〔目次〕
1.現在の教育システムで大丈夫?
2.今後の教育政策 - 検討すべきポイント
3.教育のあり方の見直しの方向性は?
4.これまでの地域教育を見直すことから始めよう
5.私たちが提案する地域の担い手等による学習支援ネットワーク作り
(1) 全体像
(2)「地域における教育の担い手」ネットワーク作りのための3つのステップ
・第1ステップ 既存の学校システムを活用した地域教育の推進
・第2ステップ 「地域の担い手」の育成とネットワーク化
・第3ステップ 「地域の担い手」のネットワークの接続
■1.現在の教育システムで大丈夫?
21世紀を目前にして、少子化・高齢化の中で、国際化、情報化、価値観の多様化が進む日本の社会のあらゆる場で、今、既存のシステムや制度が機能不全に陥っています。
教育システムも例外ではありません。いじめ、非行、落ちこぼれ、学級崩壊等、教育現場で起きている様々な社会問題は、これまでの教育システムが社会の変化に対応できず、子どもたちにとって、「なぜ学ぶのか」という動機づけが難しくなっていることを示しています。
今の教育を取り巻く問題点を図式化すると、
■2.今後の教育政策 - 検討すべきポイント
少なくとも、私たちは、「子どもが自ら課題意識を持ち、自らの力で考え、解決することに喜びや楽しみを見出せるような教育」を実現することが急務であると考えます。
このような教育を実現するためには、これまでのような「学校と教師だけによる教育」や「結果重視の教育」を変えていかなければなりません。
■3.教育のあり方の見直しの方向性は?
これまでのような「学校と教師だけによる教育」や「結果重視の教育」を変えていくためには、文部省や教育の専門家を中心に考えられた教育システムではなく、全く新しい発想による教育システムを作ることが必要です。
そのために、「地域の担い手等による学習支援ネットワーク作り」、「学校教育システムの改革」、「教師養成システムの改革」、「入試制度改革」など、多様な観点から大胆な改革を行うことを検討する必要があります。
今回提案するのは、これらの中の 「地域の担い手等による学習支援ネットワーク作り」です。
■4.これまでの地域教育を見直すことから始めよう
これまでの地域教育の問題点
(1)地域における教育の担い手の育成及びネットワーク化が不十分である。
「地域と連携した教育」の実践が、教師の個人的資質に依存する傾向が強い。
(2)地域が主体となった教育を支援するような予算措置がない。
■5.私たちが提案する地域の担い手等による学習支援ネットワーク作り
(1)全体像
「地域における教育の担い手」に関する情報をネットワーク化することによって、教育の担い手を育成し、一人一人の教師や教育の担い手の負担を重くせずに、子どもの年齢に応じた社会体験教育の実践、「多様な価値観や変化の速い周辺環境(国際化、情報化)に適応した教育の実践」、「学級・学年・学校というバリアーを越えた教育の実施」を実現することを目指しています。
「地域における教育の担い手」ネットワーク作りの環境整備のための取り組みとして、構想日本では、この「教育ポータルサイト」を作成しています。
多くの方々に参加していただき、よりよい「教育ポータルサイト」にすることが、さらに充実した「地域の担い手等による学習支援ネットワーク作り」を可能にすると思います。ぜひ、ふるって参加してください。
(2)「地域における教育の担い手」ネットワーク作りのための3つのステップ
・第1ステップ 既存の学校システムを活用した地域教育の推進
「総合的な学習の時間」などを利用して、学校Aで、さまざまな専門家や地域の人が生徒の学習のナビゲーターになります。
コーディネーターは、例えば、
・校長先生(事例「校長先生はベンチャーマン」、事例「ボランティアバンクに80人登録」)
・校医(事例「地域の人が押しかけ授業」)
・生涯学習課 社会教育主事(事例「鹿沼発 学社融合のススメ」)
・教師(地域教育指導主事)(事例「先生が地域と学校のコーディネーター」)
・第2ステップ 「地域の担い手」の育成とネットワーク化
1つの学校だけでなく、地域単位の学習支援ネットワークを作り、学校A、B、C、D…に、適切な人材を派遣します。
また、カリキュラムを作り、学校に講座を提案・提供します。(地域教育メニュー・コンセプト(例)参照)
地域学習支援ネットワークを「地域の人が押しかけ授業」のように、地域の担い手やNPOが行うことも可能ですし、「鹿沼発 学社融合のススメ」のように、生涯学習課 社会教育主事等が行う、という方法もあります。
・第3ステップ 「地域の担い手」のネットワークの接続
各地域の担い手ネットワークを接続し、情報の共有を行ない、地域教育ライブラリーを構築。地域教育情報の発信・提供などを行います。
地域学習支援ネットワークは、事例、議論をテーマにフォーラムを開催します。
また、地域社会が主体となった学習支援ネットワークを作る過程で制度的な制約を取り除き、地域社会が主体となった学習を進めるために、政策提言を行ったりします。