開催概要
和歌山県海南市で「コミュニティ施設(公民館や児童館、集会所など)」をテーマに、①市民が市内コミュニティ施設について自分ごととして考えること、②協議会の中で出た意見を2020年度中に作成する個別施設計画(個々の施設を見直す計画)に反映することを目的に住民協議会*1を開いています。
★海南市住民協議会の特徴★
- 児童館、公民館などのあり方をテーマに、無作為に選ばれた市民と地域の実情に詳しい地区代表者等が議論。
- 昨年度の海南市行政事業レビューに参加した市民判定人OB・OGが、今年はオブザーバーとして参加し、引き続き行政に参画。
- 議論の結果は、来年度に作成予定の個々の施設を見直す計画に反映。
【開催日時】 12月15日(日)14:00~17:00
【会 場】 海南市
当日資料はこちら(海南市HP)
*1住民協議会の流れや仕組みについては、伊藤伸(構想日本総括ディレクター)のヤフー記事や、第1回海南市で配布したスライド資料をご覧ください。
第1回海南市配布資料:「住民協議会の意義」
ヤフー記事(伊藤伸):「住民協議会」でまちづくりに参加する
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議論の様子
■第5回の大まかな流れ
- 全体会
- これまでの振り返りと第5回の目的・進め方の確認
- 第5回配布資料の説明
- 分科会
- コミュニティ施設のあり方について最後の議論
- 海南市住民協議会からの6つの提案(案)について議論
- コミュニティ施設の見直し基準(案)について議論
- コミュニティ施設のあり方について最後の議論
- 全体会
- 各班の代表者1名から第5回の振返りコメント
- 各班のコーディネーターから第5回の振返りコメント
- 海南市サポーター証の交付
最終回である第5回は、①海南市住民協議会からの6つの提案(案)と②コミュニティ施設の見直し基準(案)について議論しました。
①海南市住民協議会からの6つの提案(案)
これまでの住民協議会で委員及びオブザーバーが記載した「改善提案シート」「意見提出シート」の内容や議論を基に作成しました。
- (各地区の特性を踏まえながら)市民が納得できる「見直し基準」を作っていくことが必要ではないか。
- 施設をよく使う市民だけではなく、まったく使わない市民(子育て世代や若い世代など)がより行きたいと思えるような施設の活動を増やしたり、必要性が薄いと感じた施設は廃止したりしていく。
- コミュニティ施設の活用を充実させるには、地域コミュニティの充実を図ることが大切。
- 地域コミュニティの核となる自治会の役割や必要性の周知の仕方を変えていく。
- 地域活動の情報をできる限り多くの市民が共有できるよう情報の出し方を改善する。
など、『コミュニティ施設のあり方』を考える上で必要な視点・意見を6つの提案にまとめています。
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②コミュニティ施設の見直し基準(案)
①の6つの提案の「1つ目の提案」でも取り上げられていますが、多様な市民が「コミュニティ施設の見直し」を自分ごとにしていくためには、客観的なデータや判断するための指標が必要になってくるという意見が、住民協議会の中で多くありました。
そうした意見を受けて、コーディネーターがコミュニティ施設の見直し基準(案)を第5回に向けて作成し、委員の皆さんと基準の考え方、使い方について議論を行いました。
見直し基準(案)についての話し合いは、
「この見直し基準のみで存続・廃止を決めるのではなく、この基準を参考にしながら個々の地域の特性を踏まえ、対話により、今後のコミュニティ施設の数や使い方を決めていく。」
上記の考えを前提として行われました。
協議会の委員の主な意見やコメントは以下の通りです。
これまでの資料からは、公民館、児童館、集会所、それぞれの維持管理がどのようになっているのかがわからない。市は個々の施設の管理・運営を把握する。また自分らも「使いやすいように維持管理していこう!」とならないといけない。
地域の住民が積極的に維持管理に関わるために、行政がどうか関わることができるのかを知りたい。住民と行政のコミュニケーションがしっかりできるようにする。
見直し基準に「利用率」があるが、公民館・児童館・集会所では利用の目的や使われ方が違う。例えば、公民館には館長さんがいるが、児童館・集会所にはいない。同じ利用率で考えてよいのか。
もともと海南市に住んでいる住民と、新しく住み始めた住民との意識のずれがあると思うけど、それはどのようにすり合わせているのか。お互い協力し合おうという体制になっていたら良い。最初のきっかけづくりが大切。
他地区の状況がどうなっているのかがわかったので有難かった。私の地域はコミュニティ性が高い。提案書のなかのことは大体できているのではないかと思う。ただ、地域の活動に若い人を取り入れていくことが必要だと思った。その企画をどんどんやりたい。
住民協議会に参加し、今まで地域にいたら、考える事もなかったことを考えれるようになった。他の地区の状況が分った。良いところを取り入れていきたい。
今まで、いろいろな施設について、改善要望ばかりしてきたが、自分で考える必要性のいい機会になった。
各施設の利用率を見てびっくりした(低かった)。集会所の管理もみんなでやっていくことが大事。この提案を公民館や集会所に置いてほしい。児童館の利用率が悪いといっても、学童で使うなどしている。児童委員やそれを支える周りの人の意見を聞くこと、関わりを持つことが大切になってくるのではないか。利用者が少なくても、どういう目的をもって利用しているのかを十分把握したうえで考えたい。こうした住民協議会を地域でやってほしい。
住民協議会の最後には、協議会の委員は「第5回意見提出シート」に①の住民協議会からの6つの提案(案)や、②コミュニティ施設の見直し基準について、追加・修正意見を記入しました。
今後は、これまでの協議の内容を踏まえ「海南市住民協議会からの6つの提案」と「コミュニティ施設の見直し基準」を完成させます。
「海南市サポーター証」交付式
閉会式の中で海南市は、住民協議会に参加した委員に、行政との関わりを引き続き持ち続けてもらうため、「海南市サポーター証」を交付することを発表しました。
今回は、協議会委員を代表して高校生2名に「海南市サポーター証」の交付が行われました。その他の協議会委員の皆さんには後日、サポーター証が郵送される予定です。
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