自治体職員向け連続セミナー「現場みらい塾」第3期が本日からスタートしました。
この塾の目的は、地域のリーダーとなる人材を育成することです。知識の吸収や答えが何かを学ぶことよりも、自らの頭で考えるプロセスを重視しています。
これまでの参加者の特徴は、自治体職員向けでありながらも地方議員や民間の方も参加したり、基礎自治体だけではなく都道府県の職員も参加するなど、様々な立場の人がこの場においてはまったく同じ受講者として学び合う点にあります。
スタートの本日は、開講式の前にいきなり「ワールドカフェ」から。
この塾の趣旨などを話す前に、いきなりみんなで考えてもらうという試み。その間は、名刺交換などもせずどのような人なのかは話し合いの中から知っていくようにしています。
テーマは「地域」。ワールドカフェは何かの答えを出すような「集約型」ではなく自分の考えを引き出す「発散型」の場なので、抽象的なテーマで話し合いをするようにしています。
次に、代表の加藤による講義「他人事から自分事へ」。
思考力を高まるためのものです。以下は、ディレクターの伊藤による実況ツイートです。
加藤「発展、進歩、活性化。良い方向に行くことをイメージするが実は言葉だけが独り歩きして「発展」とは何を意味するのかを考えていないことが多い。ワンフレーズで中身があるように見せる手法は危険でもある」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「国民(住民)が議員・議会(政党)に対して選挙を通して授権している仕組みが議院内閣制、代議員制。例えば、健康、高齢化、安全・安心、貧困、経済などのコンテンツ(政策内容)を選挙を通して国民・住民が授権している」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「一方、授権された側(議会・議員)は仕組み(制度)として考える。例えば「医療」という一般的に使われている名詞でも、授権する側の生活面での「医療」と、授権された側の制度としての「医療」は意味が変わることがありうる」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「例えば、健康の不安があって病院に行く。ただし検査や薬だけが治す手段になるとは限らない。例えば体の不安よりも疎外感や孤独感からくるものであれば、10分ゆっくりと話をする方が治ることにつながるかもしれない。ただし、今の医療制度ではそのことが実現しにくい」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「日本は個別政策に関しての収縮より拡大圧力の方が大きい。ゆえに財政に関する危機感がない。そのことは他人事につながっている。個別は別として相対的には戦後70年感は幸せだったからではないか。うまく回っていると任せっぱなしになる。それが他人事。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「⇒任せっぱなしにすると任された側(政治・行政)が自分の都合で回していく ⇒ 既得権、ポピュリズム的要素が強くなり政治、財政が肥大化する。つまり変えること(優先順位を変更すること)は付け加えるだけでなく減らすことにもなるが、それが機能しなくなる」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「同時に、社会の変化(事情の変更、状況の変化)についていけず政策、制度の陳腐化が進む。国民・住民は授権している「代金」として税金を支払っているが、授権されている側が機能しなくなることは、結局ツケが住民・国民にかえってくる」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「世の中には公的なこと(パブリック)と私的なこと(プライベート、パーソナルに分かれる。行政職員や議員の中に「私たち公は」という人がいるが大きな間違い。公(パブリック)はすべて行政がやると思っている。」 #kosonippon pic.twitter.com/KskI9B0PYH
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「この考えは行政だけじゃなくほとんどの国民が思っている。「公的なこと」は行政だけが行うのではない。昔は違った。例えば消防は江戸時代は「火消」と言って町人が行っていた。目明し(警察)も寺子屋(教育)も民が担っていた。明治以降それら行政が行うようになった」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「このようなことを民法学者の星野英一は「公益国家独占」と呼んだ。構想日本ではその状況を「公益国民分担」に変えていくことが重要と考えている。現在の構想日本の活動の基本的な考えでもある」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「授権した側(国民・住民)の課題は授権したという意識の欠如。最終的には自分の利害という感覚が欠如している(市町村よりも遠い国の方がより他人事に)。また要求者意識が強くなりすぎている。つまり責任者意識が欠如しているのではないか。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「大雑把に言うと、フランスは自分の利己的欲求と社会的欲求が密接につながっている。自分のバカンスを予定通りとるためには政治や社会が安定していなければいけない。だから政治や社会を自分事としてとらえている。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「授権する側と授権された側をつなぐ役割であるマスメディアにも問題がある。情報の伝達、分析、解説、対応いずれも欠けている。形式的瑕疵ばかりが大きく取り上げることで、形式的整合性の強化、社会の形式化が進む。結果的につなぐ役割になっていない。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「構想日本では自分事を進めるための具体的な対応策として、事業仕分けや住民協議会、無作為抽出による市民判定人制度などを行っている。詳細は明日以降のカリキュラムの中で話をするが、事業仕分けは個々の事業の結果よりもそこに至るプロセスが重要。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「国の仕分けも同様。事業仕分けで活用する「事業シート」を国でもすべての事業について作成し(名前はレビューシート)公表したことは画期的(民主党政権で行われた事業仕分けの要素は現政権でも行政事業レビューとして継続実施)。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「事業仕分けや行政事業レビューの伝え方においても繋ぐ役割たるメディアの問題がある。報道の中でよく「法的拘束力(強制力)がない」という。すべての活動が拘束力のみで行われるならすべてがうまくいっていることになる。それができないからこのような作業がある」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
加藤「メディアの役割は拘束力が合いからダメというのではなく実質的な拘束力が出るよう伝えていくことではないか。形式的瑕疵ではなく実質的に何は重要かを考えるべき。このこと自体が他人事と言えるのではないか」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 11月 22
現場みらい塾は明日も10時から行います。次回以降の単発参加も受け付けていますので、ご関心があればご連絡ください。
第2回:12月12日(土) 10:00-18:00
講義:「ディベートで培う論理的思考」 熊谷 哲〔PHP総研主席研究員〕
実践:ディベート「学校給食の実施は、自校方式か、それともセンター方式か」
講義:「事業シートで自分の仕事を見直す」 伊藤 伸 〔構想日本 総括ディレクター〕
第3回:2016年1月16日(土) 10:00-18:00
セッション:「大学の知力」と「企業の技力」を結びつける(仮)
高橋 菜里 〔NPO法人プロジェクト88 理事長〕、定野 司 〔足立区教育委員会教育長〕
講義:「事業仕分けの本質と活用法」 伊藤 伸 〔構想日本総括ディレクター〕
実践:模擬事業仕分け1/手法を学ぶ モデレーター:伊藤 伸 〔構想日本 総括ディレクター〕
第4回:2016年2月 6日(土)13:00-18:30、7日(日) 10:00-16:00
講義:「コミュニティデザインでまちを元気に(仮)」 山崎 亮 〔株式会社studio-L代表〕
実践:模擬事業仕分け2/チームで体験する モデレーター:伊藤 伸 〔構想日本 総括ディレクター〕
実践:事業シート・プレゼンテーション/発表から体得する
モデレーター:熊谷 哲 〔PHP総研 主席研究員〕、伊藤 伸 〔構想日本 総括ディレクター〕
講義:「地域経済の活性化に向けて」 小林 利典 〔株式会社商工組合中央金庫 執行役員〕
実践:締めくくり総括ディスカッション 小林、熊谷、伊藤
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