構想日本

事業仕分けロゴマーク

ロゴマーク(R)

現場目線での行財政改革の切り札として2002年からはじめた「事業仕分け」は、おかげさまで、全国の府県や市町村での実施が200回を超えるまでになりました。政府でも「行政事業レビュー」という形で毎年継続的に行われるようになり、海外からも注目されています。

「事業仕分け」本来の意味や目的を明確にするとともに、それにふさわしいロゴマークをつくることにしました。私たちの未来をつくるという視点で、現場の声や実情に基づいて事業の必要性や本来あるべき姿を、公開の場で議論するというのが「事業仕分け」の趣旨です。

この趣旨をロゴマークという見える形にしてくれたのが、アートディレクターの森本千絵さんとコピーライターの岩崎俊一さんです。日本を代表するこの二人のプロフェッショナルが、趣旨に賛同し、ボランティアで作ってくださったのです。

【ロゴマークの解説】

森本千絵さんが、「事業仕分けの本来の意味に従い、どこまでも住民と向き合って真剣に議論する、そして未来に向けた社会を作っていこう」という思いを込めてデザインし、コピーライターの岩崎俊一さんがこの思いを”それは、未来をつくれるのか。 ”というコピーにしてくださいました。

住民のために本来の趣旨に基づいて、「事業仕分け」 を行っている自治体に、このロゴを、公開の議論の場や情報発信ツールなどで積極的に使って頂き、事業仕分けがさらに良いものとなり、日本全体で役に立つようになればと考えております。


森本千絵(もりもと・ちえ)

■森本千絵(もりもと・ちえ)[コミュニケーションディレクター、アートディレクター]

1976年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、博報堂に入社。2006年に史上最年少でADC会員となる。2007年に独立し、株式会社goenを設立。 goenとは「出逢いを発明する。夢をカタチにし、人をつなげていく。」という願いを込めて命名。広告、音楽や映画のアートワーク、空間デザインなど、人の縁で発生するあらゆることを企画し、デザインする。代表的な仕事にサントリー缶コーヒー「BOSSシルキーブラック」のCMや、Mr.Childrenなどのアートワーク、NHK「江」や「てっぱん」などのタイトルや宣伝美術など。各地方でのコミュニケーションデザイン活動として2012年に完成予定の隈研吾氏による「シティーホールプラザ アオーレ長岡」のサイン計画や空間デザイン、北九州到津の森公園での「どうぶつgoen」プロジェクトなど。初の作品集「うたう作品集」(誠文堂新光社)を5月に発刊。
(一言メッセージ)たくさんのものがあふれ、何が正しいのか、正しくないのかが混乱している中で、事業仕分けというものが機械的な判断ではなくお互いの顔を合わせてちゃんと話をし、かつ生活者と共有し、正しい整理の方向に進んでほしいと思っています。仕分ける手でもあり、お互い握手する手でもあり、その手がお互いを見合わせている顔のようでもあり。そしてお互いの話の中に新しい希望のアイコンが生まれていくデザインにしました。これで終わりということではなくて、ここから始まったと思っているので、デザインで力になれることがあったらどんどんやっていきたいです。

 

岩崎俊一(いわさき・しゅんいち)

■岩崎俊一(いわさき・しゅんいち)[コピーライター、クリエイティブディレクター]

1947年京都生まれ。同志社大学卒。レマン、マドラを経て1979年岩崎俊一事務所設立。代表作に、「21世紀に間にあいました。」(トヨタ)、「美しい50歳がふえると、日本は変わると思う。」(資生堂)、「人は貧しいという理由で死んではいけない。」(日本フォスタープラン協会) 、「やがて、いのちに変わるもの。」(ミツカン)、「トンボが動いている。人が、何かを生み出している。」(トンボ鉛筆)、「年賀状は、贈り物だと思う。」(日本郵便)、「きたえた翼は、強い。」(ANA)などがある。TCC賞、ACC賞など受賞多数。2009年「幸福を見つめるコピー」を出版。2010年東急電鉄のスタイルマガジン[SALUS]5月号より「大人の迷子たち」エッセイ連載中。
(一言メッセージ)手の届かない政治や行政にイラ立つ私たちにとって、公開の場で行われる事業仕分けは、「見える作業」としてとても新鮮でした。この火は消さないでほしい。

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