第225回J.I.フォーラム「若者の政治参加を考える ー 政治を「自分事」にするために必要なこと ー」を開催。参加者は約70名でしたが、うちのフォーラムではとても珍しく(!)若い人に多く参加いただきました。
ディレクター伊藤のツイッターによるメモです。言葉そのものよりも雰囲気を味わってください。
【ゲスト】
青木 大和 (政治活動家)
後藤 寛勝 (NPO法人 僕らの一歩が日本を変える。代表理事)
杉浦 正和 (芝浦工大付属柏高校 教頭)
関谷 昇 (千葉大学 法政経学部 教授)
原田 謙介 (NPO法人YouthCreate 代表理事)
水野 翔太 (名古屋わかもの会議 総合統括)
コーディネーター 加藤 秀樹(構想日本代表)
以下は、ディレクター伊藤がメモ代わりにツイートした内容です。
今日のフォーラムのゲストの皆さんと事前打合せ中。いつもと違って若いです(笑) pic.twitter.com/quPLWvrkZb
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
まずは杉浦先生「現在文科省が主権者教育について新たな教育指導要領を策定中。民主主義を考えるには論争が必要だが、現在の検討は『多角的多面的な考察』の文言になりそう。これは論争とは少し異なる。合意形成を図るためではなく、意見の違いを知ることも重要」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
次に後藤さん。「『僕らの一歩が日本を変える。』では現在、『票育』(投票に行くための教育プログラム)を進めている。今回の選挙権年齢の引き下げで終わらせてはいけない。18,19歳(240万人)は全体の2%程度。その先に何があるかを今から考えておくべき。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
次に水野翔太さん。「イベントで終わるのではなく知事や市長、企業人などを呼んで若者の意見を聞いてもらい提案もしていく。自分はexpoというイベントに参加したことで社会に関心を持った。現在の名古屋わかもの会議の活動を通して関心を持ってもらいたいと思って続けている。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
水野さん「これまでは地域や防災などをテーマに議論してきたが、まだまだ敷居が高いと感じられているので、最近は例えばJリーグでは名古屋グランパスと一緒にスポーツの視点での議論などをしている。地域を考える→社会や政治につながる→持続可能な社会の担い手の育成の実現が目標」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
次に青木大和さん。「高校生の時から政治とつながる活動をしてきた。今は海外に行きながら大学で政治学を学んでいる。日本の若者は政治への関心が低いと言われているが海外に行ってみて少し違う印象。台湾や香港では政治のイベントに積極的に参加しているがその後の懇親会では政策の話は皆無。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
青木さん「台湾や香港の若者は政策への関心よりも政局への関心が高いと感じた。日本の若者は熱狂的な盛り上がりはないけれど、政策に関心を持って活動している人も多い。デモ活動はメディアが画として取りやすいがまちづくりは地味だから伝えきれていないだけではないかと感じる」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
次に原田謙介さん。「政治への参加の敷居を下げる環境作りを目指して取り組んできた。今は学校現場での実践も増えてきた。キーワードは担い手と場作り。学校現場で場作りは進んでいるが誰がやるかは悩ましい。自分のようなNPOの人間が行っても少しの時間。先生が教えなければならないと思う。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
原田さん「学校以外にも家庭という担い手もある。また学校以外にもスポーツや地域の中でも場はある。話が聞けて良かったではなく政治は参加すべきもの。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
最後は関谷昇先生「デモクラシーをめぐる危うさがある。参加と動員は表裏一体。若者や女性の参加が何かの結論を出すための脚色にされてしまう危険性がある。またポピュリズム手法の危うさもある。社会的ムードが少数者(弱者)の社会的排除に結びつく危険。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
関谷先生「市民=消費者と捉えられ民主主義のプロセスを軽視して成果だけ残せばよいという風潮。効率性に合わないものは切り捨てられる傾向。それらの原点は『直接性』。今日参加している若者は当事者として関わっている。デモクラシーは間接性が前提になっているが代表者とは常に距離がある。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
関谷先生「その距離を埋める手段は当事者(現場)への接近。年配者が『若者が変わらなければいけない』と言うこともあるが変わらなければならないのは社会であったりする。年配者が当事者である若者の声を聞く(接近)。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
関谷先生「与えられた制度や言葉の枠組みで考えなければならいと直感するから政治への関わり方がわからないと感じる。自分の言葉で自分の解釈で考えるだけでも政治への敷居は下がってくる。議論とは討論。討論は必ずしも合意とは限らない。しかしそのプロセスを経ることが大事。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
関谷先生「従来の発想は国家主導。これを変える発想が地方分権(現場に近いところで意思決定を行う)。個人や家族などより小さな単位でできることは行う。個人や家族でできないことを地域など上の単位で補完することが補完性原理。今日参加の若い人が行っている活動も自分の身の回りから行っている」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
杉浦先生「子どもの権利条約で子どもの意見表明権が認められている。これは意見を聞くことではなく、子どもに影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保しなければならないという意味。果たして子どもの意見を聞いたうえで政策を作ってきているか。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
後藤さん「高校の授業で枠組みや知識の話はたくさんあったがどう考えているか? を聞かれることはほとんどなかった。例えばプールの予算が必要かどうか、何に使う方が良いかを考える方が取っ掛かりやすい。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
後藤さん「政治という大きな世界から自分事にしようとすると刺さるまでの距離が長すぎるが自分の身近な生活が政治につながることで自分事になる方が刺さりやすい。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
原田さん「間違ってはいけないのは、『政治は生活に結び付く』のではなくて『生活が政治』だということ。政治から出発してはいけない。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
加藤「イギリスの国民投票の際、離脱派は移民による弊害などミクロな話が多かったが残留派は仕組みなど大きい話が多かった。大きな話はなかなか理解されにくい。ただし、トランプやサンダースもミクロのわかりやすい話で関心を持ってもらうことに成功したがそれはポピュリズムの危険をはらんでいる。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
青木さん「スポーツや音楽やファッションはふわっとしたところから入れるから自分たちの世代でも話が進みやすいが、政治になると急に当たりがきつくなる。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
関谷先生「参加と聞くとハードルが高いと捉えられがちだが本来は日常のこと。子ども議会は形骸化が増えている。民主主義のアリバイつくりになりかねない。本当の意思決定プロセスに組み込むべき。成功体験を積み重ねることが参加を実感に変える。これまで成功体験を積む政治教育をしてこなかった」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
青木「若者と高齢者について、メディアは対立軸を作ろうとするがそうでもないと思う。自分が入院していたときほとんどが高齢者だったが、数日すればとても仲良くなった。コミュニケーションをとる環境さえあれば対立はないと感じる。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
青木「若者と高齢者について、メディアは対立軸を作ろうとするがそうでもないと思う。自分が入院していたときほとんどが高齢者だったが、数日すればとても仲良くなった。コミュニケーションをとる環境さえあれば対立はないと感じる。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
原田さん「コミュニケーションだけでは政治は進まないところもあるので、高齢者を優先するのか若者するのかの場面が来るかもしれない。最後は政治の判断だと思う。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
杉浦先生「同調圧力がかかっている現状をいかに脱却するかを考えることが重要。合意形成を念頭に置くことよりも、自分の考えを伝えること、それが『論争』。同調圧力が強い教育世界の中でどれだけ権利を主張できるか、自由なことを伝えられるか。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
後藤さん「政治のことを考えている人間だけじゃない、多くの人がそれぞれの立場で語れる社会になればよいと思う」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
水野さん「大学の4年間で終わってしまっては趣味に感じられてしまうし自分のような活動は継続しなければならないと思っている。名古屋に就職してこの活動を継続して名古屋わかもの会議を法人化したい」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
原田さん「担い手と場作りはこの2年間で格段に変わった。参院選以降は、子育てと政治を結びつける活動を本格化したい。親としてどう政治にかかわるのかを一緒に考えていきたい」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
杉浦先生「30年前から高校の授業にディベートを導入してきた。肯定側と反対側の両方を考えることで多角的な視点が見えてくる。高校1年生なりに考え、楽しみ、面白がっていると思う。それが広がることが政治参加の基盤になるのではないか」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
関谷先生「すべてを政治に結び付けることは健全とは言えないと考える。政治・行政以外の領域を広げることが社会認識の共通性につながる。空気を超えることで他者を知ることが大事。縦から横のつながりに変える。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
関谷先生「『こういう若者であるべき』というあるべき理想像を掲げない方が良いと考える。デモ活動も以前とは大きく異なっている。新しいコミュニケーション感覚が既に起きていることを認識する必要がある。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日
青木さん「1億2000万人いれば1億200万通りあるように『違い』を認め合えることが大切だと感じた。」
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2016年6月27日