我々がどのような先生を望み、どのような協力をしたらよいかのヒントを得て、
具体的な企画が自由に生まれればと思います。
司会、まとめ担当:佐藤 将明
■問いかけと整理
これまでの人生でどのような素敵な先生との出逢がありましたでしょうか。よせていただいた話を、3つの類型に分けました。
1)先生でなければできない役割
名前 役割 ML番号
松崎さん 高校の世界史の先生 [0407]
本間さん 駆け出しの教師 [0427]
2)先生も地域の人もできる役割
名前 役割 ML番号
松崎さん 中学校の野球部の顧問 [0407]
松崎さん 予備校の英語の先生 [0407]
山本さん 塾の先生 [0411]
山谷さん 神社で歌わせてくれる先生 [0430]
高島さん 家庭科の先生 [0410]
高島さん 高校のときの国語の先生文芸部 [0410]
3)先生にはできず地域の人でなければできない役割
名前 役割 ML番号
ふじたさん 同じ高さで話してくれる上司 [0415]
佐藤 塾の先生 [0409]
■先生でなければできない役割
学びが面白いと思えるようにすることは、先生が最優先しなければならない役割です。自分の授業や自分自身に興味をひきつけるような、知識、技術、話術、説得力、経験談などが必要です。
望まれる先生像は、それぞれ違います。熱心で宿題も多い先生が合っている子もいれば合わない子もいるし、賛成の保護者もいれば「厳しすぎる」という保護者もいます。
公務員は、何々をしなければよいとなりがちななかで、公務の価値を認識することが要求されます。先生に独自の技術は、それぞれの要望に応えるものです。しかし、そこでみたされない個別のニーズは、先生以外が補えるよう、ナビゲートやコーディネートすることも先生に必要な技術です。これは、同時に10人から異なる要求をうけて、10人に納得するように応えた聖徳大使のような高度な技術です。
■先生も地域の人もできる役割
クラブ活動を先生以外に任せる動きがありますが、特定のニーズに応える役割は、先生以外でも担えます。自分の夢に向かってどうすれば一番きもちよく近づけるためのナビゲートやコーディネートは、先生から開かれ、地域も担えるものです。
川崎市の「子どもの権利条例」は、川崎市職員が発起人となり、市民との100回の会合から生まれました。初回は、市民から行政への批判も寄せられますが、回をかさせるごとに住民が自分のこととしてとらえ、作成・発表側となり、市民からの批判にも市民が応えるというようになっていくそうです。この手法を学校もできるはずです。
今回、素敵でない先生の話もしたいという声もありました。そういった話しをする機会も、協力をしあう上で必要です。先生はそれを恐れることはありません。抗議をふくめて情報をオープンにする環境を用意し、コミュニケーションを継続することにより、地域の人は先生に過度の依存をするのでなく、協力ができます。
本間さんのいうように、それぞれが自分にない資産を持っていることに敏感になることが、第一歩です。
■先生にはできず地域の人でなければできない役割
家庭の役割の不十分なところや、友達付き合い、恋愛相談などは、先生ではなく、少しだけ上の世代の地域の人が先輩となり、補う役割ができると考えます。
地域の担い手の一翼は、大学生・大学院生です。京大定食や本間さんが先生の相談にのる話からも、学生・院生ゆえに担える役割があることがわかります。若手の先生は、教わる側と教える側の両方見えやすく、両者をつなげる役割ができます。私自身は社会人5年目として、子どもとベテランとの間をつなげる役割も若手が担うことが重要だと考えます。
子どもにとって最も高さが近いのは子どもであり、上司的存在として、先輩がいます。
慶応幼稚舎の6年生の間ではやった遊びは、1年生をおんぶすることでした。6年生が1年生だった頃、お兄さんに思えた6年生に自分がなって、お兄さんとして1年生に接するわけです。
学ぶは、まねるに由来するといいますが、先輩や友達などまねる対象が多いことが重要です。また子どもは、自分よりも他人の失敗によく気がつき学んでいます。自然に比べ合い、競い合い、個性(主観)を戦わせることは、同じ高さの関係で自然とおこります。子ども社会のコミュニティソリューションに期待した環境づくりができるかもしれません。
3つの分類は、「子どもと同じ高さで会話してくれる姿勢」という観点で分けていることに気がつきました。先生には先生の立場があり、担えない部分は、任せることが必要です。
スウェーデンのヨーテボリの小学校では、3学年混合クラスがありますが、そういった環境づくりなどです。
■うさぎは長い耳を持って生きていく
尊敬できる先生は、連帯したい気持ちに弾みがつくものであり、皆さんの財産です。まとめに対して御意見や補足、誤りがございましたら追加させていただきます。まとめチームは、公募しましたがつくれませんでしたので、私のまとめです。意見を集約して編集し、また意見いただく中から、意見を世に出す今後の方向が見えてくると考えます。
小さくとも自分の担える役割に敏感になることを伝えていけるように、今後もテーマトークを続けていきますので、参会いただいた方、はじめまして、お久しぶりの方々も、御意見いただければうれしいです。フォローしていただいた皆さん、どうもありがとうございました。