【No.1004】『議会だより』が変われば『議会』が変わる|埼玉県大里郡寄居町議会議長  峯岸 克明氏|
2021.04.08

【No.1004】読まれる議会だよりの作り方 寄稿文 『議会だより』が変われば『議会』が変わる

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構想日本メールマガジン【No.1004】 2021.4.8 発行

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<目次>

【1】今後の活動予定

(1)「(仮称)自治振興条例」策定のための自分ごと化会議開催(第2回)4月10日(土)京都府長岡京市

【2】ご紹介

(1) 日本再発見塾呼びかけ人黛まどか氏たちによる「京都×俳句プロジェクト」クラウドファンディング

(2) 公財)五井平和財団 2021年度 国際ユース作文コンテスト 募集

【3】巻末寄稿文

『議会だより』が変われば『議会』が変わる

埼玉県大里郡寄居町議会議長  峯岸 克明

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【1】今後の活動予定

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長岡京市では、市民と行政がお互いのニーズや課題を共有し、新しいまちづくりを考える「(仮称)自治振興条例」を策定します。

策定の方法は、自分ごと化会議(住民協議会)と条例検討委員会がリレー方式で検討を重ね、自分ごと化会議の提案書を基に条例化していく予定です。

「(仮称)自治振興条例」策定のための自分ごと化会議in長岡京(第2回)

【日 時】4月10日(土)

・10:00~12:30 ・第3分科会(高齢者)・第4分科会(こども・子育て)

・13:30~16:00 ・第1分科会(環境保全)・第2分科会(防災・防犯)

※4つのテーマをもとに分科会に別れて話し合います。

【テーマ】「環境保全」「防災・防犯」「高齢者」「こども・子育て」

【場 所】長岡京市立産業文化会館(京都府長岡京市開田3丁目10−16)

【内 容】第1回の振り返り。4つのテーマに関連する長岡京市担当課から、現状と課題を説明。市民参加者同士の議論。

【特 徴】

1「地域団体の役割と連携」が共通テーマ。無作為に選ばれた市民68名を中心に、地域活動で中心的な団体32名、行政9名の計109名が共に議論。
2 共通テーマのもと(1)環境保全、(2)防災・防犯、(3)高齢者、(4)こども・子育て の4つの切り口から、地域活動の現状や課題を協議し、提案書を作成。それを基に、条例検討委員会※が条例案を作成する。
3 自分ごと化会議では、日常生活で感じている課題を出し合い、課題解決のために「自分たちができること」、「地域ができること」、「行政で取組むこと」、その他「民間企業やNPOで取組むこと」をまとめる。

※条例検討委員会とは

地域活動で中心的な団体の市民委員9名と、外部委員2名で構成されます。自分ごと化会議が作成した「提案書」や議論の内容から、条例やそれ以外で対応することを整理し、条例案を作成する。

問合せ先:長岡京市市民協働部自治振興室市民参画協働担当(TEL:075-955-3164)

詳細はこちら → http://kosonippon.org/wp-manager/nagaokakyo_2021_01/
長岡京市HP →  http://www.city.nagaokakyo.lg.jp/0000010213.html

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【2】ご紹介  構想日本が応援している活動に関するお知らせです

はからずも2件ともテーマは 「いのち」 現在の世界の状況を表しているようです

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(1) 日本再発見塾呼びかけ人黛まどか氏たちによる「京都×俳句プロジェクト」スタート

俳句は花鳥諷詠、自然の詩です。
俳句を通して「いのち」の尊さを見つめ直し、世界中の俳句愛好家と「オンライン」を通じて出会い、共にこのコロナパンデミックを乗り越えていきたい。

そのような思いから、2021年5月30日(日)京都の嵐山祐斎亭から「世界オンライン句会」を開催いたします。そのためのクラウドファンディングを始めました。

是非ともご支援をお願いします。 こちらから → https://readyfor.jp/projects/sekaionlinekukai

京都から世界へ、世界から京都へ、「いのち」の響詠です。
「世界オンライン俳句サロン」を結成し、俳句の「型」に則った世界共通ルールをつくり、世界に点在する俳句コミュニティを繋いでいきたいと願っています。
そして、収束後にはリアル句会を開催し、地球を取り巻く問題についてなど語り合いながら、「いのち」の尊さを世界に訴える「HAIKU巡礼」を、さらなる大きな目標にしています。

京都×俳句プロジェクトに世界から応援メッセージが届いています。
ぜひご覧ください。こちら → https://youtu.be/ws53O9_RtbY

また、京都×俳句プロジェクト「世界オンライン句会」応援グループのFacebookもできました。一人でも多くの方の「いいね!」やシェアをお願いします。
こちら → https://m.facebook.com/groups/490432085305257

みなさま、是非このプロジェクトの応援・ご協力をよろしくお願い致します。
「京都×俳句プロジェクト」 ホームページ:https://kyoto.haiku819.jp/

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(2)公財)五井平和財団 2021年度 国際ユース作文コンテスト 募集

国際ユース作文コンテストは、平和の文化と持続可能な地球社会を築いていく上で、子どもや若者たちのエネルギーと創造性、自発性を生かすとともに、あらゆる世代の人々が彼らの発想から学び、より良い世界のために何ができるか、それぞれに考え、行動することを奨励する目的で毎年開催されています。

【テーマ】「いのちって何?」

あなたにとって、いのちとは何でしょうか。いのちについて考えるきっかけとなった体験はありますか。自分やあらゆる生命を大切にし、いきいきと生かすために、 あなたはどんなことができますか。

【応募資格】 ・子どもの部(小学生・中学生) ・若者の部(高校1年生から25歳まで)
【応募方法】 オンライン応募または郵送(下記応募宛先まで)※Eメールでは受け付けません
【締切】 2021年6月15日(火)必着
【応募規定】 詳細は こちらから → https://www.goipeace.or.jp/work/essay-contest/
【応募宛先/お問合せ】 公益財団法人 五井平和財団 「国際ユース作文コンテスト」係
〒102-0093 東京都千代田区平河町1-4-5 平和第1ビル essay@goipeace.or.jp TEL: 03-3265-2071

※本コンテストは、ユネスコの「持続可能な開発のための教育:SDGs達成に向けて(ESD for 2030)」を推進する事業です。

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【3】『議会だより』が変われば『議会』が変わる

埼玉県大里郡寄居町議会議長  峯岸 克明

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皆さんは「議会だより」を読んでいますか。

町の広報誌は読んでも、議会だよりは読まないという人が多いのではないでしょうか。

しかし、全国のほとんどの市町村議会が年4回、定例会ごとに議会だよりを発行しています。なぜ読まれないのか、と言えば答えは明らかで、関心のある記事がないからです。

話は変わりますが、10数年前より全国の地方議会では議会改革が進められています。議会改革を一言で言えば、地方自治の根幹として、議会と住民との距離をいかに縮めるか。住民の議会参画をいかに促すかということです。

今回のテーマ、読まれる議会だよりと議会改革には密接な関係があります。

町民登場

読まれる議会だよりの最大のポイントは、誌面への町民登場です。寄居町の議会だよりには毎号平均25名の町民が登場します。現在までの延べ登場人数は602人(平成27年より令和2年まで)となっています。登場の際には、必ず顔写真、名前、コメントの3点セットで登場いただいています。

登場いただく町民1人に対して、その方の家族、知人・友人、ご近所さん、職場の仲間、同級生など、関係者が数十名はいます。1人の町民が掲載されることで、関係者数十名に見ていただけることになります。できる限り初登場の方を優先させているので、これまでに登場いただいた602名の方の関係者を中心に読者が増えています。最近では、やっと自分のところにも取材に来てくれたと心待ちにしている方もいます。

取材については、16名の議員全員で手分けをして行っています。毎号25名登場といっても、1議員が1人ないし2人に取材をすれば済むことで、大勢の町民と接する議員にとっては、その気になれば簡単な仕事です。

目指せ、日本一

町村議会だよりには、年度ごとに全国広報コンクールがあります。926町村の議会だよりのナンバーワン、日本一を決めるコンクールです。おかげさまで、寄居町の議会だよりは平成29年度より4年連続で最優秀賞、日本一となっています。

議会だよりは、議会で実際行っていること、取り組んでいることを伝えるものであってフィクションでは作れません。広報での日本一はイコール議会の活動、取り組みが高く評価された結果だと思います。

また、日本一には大きな副産物もありました。全国の市町村議会から多くの視察の申し込みがあり、年間30~40件の視察を受け入れています。(現在はコロナ禍により休止中)地元に居ながらにして、全国の議員と意見交換できるのは大変有意義です。また全国の議会から、時間と費用をかけても視察したいと言っていただけることは大きな自信と励みにもなっています。

日本一高い山が富士山であることは小学生でも知っています。しかし、2番目に高い山となったら知っている人はかなり少なくなるでしょう。1番と2番は順位の差以上に大きな差があります。
日本一を目指したことが、今日につながっていると思います。

「わかりやすさ」という価値

議会だよりは、わかりやすさについてもこだわっています。
読まれない大きな要因のひとつにわかりにくさがあります。議会や行政における専門用語は、言葉の効率がいい反面、町民の皆さんには聞きなれない言葉が多いのも事実です。町の課題を鮮やかに解決することはできなくても、わかりやすく説明することはできます。池上彰氏や林修氏の解説を聞いていると、どこがポイントなのかとてもわかりやすいと感じる人が多いのではないでしょうか。

「わかりやすさ」はそれ自体が価値です。議会だよりは、議会の難しいルールにしばられることなく、住民に伝えるという一点にしぼって編集すべきものであると思います。

議会発政策サイクル

議会は定例会ごと、さらに言えば議案ごとに完結するというように、目の前の定例会、議案に集中しがちな傾向があります。これも大切なことではありますが、町の事業、課題はもっと長いスパン、大きな流れで捉えないと物事の本質が分からないことがあります。
執行機関は日々、専門スタッフが短期・中期・長期の視点で考えているので、どうしても議会は後追いになりがちです。
それを打破していくためには、議会が率先して政策サイクルを回していくことが求められます。

議会報告会、意見交換会、議会だよりの取材などを通して、日頃から町民の声を聞き、議会内でそれをよく議論し、次年度予算に反映できるよう執行機関へ提言する。予算審議では、提言がどんな形で予算に反映されたかを審議し、執行状況を監視する。そして決算では、その政策が提言で求めたような効果をあげたのかを議論し、次の提言に生かしていく。
このサイクルを回し続けることが、政策の方向性を見失わず、町民が期待する町の姿を実現してゆくことにつながります。
議会発の政策サイクルを回し続けることは、大きな議会改革の柱です。

挑戦は続く

ご覧いただいたように、「議会改革」と「読まれる議会だより」、「町民の議会参画と議会の充実」にはそれぞれ密接な関係があります。
我が議会では、議会だよりの“日本一”を目指すことをテコとして、さまざまな相乗効果を引き出してきました。
しかし、これで十分とは全く思っていません。議会は4年ごとの選挙によりメンバーが入れ替わります。議会のレベルアップは、選ばれた議員の熱意、そして有権者の意識に比例します。

地域における重要な仕事として、議員になりたいという熱意ある若者が出てくるような、魅力ある議員像を示すことが我々現職議員の大きな役割です。
次の時代にも存続するまちの第一条件は、自らのまちの将来は自ら決めると考えている人たちがどれくらいいるかだと思います。

寄居町の議会だより こちらから →
https://www.town.yorii.saitama.jp/site/gikai/kouhoukonkuru4.html

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峯岸 克明(みねぎし かつあき)

1966年(昭和41年)寄居町生まれ。日本大学法学部卒。商社勤務を経て、家業の精肉販売業に従事。元埼玉県商工会青年部連合会会長。2011年(平成23年)寄居町議会議員に初当選。以来3期連続当選。その間、総務経済常任委員会委員長、議会広報広聴特別委員会委員長、副議長を歴任。2019年(令和元年)より寄居町議会議長(埼玉県町村議会議長会会長、関東町村議会議長会会長を兼任)
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(編集後記)

新年度、自治体派遣職員4名とスタッフ1名、構想日本にも仲間が増えました。
コロナ禍の状況ではありますが、歩みを止めずに積み重ねていきたいと思います。
気持ちを新たに、皆さまからのご縁を賜われればと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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