 構想日本理事 宇野 輝
■□■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
構想日本メールマガジン【No.1080】 2022.10.06 発行
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■□■
<目次>
【1】この先1か月の活動予定
5つの自治体で自分ごと化会議を開催予定
【2】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談 全29話を公開中
【3】ザラ撮り!
【4】身の回りのツルツルとザラザラを仕分けてみませんか
皆さまからのツルザラをご紹介
【5】巻末寄稿文
第3回「アベノミクスが格差社会をもたらした原因」 構想日本理事 宇野 輝
【6】9月の新聞・テレビ等メディア掲載
□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □
【1】この先1か月の活動予定
-------------------
(1)奈良市 月ケ瀬地区第3回自分ごと化会議
無作為で抽出された1,021人のうち応募のあった56人の市民がテーマごとに2班に分かれて議論します。5回シリーズの会議の3回目が開催されます。
【日時】 10月6日(木)19時~21時30分(予定)
【場所】 月ヶ瀬ワーケーションルームONOONO(A班)、月ヶ瀬行政センター(B班)
【テーマ】共助・地域コミュニティの力を活用したヒト・モノの移動に関する地域課題解決(A班)
共助・地域コミュニティを強化する手法(B班)
(2)岡山県新庄村 村づくり自分ごと化会議
全国的にも珍しい議会主催の自分ごと化会議で、無作為で抽出された約120人のうち応募のあった10人の村民が、村の子どもたちの教育環境のあり方について議論します。4回シリーズの会議の1回目が開催されます。
【日時】10月16日(日)13時30分~15時30分(予定)
【場所】新庄村公民館 大会議室
【テーマ】子どもたちの未来につなぐ新庄村ならではの教育環境づくりとは
(3)山梨県大月市 大月市事業仕分け
大月市での事業仕分けは今年で2年目。無作為で抽出された1,100人の市民のうち応募のあった34名が2班に分かれ、それぞれ5事業について評価を行います。
【日時】10月22日(土)9時30分~16時45分(予定)
【場所】大月市立大月短期大学 岩殿ホール 講義室
【対象事業】ふるさと納税推進事業、市営住宅維持管理事業、子育て支援手当支給事業、ほか全10事業
(4)群馬県富岡市 一ノ宮地区・富岡地区円卓会議(自分ごと化会議)
11地区の公民館で無作為で抽出された市民が地域の課題について議論する円卓会議(自分ごと化会議)を開催します。11地区のうち2つの地区(一ノ宮地区・富岡地区)で構想日本が会議をサポート。5回シリーズの会議の1回目が開催されます。
≪一ノ宮地区≫
【日時】10月29日(土)9時30分~12時(予定)
【場所】富岡市社会教育館
【テーマ】地域運営や地域活動等における役員のなり手不足
≪富岡地区≫
【日時】10月29日(土)13時30分~16時30分(予定)
【場所】富岡公民館 大会議室
【テーマ】災害への備え
(5)鳥取県琴浦町 ことうら環境アクションンチーム第3回会議(自分ごと化会議)
昨年度行われた「みんなで考える家庭ごみ減量会議」で作成した「提言書」の内容を実行に移すためにチームを発足。そのチームによる3回目の会議が開催されます。
【日時】10月30日(土)9時30分~12時00分(予定)
【場所】琴浦町役場分庁舎2階多目的ホール
【テーマ】家庭ごみの減量
■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【2】雑談ラジオ企画:脱線!どちて雑談 全29話を公開中
-------------------
大人のどちて坊や・谷野栄治(クリエイティブディレクター)の疑問に、加藤秀樹(構想日本代表)が答えてすすむ雑談ラジオ。
アニメ番組『一休さん』に登場する、“どちて(どうして)ですか?”が口癖のキャラクター「どちて坊や」。その「どちて坊や」の問いかけように、よのなかの出来事に対する”素朴な疑問”から話がはずむ、ゆかいな雑談です。脱線こそ雑談の醍醐味。脱線からうまれる初耳の話を、お楽しみください。
◎先週の第1話に続き、第2話『お遍路から始まる「歩くと考えるって同じではないか」』はこちらから
→ https://youtu.be/cSk_vBRcgv0
◎この雑談をnoteにしました。こちらからご覧ください(note用に加筆訂正をしています)
→ https://note.com/hi_kato/n/n9060bc782e63
■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【3】ザラ撮り!
日常にある身近なザラザラを、自由な視点で写真で切り取り紹介します!
-------------------
■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【4】身の回りのツルツルとザラザラを仕分けてみませんか
-------------------
皆さまからいただいた“ツルザラ”をご紹介していきます。
◆ あなたの“ツルザラ”◆
・O氏のツルザラ
ツルツル >移動の負担がなくなった、オンライン会議
ザラザラ >ストレス発散したいときにならす車のクラクションに生産性が全くない点
・N氏のツルザラ
ツルツル >居場所、処分、電子通貨
ザラザラ >出番、保存、地域通貨
・K氏のツルザラ
ツルツル >通勤電車、クーラーの設定が24度(寒すぎます)、背広
ザラザラ >友人からの雑談E-mail、ナンセンスな言葉を考える時間、食後に食べる果物
・F氏のツルザラ
ツルツル >あたま
ザラザラ >床
・Y氏のツルザラ
ザラザラ >薬剤師の仕事。高齢者施設のお薬を作っていますが、一つひとつの薬に名前を書いたり、日付を打ったりセロテープで貼ったりとかなり非効率的でザラザラな仕事は多いです。
薬局に限らず高齢者を相手にする仕事はかなりザラザラ度が高いのではないでしょうか?
◆“ツルザラ”に関するご意見◆
・Y氏 >地方に住んでいるせいか、むしろある面ではもうちょっとツルツル化して欲しいと思います。若年人口が少なく、実労できる世代が限られている中、合理化できるところはしていかないと社会が持たないところまで来ていると感じます。例にあるようにスーパーの野菜などはツルツルですが、そこからはみ出たザラザラ野菜をいただくことも多いです。市役所などはザラザラな仕事をするために、他の部分はもっとツルツルになってほしいと常々思います。
私が行くチェーン店のカフェはいつも温かい言葉をかけてくださいます。ツルツルとザラザラはあまりはっきりと分けられないかもしれません。
◆「今の社会でこれが問題だ」と思うことを併せてお尋ねしています ◆
・O氏 >小学校による鉛筆の使用強要は、鉛筆を毎日削る作業による時間の損失、鉛筆の芯がおれたり丸まったりして授業中に使用できる鉛筆がなくなるトラブルが授業進行の邪魔になること。
・N氏 >支援という名の支配
・K氏 >「政治が悪い」という考え方。なぜ自分で対処しないのか、議員定数があること。議員の人数は、投票率に応じて変動すればよい。投票率が高いときは政治への関心が高いのだから議員の人数は多く、投票率が低いときは関心が低いのだから人数は少なくて良い。
・F氏 >政治家
・Y氏 >東京の仕事は生産性が高く、地方の仕事はエッセンシャルワークも多いので生産性を上げようと思っても限定的です。ザラザラな仕事に疲弊して、それでも賃金が安く最低限の暮らしなのに、お金以外の幸せがあると言われてもピンと来ないのではないでしょうか?地方で産み育てた若者が東京に出て稼いで払った税金は、しっかりと地方に戻して欲しいと思います。社会保障で生活に安心感があってこそザラザラを大事にできるのではないでしょうか?
皆さまは、どんなことにツルザラを感じられますでしょうか。是非、ご参加ください。
-------------------
▼「ツルザラ仕分け」のお願い
1、あなたの身近で「ツルツル」だと思うものを教えてください。
2、あなたの身近で「ザラザラ」だと思うものを教えてください。
下記、グーグルフォームよりご回答ください。
https://forms.gle/EosCiVcQWP2tZfum9
<背景>
今の社会は、経済を成長させ「お金が増えるとみんなが幸せになる」が前提です。
そのために自由化・効率化=ツルツル化(効率の悪いものを極力減らすこと)をしてきました。
昔からの生活にある、デコボコ・ザラザラ(手間をかけてものを作ること、習慣の違いなど)を減らし、物もお金も人も画一化し、効率的に動かし、今やツルツル・ピカピカです。
構想日本はザラザラ社会の方が平和で、多くの人が幸せになれると考えています。SDGsとはツルツル化を見直そうという運動とも言えます。しかし、世界はまだツルツル化が進んでいます。
そこでまずは、ツルツルとザラザラの両方が選択できる世界二制度の仕組みを考えようと提案しています。
詳細はこちら 構想日本HP → http://kosonippon.org/wp-manager/turuzara_0308/
~参考書籍~
「ツルツル世界とザラザラ世界 世界二制度のすすめ 」 加藤 秀樹(著)
Amazon書籍販売ページ: https://www.amazon.co.jp/dp/B08PL2VS1G
■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【5】第3回「アベノミクスが格差社会をもたらした原因」
構想日本理事 宇野 輝(うの あきら)
-------------------
アベノミクスは企業収益が政府や個人にトリクルダウン方式で、各々に利益を分配する政策であるとしたが、残念ながら個人へその恩恵は滴れなかった。如何に企業が収益を内部留保としてため込んだか、或いは配当金として株主の富裕層に分配したかについて実証分析する。
アベノミクスはマイナス金利による異次元緩和政策を続け、企業収益を上げることに成功した。その結果、表3に示す如く企業の当期純利益および利益剰余金(内部留保)の推移を見ると、パラレルに増加している。企業収益が増加した要因は、売り上げが伸びたというより経費面で低金利による金融費用の減少や、雇用報酬が増えなかったことが挙げられる。さらに2度にわたる法人税の引き下げがあった。
日銀の異次元緩和の資金は、成長戦略に回ることを目的としたが、銀行は貸出金として運用することができず、株式投資にまわったため配当金が増加する要因となった。企業はコーポレートガバナンス強化の下、企業収益の配当性向30%、配当利回り3%を目標にステークホールダーに分配した。
株式を保有する個人の富裕層が配当所得を増やしたことは、表4から実証されている。家計の配当所得の増加は家計の利子所得の増加を上回り、如何に利子所得の水準が低いかがわかる。このように企業からの利益配分は経営者側に厚く、労働者側に薄く所得格差を助長させた。
アベノミクスは税制において、法人税の引き下げが法人税率30%から2012年に25.5%、2016年23.4%に2度引き下げられた。そして、法人税の税収マイナスを埋めるべく、2度の消費税の引き上げ(2014年8%、2019年10%)が行われた。国民の利子所得は減少し、消費税の増税によって国民負担は増え、ダブルパンチとなった。
このような金融資産所得の格差拡大を是正するために、現状の高額所得者に有利となっている金融資産課税制度の見直しや分離課税(20%)の税率引き上げ等、総合的な課税制度を検討する時期に来ている。さらに法人税率の引き上げや内部留保資金への課税も検討する余地があると考える。消費税については先進国の中では低税率であるが、雇用者所得の増加状況を見極めながら、今後段階的に引き上げざるを得ない。政府においては財政の健全化のために財政支出の見直しを行うべきであることは言うまでもない。
-------------------
【筆者略歴】京都市生まれ、京都大学経済学部卒。住友銀行取締役、三井住友カード副社長、SMBCコンサルティング会長、日本郵政執行役員、ゆうちょ銀行常務執行役、京都大学経済学部特任教授を経て、京都大学総長特命補佐。
構想日本理事(現任)、京都大学博士(経済)
■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■
【6】9月の新聞・テレビ等メディア掲載
-------------------
2022年9月8日 NHK総合 NHKニュースおはよう日本「政治参加”くじ引き”で市民が議論 新しい民主主義のカタチ」
2022年9月14日 読売新聞「原子力 村民と村長対話 来月から東海村6地区」
――――――――――――――――――――――――
*みなさんのご意見をお待ちしています。(800字以内でお願いします) info@kosonippon.org
いただいたご意見はバックナンバーと共に「読者の声」として今後HPに掲載予定です。また、メルマガにて抜粋掲載をさせていただくこともございます。
*不掲載をご希望の場合は必ずその旨を明記してください。氏名、肩書きは、特にご指示がなければそのまま掲載します。
匿名、ハンドルネームをご希望の場合は必ず明記してください。なお、盗作、名誉毀損、人権侵害、差別的な記述などの投稿は禁止いたします。
――――――――――――――――――――――――――
(編集後記)ご紹介したどちて雑談 第2話のテーマは「歩くこと」「考えること」。第2話を視聴して、以前に体の動きを意識しながら歩くと瞑想と同じ効果を得られる聞き、試したことを思い出しました。これがとても難しく、集中しようと頭の中で体の動きを実況中継してみても100%意識が逸れます。雑念を取り払い集中力アップ!すべく、再度取り組んでみようと思います。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆J.I.メールマガジンは、構想日本の活動情報などをお届けする無料のメールマガジンです。1.代表及びスタッフが名刺交換させていただいた方、2.ホームページで直接申し込まれた方に配信しています。
◆登録・配信停止・アドレス変更は、 news@kosonippon.org へご連絡ください。
◆みなさんの個人情報は構想日本が厳重に管理し、構想日本の活動に関わるご案内をお送りする以外、使用することはありません。
◆転載をご希望の場合は、ご一報ください。
◆構想日本会員・寄付は、随時募集しております。
□■□ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
発行 : 構想日本、発行責任者 : 加藤秀樹
Copyright(C) 1999-2022 構想日本 All rights reserved.
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■□