今日は第215回のJIフォーラム。
タイトルは「で、どうする-新国立競技場」。
この問題は一体何なのかを再度整理し、そのうえで今後のあり方を議論しました。約150名の来場者。大入り満員です。
ディレクターの伊藤による実況ツイートです。いつもながら一言一句ではなく雰囲気で感じ取っていただきたく思います(リアルタイムで打っているので誤字脱字もあります)。
これから215回目の構想日本JIフォーラム。タイトルは「で、どうするー新国立競技場」。白紙撤回はゴールではなくスタート。もう一度今回の問題を再整理し、新国立競技場の今後のあり方を議論していきます。 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
ゲストは以下の方々(敬称略)。鈴木知幸(元2016年東京五輪招致推進担当課長)、松原隆一郎(社会経済学者)、森まゆみ(作家、神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会共同代表)、森山高至(建築エコノミスト)、山嵜一也(建築家、ロンドン五輪馬術会場設計監理者) #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
まずは加藤から新国立競技場問題の経緯と概要の説明。「この問題は『神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会』が2年前から指摘を続けてきた。当時から問題の本質は全く変わっていない。手わたす会の地道なご努力が素晴らしい。当時メディアは何も報道してこなかった」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
加藤「もともと神宮外苑の地域は20mの高さ制限があった(一部は風致地区指定のため15m)。撤回されたザハ案の高さは70m。ザハ案に決まってから高さ制限が撤廃されている。今も変更されたまま。つまり現時点において高層の開発が可能になっている」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
加藤「独法の日本スポーツ振興センター(JSC)の本部と日本青年館も国立競技場建替えの敷地内にあり移転が決まっていた。白紙撤回が決まった後も移転作業は進んでいる。JSCは新国立競技場の施主。白紙撤回後もJSCが主体になる予定になっている」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
続いて鈴木知幸氏。「新国立競技場整備計画の再検討にあたっての基本的な考え方。1.オリンピック中だけではなくオリンピック後も感動を与えられるスポーツ施設として考えることを優先させるべき。2.屋根は芝生上の日商、通風に配慮して屋根の高さを抑えるべき」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
鈴木氏「4.すでに結論ありきの報道が多い。国民の声を聞くといいながら単なるアリバイ作りに見える。巣関係者の中には、以前と言っていることが変わっている人間も多い。5.周辺地域の環境については、外苑地区の将来的あり方を明らかにしたうえで検討すべき」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
鈴木氏「6.大会後の利活用と維持管理を前提にした施設整備。そのためには適切な時期のプレ大会の実施が必要。7.これまでの進め方に失態をしてきたJSCにまた整備改革を続けさせることに疑念。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
続いて松原隆一郎氏。「費用がかかることそのものが悪ではない。それだけの価値があればよい。基本的な視点として、どれだけの利益があるか、利益は国民に共有されているか、他の案件における純利益との比較、計画についての責任は誰がとるのか、の4点が重要。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
松原氏「1964年の東京五輪は戦後日本が国際社会に復帰することを知らしめるという国家的意義があった。その点で予算の大幅な超過や都市計画上無理があった首都高速建設を帳消しになった。また国民に自信を与えるなど共同の利益を生み出した。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
松原氏「2020五輪はマイナー協議への見返りはないに等しい。公共事業でありながら主体が国交省ではな文科省。文科省は公共事業という認識がなかった。また費用便益分析を知らなかった。しっかり分析していれば費用対便益がマイナスなのは明らか。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
続いて森まゆみ氏。「国立競技場の歴史性の観点で保存の運動を続けてきた。国立競技場は1943年の学徒出陣の挙行した地。当時学徒は25000人、うち3000人が戦死。その歴史ある競技場の存在を思い出さなければならない」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
森氏「初代の競技場と2代目の競技場(この間解体した競技場)は形がほぼ同じ。だから国民の記憶の継承があった。今回の案では記憶の継承が不可能。学徒出陣の地で東京五輪が行われることに嬉しさと恐ろしさがある。だからこそ平和を求めることが出来ると言われてきた。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
森氏「歴史を踏まえた新国立競技場にすることを今年6月に提言した。今でも元の国立競技場を解体すべきではなかった。河野太郎議員はゼロエミッション(横浜スタジアムか味の素スタジアムの改修)を主張。どうしても神宮外苑に作るなら過去の経緯を踏まえたものにすべき」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
森氏「政府は国民の声を聞くと言っているが、アリバイ作りにしかなっていないのではないか。ずっと活動をしてきた私たちのところには誰も話を聞きに来ない。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
続いて森山高至氏。「政府は整備計画再検討案の中で設計・施工一体化の方針を立てているが建築士会・建築協会は声を上げていない。従来、両団体は建築の独立を訴えてきた。槇先生が今回、推進側ではなく批判の側に回らざるを得なかったことが不幸だった。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
森山氏「新たな競技場計画は、色々な利害関係者の声を聞いてから計画を作っても何もできないし結局多くのものを作らなければならなくなる。まずは最低限のものを定めて早く計画策定に動き始めることが重要。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
続いて山嵜一也氏。「自分が担当したロンドン五輪のグリニッジパーク馬術会場。4か月で完成。仮設施設だったため早くできた。鉄パイプに布を貼っただけとも言える簡素なつくり。ロンドン五輪での馬術競技は大変人気があった。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
山嵜氏「グリニッジ会場を建設しての3つの見立て。1つ目は「祭やぐら」。仮設競技場施設、単管パイプと布による建築、短期間工期。2つ目は「都市を借景」馬が走る先に景色が広がる設計にした。招致の段階で街を競技場とした五輪を考えていたのではないかと思った」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
山嵜氏「当時のポスターには観覧車を高跳びで超えたり塔を飛び越えるなどのデザインがあった。3つ目は「見得を切る」。競技場を独立したものとして考えるのではなくイベントスペースの一つとしての競技場と考えていた。『一歩引いた建築感』という価値観」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
山嵜氏「できないではなく、やらない。『簡素』とは何か。リハーサルが始まる前の競技場を見た時は『簡素で貧相』とすら感じたが、リハーサルが始まった時は貧相とは無縁のパフォーマンス。お金をかけなくても立派なスタジアムに見せられる。『簡素だが洗練』がロンドン五輪」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
山嵜氏「日本には質素、余白の文化があると言われる。簡素で貧相にならないようにする必要。ちなみに、ロンドン五輪のメインスタジアムの建設費用は600億円。五輪後の活用はサッカーチームの本拠地に。3年かけて2015年6月に改修完了。改修後総額は1350億円。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
加藤「2020年のオリンピックにあたっては約40の競技場を使用予定。そのうち大体1/3が新設、1/3が既設、1/3が仮設。大部分は東京都の所有。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
森山氏「建築界の問題の一つは、評価が開かれていないこと。大衆化されていない。評価価値基準がとても狭くなっている。建築家は施主との関係のみで完結してしまう。イギリスなどは、建築家は日本より希少性が高い。」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20
自民党行革推進本部長として新国立競技場問題を指摘している河野太郎議員が出席。「行革本部長として新たな競技場はいらないのではないかと提案。総務会でも満場一致で承認されゼロオプションからの検討に。今後従来と同じ密室での粛々決定にならないようチェックしていく」 #kosonippon
— 伊藤伸 (@Ito53Shin) 2015, 8月 20