全国で唯一県庁所在地に原発がある松江市で、住民が主催して、原発をテーマに「自分ごと化会議」を行いました。タブー視されてきたテーマにも関わらず、無作為に選ばれた26人による議論は活発で深く、4か月にわたる会議は大成功!
全国紙でも度々紹介されました。
成功のカギは、「原発推進、脱原発のどちらかが正しい」ではなく「私はどのような生活、社会を望むのか」という市民にしかできない議論が心置きなくできたことです。
原発について何か決めるには、まず、自分の生活、町をどうしたいということを考えないと何も始まらないのです。
世界的に危機だといわれる民主主義の、これが原点ではないでしょうか。
大家族の会議の様だった。家族のように親しく、いろいろな力強い考えを聞けて良かった。
参加者・傍聴者の声
このような場が現実に可能だとは思わなかった。民主主義の可能性を感じた。
参加者・傍聴者の声
この実験を松江から日本中にどうやって広げるのか、そのアイディアと運動を考えなくてはならないと思った。
参加者・傍聴者の声
議論のポイント!!
- 原発は他人事ではなく「自分ごと」。そして「自分ごと」にする人が多ければ多いほど、大勢の人が納得する解決策を見えてくる。
- 原発のメリット、デメリットは大事だが、そこにとどまらず、どんな暮らしを自分たち(子や孫の世代を含め)はしたいのか、松江をどんなまちにしたいか、まで思いを巡らすことが必要。
- そのためにも原発の経済効果、廃棄物処理や将来の廃炉コスト、事故対応、代替エネルギーの可能性、それらの背景にある国のエネルギー政策などについて、常に行政も、企業も、情報を市民に積極的に提供し、説明してほしい。そこに、行政や企業と市民の間の「信頼が」が生まれる。
自分ごと化会議in松江に関わる記事やブログ等のご紹介
原発問題の解決の前提は原発を「自分ごと化」すること~「自分ごと化会議in松江」
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会議がなぜ開催できたのか。
会議の様子、終わった後の取組みなどブログで報告をしています。
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これまでの開催日程と活動報告
第1回:11月11日(日)13:30~17:00@島根大学
第2回:12月9日(日)13:30~16:30@松江市民活動センター
第3回:1月13日(日)13:30~16:30@松江市民活動センター
第4回:2月24日(日) 13:30~16:30@松江市民活動センター
●参加者
会議参加者
- 松江市民21名*、島根大学学生5名(
- * 選挙人名簿から無作為に選んだ市民2,176名に案内を送付し、応募のあった市民。)
コーディネーター(進行、議論の整理役)
- 伊藤伸(構想日本 総括ディレクター)
第1回、第2回アドバイザー
- 長谷川 千晃 氏(中国電力株式会社執行役員 電源事業本部島根原子力本部副本部長)
- 土光 均 氏(さよなら島根原発ネットワーク 共同代表)
- 石原 孝子 氏(松江エネルギー研究会 代表)
- 手塚 智子 氏(市民エネルギーとっとり 代表)
第3回アドバイザー
- 木村 謙仁 氏(日本エネルギー経済研究所 戦略研究ユニット 原子力グループ)
【主 催】自分ごと化会議in松江実行委員会
〈実行委員会の構成団体〉島根大学法文学部行政学研究室/住民目線で政治を変える会・山陰/市民自治を考える会・まつえ/政策シンクタンク構想日本
自分ごと化会議とは
多くの人にとって政治・行政は「他人事」になっています。これが続くと不正や税金の無駄遣いが増え、政治家や公務員の質も低下します。
こんな状態を何とかしたい!と始めたのが「自分ごと化会議です」無作為に選ばれた市民が、まちの課題を議論します。事業仕分けに始まり、防災や子育て、ごみ問題など住民にかかわりの深いテーマについて議論してきました。
行政や議会はもちろん、松江で行ったように市民の有志でも行うことが可能です。
無作為に選ばれることで、普段から政治や行政に関心が高いわけではない「ふつうの人」が参加、真面目に楽しく議論することで(ここが重要!)、まちの課題が「自分ごと」になっていくのです。
※本投稿内容は、構想日本が発刊する機関紙「J.I.News(vol.54)」の内容を一部修正を加え掲載しています。http://kosonippon.org/wp-manager/jinews/index.php