第236回の構想日本J.Iフォーラム。
伊藤による、出来立てほやほやの実況ツイートです。
いつもながら、一言一句ではなく雰囲気を味わってください。
18時半から236回目のJIフォーラム。「トランプ、ルペン、そして日本。だからラオス」。ゲストは田中陽子さん(暮らしのクラフトゆずりは店主)、前川佐知さん(ラオス織物研究家)、森卓さん(ジャパンーラオス・クリエイティブ・パートナーズ代表)、吉田香世子さん(元留学生/ラオス在住者)
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
加藤「今日のフォーラムのテーマがなぜラオスか。ラオスはしがらみや面倒くささはあるが笑顔がある。そのくらい家族や親類のきずなが強い。これは日本のくらしにも共通しているのではないか。ラオスの生活を感じることで日本の暮らし方についても考え直したい」 pic.twitter.com/GuEHl1SQbm
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
まずは田中陽子さん。「以前、旅館業とクラフト店を営んでいた時に中耳結核(耳に大きな雑音)に罹った。周囲の期待と言うプレッシャーもあり、その後精神的にも不安定になった。その時に1枚のラオスのチラシを見つけた。自分で何かハードルを越えなければならないと思い、ラオスに行くことにした。
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
田中さん「ラオスに行って一般の人の家に泊めてもらった。あらゆることがタイムスリップしたような感覚になった。自分をもてなしてくれるためのご馳走は飼っているニワトリを殺して料理する。火を点けるのも当たり前のことではなかった。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
田中さん「寝る場所は動物も鳥も一緒に寝るようなところだった。でも、これまでで一番熟睡できたように感じた。そのくらい居心地がよかった。朝は女性は農作業にでる。おばあさんは子どもを面倒見ることが役割になっていた。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
田中さん「ラオスに住む人たちは貧しいし不便だけれど、すべてを受け入れ、不満を持っていなかった。淡々と生きていて笑顔だった。そのことが衝撃だった。自身を受け入れることを教えてくれた。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
田中さん「村人のくらしは、かつて東北の手仕事について両親に教えてもらったことが現実のものとしてそのまま動き回っているようだった。私はラオスに生かされたので、その恩返しとしてラオスの綿や帯を作ってもらっている」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
続いて森卓さん。「ラオスに移住して日本語情報誌などを創刊。日本ラオス合作の映画『ラオス 竜の軌跡』の製作をし、完成した昨年4月に帰国。ラオスの生活からいきなり東京に戻ってきたのでカルチャーショックが大きかった」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
森さん「ラオスは現在、西洋の人たちから大人気。行きたい国の上位。日本でもラオス展を行うとかなり多くの人が参加してくれる。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
森さん「ラオスとの出会い。バックパックの海外一人旅に興味があり、1年くらい行こうとまず中国へ。その後タイに移動しようと思ったが国境に近い雲南省でタイとは陸続きではなくラオスを挟むことを知った。それまでは舗装されていた道が、国境を境にラオスに入ると赤土に変わる。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
森さん「ラオスの田舎町に宿泊した時、近くでみんなでお酒を飲んでいて初めて泊まる日に誘ってもらったり、そこで知り合った人に移動するときに案内をしてもらったりとても親切に接してくれた。その後も他の国を回る予定だったが旅を繰り返すしても同じことかも知れないのでラオスに住むことに決めた」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
森さん「ラオスでは旅行代理店で働くことにしたが接するのは日本人ばかりで、これでは何のためにラオスに住んだのかわからないと思い辞めてしまった。その後は国内を回っていたが、ラオスの人たちは何かしらのサポートをしてくれる。どうにかなるという雰囲気がある。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
つづいて前川佐知さん。「中国が好きだったのでタイから中国に移動しようとしたときにラオスを知る。そこでラオスの染織を見て感動した。織物は縦糸と横糸を織るがその単純なはずの織り方が人によって全く違う。そしてラオスに滞在するようになった。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
前川さん「ラオスにいて布を作ることも人間の生活の知恵だということが分かった。同じ家でも、売るためのものと家族のためのもので違う。家族のための方が時間をかけている。日本からするともっと効率的にできるんじゃないかと思うくらいに手間暇かけて織っていた。そこにとても惹きつけられた」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
前川さん「ある村ではカバンと布団と白布しか織っていない。日本で機織りをしている人からするとこれで織れるのかと思うようなものを使っている。ラオスでは織物が生活に根付いている。死んだときにはたくさんの布を配る。死んだ時に恥をかかないようにするため。死を終着点として布を織りためている」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
前川さん「ラオスの田舎も日本の田舎も変わらないように感じた。日本もラオスも田舎であっても恋愛に悩み生活に悩む。それは日本もラオスも、田舎も都会も変わらないと思った。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
続いて吉田香世子さん。「いまラオスのビエンチャンに住んでいて年に1回帰国するが実家が岩手なので東京はほとんど来ない。これだけ多くの人が歩いているのに知り合いが誰もいないことにビエンチャンとの違いを実感した」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「ラオスと言うと途上国という印象を持っている人も多いがそれは一面でしかなく、豊かな側面を持っている。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「ラオスの農村に住む人たちは農業の他、染織、野草の採取、小動物の狩猟・捕獲、竹・藤細工などをする。自分たちの食料とともに、物々交換をするための物資として扱われる。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「『共に働き、ともに食べる』という考えがある。みんなで農作業をしたあとにみんなでご飯を食べる風習がある。働く楽しさと喜びもある。仕事は誰のための者でもなく自分のためと考えられているからこそ、働くことに喜びを感じられるのではないか。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「相互扶助の実践も見られる。世帯間の力の貸し合いや村ぐるみの助け合いがある。この風習や知識、技術は上の世代から下の世代へと伝承される。村で言う「おとな」とは、一人前の能力を備え周りの人々を助け、周りの人々に助けられる人だと感じた」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「村落社会も変容している。1990年代は若年層の流動性の拡大、避妊の普及による少子化の進行。2000年代は労働移動の活発化、産品の販路拡大、ツーリズムの影響の拡大。2010年代はテレビや携帯の普及に伴って地元への回帰も進んでいる」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「現在結婚出産を経てラオスに居住している。子ども2人と親戚の6人で住んでいる。基本的な衣食住は家族が一緒。行事があるときにはほかの家の人たちも手伝ってくれる。家事と子育ての考え方が日本と違い、他の家族も主体的に子育てに関わってくれる。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「同じ村出身の人が前触れもなく訪れ、何の悪気もなく寝場所を期待される。相互扶助の考え方が根底に流れている。首都は基本的なインフラが整っていて給与水準も高い。その代り交通渋滞やごみ問題、都市型犯罪、高い生活コスト、所得の格差、拝金主義という窮屈な面も生じている。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「ラオス人の一般的気質は、家族や隣人を大切にする、気前が良い、焦らず怒りを面に出さない、争いやもめごとが嫌い、『足るを知る』。ラオスの言葉で「サバ―イ(心地良い、快適)「ポーペンニャン(大丈夫)」がある」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「ラオス人はしがらみに生きている。狭く濃密な人間関係がある。相互干渉に煩わしさや見栄などがあるのではないかとも感じるが、それは居心地の良さや安心感をもたらし、その方が勝っているように思う」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「人生は楽しむもの、幸せは誰かとわかち合うもの、物事をありのままに受け入れるもの。ある意味では現世主義(いまを生きる)、自利・利他の精神、ある種の達観・諦観があるのではないか。他方で自分自身に対しては高い自己肯定感がある。ありのままの自分が好きと言う人が多いように感じる。
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「今の日本が抱える課題として長時間労働や所得格差、いじめなどが言われているが、共通する背景として、過度の個人化と孤立化があるのではないか。自由になることは利にかなっているのかもしれないがその分自己責任の感情が強くなっているように思う。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
吉田さん「ラオスから学ぶことは、①自分を肯定すること、②縁を大切にすること(地縁血縁だけでなく出会った縁を大切にすること)、➂誰かを頼りにすること(日本人は誰かに頼ることが苦手ではないか)。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
会場の質問「日本はしがらみが強すぎて一度出てしまうと戻れなくなってしまう。ラオスにはないのか?」
吉田さん「しがらみは面倒臭いとは思うがそのしがらみから逃れてもまた別なしがらみの中で生きていかなければならない。日本は自由になって戻ることはできないがそのことを考え直す時期では。」— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日
田中さん「ラオスにある地方は自分の住んでいた青森にもある。何かをする時に自分の事だけでなく家族や周囲のことを当たり前のように考えるところはラオスとの共通点でもあると思う。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2017年6月20日